■国内SUV市場で根強い人気を誇るトヨタ「C-HR」とホンダ「ヴェゼル」
クルマのカテゴリーに『SUV』があるのをご存知の方は多いと思いますが、それが何を指しているのか明確にとらえている方は少ないと思います。
SUVは「Sport Utility Vehicle(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)」の略で、当初はピックアップトラックの荷台にシェル(ハードトップ)を載せた、国内だとトヨタ「ハイラックス・サーフ」などの娯楽用の車の呼び方でしたが、ビッグスリーもトラックの荷台にシェルを被せたワゴンをリリースし、アメリカで市民権を得て一気にSUVの呼び名が定着しました。
FRやFFの2輪駆動クロスオーバー車は「乗用車」扱いでSUVではないとするのが一般的になってきていますが、「ジープ型の4輪駆動車でワゴンとバン・トラックを含む(一部2WDを含む)」と日本自動車販売協会連合会の統計上で区分されていますので、実際には明確になっていません。
とはいえ、トヨタ「ハリアー」やホンダ「CR-V」のヒット以来、アウディやBMW、ポルシェまでSUVを販売し世界中で人気となっています。
現在、コンパクトSUVとして人気車種となっているトヨタ「C-HR」(2018年5月にマイナーチェンジ)とホンダ「ヴェゼル」(2018年2月にマイナーチェンジ)の2台が、2018年上半期販売台数で13位と14位に位置しており、ライバル同士と仮定して比較してみようと思います。
■室内空間では「ヴェゼル」がリード
SUVは「スポーツ用多目的車」と表されることもありますので、コンパクトSUVと分類した場合には多目的であること、つまり悪路走破性に特化しているよりも市街地での扱いやすさが大切になりますので、やはりボディサイズの比較から始めてみましょう。
「C-HR」は全長4360mm、全幅1795mm、全高1550mm(ガソリン4WD車は1565mm)、ホイールベース2640mmで最小回転半径5.2m。
「ヴェゼル」は全長4330mm(HYBRID RS・Honda SENSING、RS・Honda SENSINGは4340mm)、全幅 1770mm(HYBRID RS・Honda SENSING、RS・Honda SENSINGは1790mm)、全高1605mm、ホイールベース2610mm、最小回転半径5.3m(HYBRIDS RSは5.5m)となっています。
「C-HR」の方が数センチほど大きいボディながらも、狭い道や駐車場などでは若干ですが小回りは利きそうです。ただし、大きな差ではないので、乗ってみて見切りの良さなども考慮したほうがいいでしょう。
客室内寸法については、「C-HR」が長さ1800mm、幅1455mm、高さ1210mm。「ヴェゼル」は長さ1930mm、幅1485mm、高さ1265mmなので、全高が高いこともありますが「ヴェゼル」のほうが広いです。さらに荷室の容量も「C-HR」は318L、「ヴェゼル」は「センタータンクレイアウト」の恩恵もあり393L(ともに5名乗車時)となっています。
総合して室内空間は「ヴェゼル」が有利です。
■4WDモデルの燃費は「ヴェゼル」が圧倒する
「C-HR」と「ヴェゼル」の2台を比較する際に気を付けないといけないことは、「C-HR」のハイブリッド車はFFのみで4WDが欲しい方はガソリンエンジン車しか選択できない点にあります。2輪駆動車はSUVではないとの考え方が主流になっていますので「4WDが欲しい」と思っている場合は必然的にガソリンエンジン車を選ぶことになります。
「C-HR」でいちばん燃費がいいのは2WDハイブリッド車の「G」と「S」が、JC08モード燃費消費率で30.2km/L、「ヴェゼル」は2WD「HYBRID Honda SENSING」の27.0km/Lです。
4WD車で比較すると、「C-HR」はガソリンエンジン車の「G-T」と「S-T」が15.4km/Lに対して、「ヴェゼル」は19.6km/Lです。さらに「ヴェゼル」なら4WDでもハイブリッド車を選べますので、23.2km/L(HYBRID Honda SENSINGの場合)と圧倒的に燃費の面では優位です。
パワーについては、「C-HR」は最高出力98PS、最大トルク14.5kgmの1.8リッター4気筒「2ZR-FXE型」エンジンに、最高出力72PS、最大トルク16.6kgmの「1MN型」モーターを組み合わせたハイブリッドシステムと、最高出力116PS、最大トルク18.9kgmの1.2リッター4気筒「8NR-FTS型」インタークーラーターボエンジンをラインナップ。
対する「ヴェゼル」は最高出力132PS、最大トルク15.9kgmの1.5リッター4気筒「LEB型」エンジンに最高出力29.5PS、最大トルク16.3kgmの「H1型」モーターを組み合わせたハイブリッドシステムと、最高出力131PS、最大トルク15.8kgmの1.5リッター4気筒「L15B型」エンジンをラインナップしています。
パワー的に大きな差はありませんが、燃費と合わせて検討したほうが良さそうです。
■「C-HR」は「Toyota Safety Sense」、「ヴェゼル」は「Honda SENSING」を全車標準装備
いまやこのクラスのクルマでは必須となる先進安全装備についてですが、「C-HR」も「ヴェゼル」もJNCAP(自動車アセスメント)の2017年度予防安全性能評価で最高ランクの「ASV++」を獲得しています。「C-HR」は「Toyota Safety Sense」、「ヴェゼル」は「Honda SENSING」を全車種に標準装備しています。
さらに「C-HR」はプリクラッシュセーフティによる「セーフティ・サポートカー」、「ヴェゼル」はプリクラッシュセーフティに加えアシスト機能により「セーフティ・サポートカーS〈ベーシック+〉」に該当しますので、先進安全装備の充実度でいうと「ヴェゼル」がリードします。
■コストパフォーマンスは「ヴェゼル」
価格については、まずベーシックなFFガソリン車で比べてみます。「C-HR」は「S-T」というグレードで229万円(消費税込:以下同様)で、「ヴェゼル」は「G・Honda SENSING」で207万5000円になります。
装備に大きな差はありませんが、「C-HR」は17インチ・アルミホイールが標準装備され、「ヴェゼル」は16インチ・スチールホイールになります。後から交換することになると、「C-HR」と「ヴェゼル」の価格差はぐっと縮まるでしょう。
次にハイブリッド車の上級グレードでは「C-HR」が「G」で292万9200円、「ヴェゼル」が「HYBRID Z・Honda SENSING」で292万6000円と、ほぼ同価格ですが、前述の通り「C-HR」はFFになりますから、コストパフォーマンスは「ヴェゼル」のほうが上でしょう。
※ ※ ※
各項目を総合すると、「ヴェゼル」は圧倒的にお買い得感があるように思われます。ところが、冒頭で、2018年上半期販売台数で「C-HR」13位と「ヴェゼル」14位と書いていますが、「C-HR」が3万6334台、「ヴェゼル」2万8377台と、販売台数では「C-HR」が圧勝しています。
デザインは好みが分かれるところですが、概ね「C-HR」のほうが好評のようです。それに、4WDは必要としないというユーザーも多いでしょうから、じつはSUVに求められるニーズに応えているのは「C-HR」なのかもしれません。
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