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業界ニュース 2018.12.14

見た目を裏切るパワフルモデル! 羊の皮を被った狼なクルマ5選

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■普通の外観にパワフルなエンジンを搭載

「羊の皮を被った狼」という言葉をご存知でしょうか。発祥は新約聖書の「マタイによる福音書、第7章第15節」にある『にせの預言者を警戒せよ。彼らは、羊の衣を着てあなたがたのところに来るが、その内側は強欲なおおかみである』これが転じて、見た目はおとなしいが中身は良からぬことを考えている人のことを指すようになったようです。

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 日本で「羊の皮を被った狼」という言葉が広まったきっかけは、1964年に鈴鹿サーキットで開催された「第2回日本グランプリ」レースでの出来事といわれています。

 当時、日産と合併する前の「プリンス自動車」が「S54型 スカイライン2000GT」を走らせていましたが、ライバルはポルシェ「904 GTS」という、純粋なレーシングカーに近いマシンでした。

「グロリア」から移植された6気筒エンジンを搭載したとはいえ、市販車を改造した「スカイライン」が敵う相手ではないということは、誰の目にも明らかに見えました。しかし、レース途中でわずかな時間でしたが「スカイライン」は「904GTS」を抜き、トップに躍り出るという快挙を成し遂げるのです。

 この様子を伝えた翌日の新聞の見出しに「スカイライン」を賛美する言葉として「羊の皮を被った狼」と書かれ、後に、見た目とは裏腹に強力なエンジンを搭載し、速いクルマの代名詞になりました。

 そこで、今回「羊の皮を被った狼」“的”な国産車を5車種ピックアップして紹介します。基準としては比較的おとなしい外観を持ち、高性能なエンジンを搭載したモデルになります。

●日産「アベニール GT4」1998年

 日産「アベニール」は「プリメーラ」とシャシを共有するステーションワゴンです。見た目は普通のワゴンですが、この「アベニール GT4」は「パルサーGTI-R」や「シルビア」に搭載された、名機といわれる「SR20DET型」エンジンを搭載し、当時の高性能フルタイム4WDシステム「アテーサ」を組み合わせています。

「アベニール GT4」の「SR20DET型」エンジンは2リッターDOHC4気筒ターボで、最高出力は230PSを誇ります。トランスミッションは4ATのみでしたが、十分にスポーティな走りが期待できたでしょう。

 この時代、日産は高性能エンジンだった「SR20DET型」を「アベニール」以外でも、同じくステーションワゴンの「ルネッサ」やセダンの「ブルーバード」にも搭載していました。

「ブルーバード」はスポーティグレード「SSS」がありましたから理解できますが、「アベニール」や「ルネッサ」に高性能エンジンを搭載していたのは謎です。

 おそらく日産は「スカイライン GT-R」や「シルビア」、「フェアレディZ」といったターボエンジンの高性能車をラインナップしていたことから、諸事情でスポーツカーを購入できないファミリー層に向けたモデルだったのではないでしょうか。

■こんなモデル、2度と出てこない? 貴重な存在

●三菱「タウンボックス RX」1999年

 三菱「タウンボックス」は、商用車の「ミニキャブ」をベースにした1BOXタイプの軽乗用車です。このチョイスはなぜ? と思う方もいるでしょう。

「タウンボックス RX」に搭載されているエンジンは「4A30型」ですが、これがDOHC4気筒20バルブ・ターボという、類まれなエンジンとなっていました。

 4気筒20バルブということは、1気筒に5本のバルブが配置されていて、吸気バルブが3本、排気バルブが2本になります。5バルブエンジンを作っていたのは日本でトヨタとヤマハ、三菱だけですが、クルマでは三菱が1989年に軽自動車「ミニカ ダンガンZZ」を発売し、量産自動車では世界初でした。

 最高出力は軽自動車の自主規制上限である64PSですが、ポテンシャルはもっと上にあったことでしょう。なお、5バルブの「4A30型」は「タウンボックス」以外にも「ミニカ」「パジェロミニ」「トッポBJ」にも搭載されていました。

 おそらく、この先二度とこんな軽自動車のエンジンは出てこないでしょうから、ほんとうに貴重な存在です。

●日産「セントラ SE-R」2001年

 日産「セントラ」は北米版「サニー」です。今回紹介する「セントラ」は1998年に発売された「B15型 サニー」をベースに、前後のデザインを変更した、コンパクトセダンとなっています。

