見た目だけじゃなく運動性も高いモデルが続々登場!
日本における輸入車はこれまで“ドイツ車一強”だった。しかし最近、その様相が大きく変化し始めている。スウェーデン、イタリア、フランスのクルマに、アンチドイツ車向け……とは言えない、ドイツ車に並ぶ、真の魅力を讃えたゾクゾクできるクルマたちが続々登場しているのだ。ここではその中から、実用的に使える、今をときめくSUV、根強いファンの多いステーションワゴンのカテゴリーから珠玉の4台をピックアップしてみた。
1)ボルボXC40(スウェーデン)
その筆頭が、発売前から予約が殺到したボルボXC40だ。全幅こそ1875mmとそれなりにあるものの、時代の先端をいくコンパクトSUVであり、内外装のデザイン、日本車も真っ青な収納やラゲッジルームのアレンジのアイディア、そして走り始めて10mもいかないうちに上質を感じさせる文句なしの走行性能など、ドイツ車から乗り換えても満足度の極めて高い1台なのである。
ラインアップは389万円のXC40 T4からあるのだが、ほぼ全グレードに試乗した経験から、お薦めはXC40 T4 Momentumである。同じ2リッターターボ+8速ATでもT5の252馬力/350N・mに対してT4は190馬力/300N・mとチューンが異なるものの、動力性能は十二分。世界最先端の先進安全支援機能は全車に標準であり、むしろスウェディッシュモダンなファブリックシートのほうが掛け心地がソフトで心地良い。
フットワークも全高1660mmあるSUVとは思えない安定感の持ち主で、文句のつけどころのない、ファミリーカーとしても最高の1台なのである。
2)ボルボV60(スウェーデン)
次に紹介するのもボルボ。およそ7年ぶりに復活し、先代V60、V70の後継車となるエステート(ステーションワゴン)のV60である。ボルボは今ではXCシリーズが絶好調でSUVメーカーのように思われているが、ご存じのとおり、240、850エステートなど、ステーションワゴンで名を馳せてきた自動車メーカーでもあるのだ。
新型V60は日本の要望で全幅を1850mmに抑えた、ジャパン・フレンドリーなモデル。優雅なスタイリング、スウェディッシュモダンを極めた上質なインテリア、前席マッサージ機能を含む装備の充実度、世界最先端の先進安全支援機能など、世界的にステーションワゴンが減少傾向にある中で、ボルボのエステートファン、輸入ワゴン派にとって待望の新型車なのである。
ライバルはメルセデス・ベンツCクラスステーションワゴン、BMW3シリーズツーリング、アウディA4アバントなどだが、価格、世界最先端の先進安全支援機能、ラゲッジルームの使い勝手、ワゴンユーザーに多い愛犬家向けのアクセサリーの充実度など、優位に立つ部分も少なくない。ズバリ言えば、今、日本で買えるステーションワゴン、イチオシなのがこのV60と言えるほどだ。
3)DS7クロスバック(フランス)
ドイツ車一強時代の終焉を告げる刺客の1台がDS7クロスバックだ。インテリアを見てほしい。日本車やドイツ車では絶対になし得ないアバンギャルドなデザインが素晴しい。
乗り心地も往年のフランス車を彷彿させるクルーザーのようなおおらかかつしなやかなもので、ドイツ車からもっとも遠いところに位置する輸入車とも言えるのだ。SUVにして悪路や泥道がこれほど似合わない(!?)クルマもなく、都会、高級ホテルなどのエントランスに最高に似合う独自の世界観を持っている。
また、婦女子を助手席に乗せたならば、そのアバンギャルドで超オシャレな空間は、許せないものも許せてしまうほどの威力を放つ。カメラ画像によって乗り心地を最適に変化させるドライブモードの存在も、車内での話題を盛り上げてくれる。女子好みの乗り心地を含め、今、最高の大人のデートカーとも言える、SUVのカタチをまとったスペシャルカーである。
4)アルファロメオ ステルヴィオ(イタリア)
最後に紹介するのは、イタリアからの刺客、アルファロメオ・ステルヴィオ。SUVにしてスポーツカーの操縦性を備えた至高の1台。デザイン、走行性能、意外にもジェントルな乗り心地など、評価すべき点は数多い。
そのなかでも、やはりデザインの国・イタリア産ならではのスタイリッシュさ、内外装のデザイン性は、ドイツ車が到底行き着けない世界。伊達男の最終兵器、イタリアファッション、ライフスタイルを完結させる乗り物と言ってもいい。ここで紹介した4台中、走りの熱さ(正確には操縦性の興奮度)ではほかを寄せつけない魅力がある。
ちなみに先日、音楽業界の敏腕女性を後席に乗せ、今年の顔となりうる9台のクルマにイッキ乗りしたところ、もっとも感動してくれたのがこのステルヴィオだった……。ご参考まで。
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