 日本では「B15型 サニー」は全車直列4気筒の1.8リッターから1.3リッターガソリンエンジンと、2.2リッターのディーゼルエンジンをラインナップしており(最終型では1.5リッターと1.3リッターガソリンエンジンのみ)、前期型のスポーティグレード「VZ-R」以外は比較的年配の方が買うクルマというイメージが強かったです。

 しかし、この「セントラ SE-R」には2.5リッターの「QR25DE型」を搭載し、最高出力は167PSと1.1トンほどのボディには十分に強力なものになっていました。

 さらに、「セントラ SE-R Spec V」では「QR25DE型」エンジンを176PSへパワーアップし6速MTが搭載され、オプションでブレンボ製フロントブレーキキャリパーを選ぶことができるなど、レベルの高いスポーツセダンとして仕立てられていました。

 なお、日本では「サニー」は廃止されましたが、「セントラ」はいまも北米市場で販売されており、スポーティグレードでは「セントラ ニスモ」があります。

■現代版「羊の皮を被った狼」にふさわしいモデル

●ダイハツ「ブーン X4」2006年

 ダイハツ「ブーン」はトヨタ「パッソ」と姉妹車のベーシックなコンパクトカーです。通常モデルは1リッターと1.3リッターの自然吸気エンジンを搭載していますが、この「ブーン X4(クロスフォー)」は「KJ-VET型」1リッターDOHC4気筒ターボエンジンを搭載し、最高出力は133PSと高性能なもので、ドライブトレーンもフルタイム4WDとなっていました。

「ブーン X4」はラリーやダートトライアルなど、モータースポーツに出場するためのベース車で、エアコンなどの快適装備を省いたグレードと、装備を充実して街乗りにも使える「ハイグレードパック」を設定。

 実際に街なかで使い勝手のよいコンパクトカーなので、普段遣いできる高性能車として、いまも中古車市場では高めの相場を維持しています。

 ちなみに「ブーン」の先代は「ストーリア」でしたが、「ストーリア」にも「X4」がありました。こちらは軽自動車用4気筒エンジンをベースにした713ccターボで、最高出力は120PSもあり、リッターあたりの馬力は168PSと、コンパクトカーとは思えないほどパワフルなエンジンを搭載していました。

●スバル「レガシィ 2.0GT DIT」2012年

 元々スバル「レガシィ」はスポーティなミドルクラス4WDセダン/ワゴンとしての地位を確立していました。初代ではWRC(世界ラリー選手権)に参戦し、歴代「レガシィ」は常にパワフルなエンジンを搭載していました。

 現在「レガシィ」の地位は「WRX」や「レヴォーグ」が引き継ぎ、現行モデルは水平対向4気筒2.5リッターエンジンに1本化され、おとなしいイメージのクルマとなっています。

 しかし、ひとつ前のモデルでは「BRZ」の水平対向4気筒の「FA20型」にターボを加えたエンジンを搭載する「レガシィ 2.0GT DIT」(Direct Injection TURBO=直噴ターボ)がラインナップされました。

 最高出力は300PSに達し、トランスミッションはCVTのみでしたがスポーツモードも用意され、足回りも専用にチューニングされるなど、スポーティなセダン/ワゴンとなっていました。

 外観は小ぶりなエアインテークをボンネットに備えるくらいで、ベースモデルはとくに派手なエアロパーツもなく、それでいて300PSのエンジンという、現代版「羊の皮を被った狼」にふさわしい1台となっています。

※ ※ ※

「羊の皮を被った狼」“的”なクルマ5選はいかがでしたか。なぜ “的”を付けたかというと、本当の意味で「羊」ではないと思ったからです。例えば「ブーン X4」の外観は、大きなエアインテークを備えており、「羊」ではありません。

 本物の「羊の皮を被った狼」ならば「ストーリア X4」の方がふさわしく、初代「ミニ クーパーS」や、ちょっとマニアックですがロータリーエンジンを搭載したセダンのマツダ「ファミリアプレスト」や、フェラーリのV8エンジンを搭載したランチア「テーマ 8.32」などが挙げられます。

 今回紹介した5車種のようなモデルは、新車ではほとんどなくなってしまいました。強力なエンジンを搭載するモデルは、それにともなってスポーティな外観を持つようになり、三菱の5バルブエンジンも軽自動車には意味がありません。また「ブーン X4」のようなモデルも出ておらず、1リッタークラスのコンパクトカーはおとなしいモデルばかりです。

 メーカーとしては車種とグレードを整理して、合理的な販売を行なうということが正しい判断なのかもしれませんが、ちょっと無謀にも思えるようなユニークなモデルが出てこないのも寂しい限りです。

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(くるまのニュース くるまのニュース編集部)

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