■まさかトランク内を水で満たして測っている……?
荷室の広さは、クルマを選ぶうえで重要な要素のひとつ。多くの車種で、荷室の寸法がカタログに明記されていますが、その数値だけでは、どれくらい荷物が入るかピンとこない場合もあるかもしれません。
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そこで、荷室容量が『リットル』で表されている車種もあります。たとえばスズキ「ジムニー」はウェブサイトで、荷室の高さ、幅、床面長の数値とともに、「リアシートを倒せば、大容量352Lの荷物スペースが広がります」と紹介されています。その説明の末尾には小さな文字で、「荷室容量はVDA(ドイツ自動車工業会)の定めたトランク容量測定値」との注記が。
これは、200×100×50mmの箱を荷室に積み込み、その入った個数を容量として表記するもの。箱ひとつの容量が1リットルです。つまり荷室容量352リットルというのは、200×100×50mmの箱が352個入ったということ。リットルによる荷物容量表記は、多くがこの測定法に基づいています。
このため、箱が入らないような狭い隙間などはカウントされず、荷室寸法から計算した容量よりも小さくなります。グレードや装備の違いによっても箱が入る条件が異なってくるうえ、上の「ジムニー」のように後席を倒した状態での数値だったり、サブトランクの容量を含めた数値だったりもするので、あくまで目安として捉えたほうがよいのかもしれません。
もうひとつ、荷室容量の表現として多いのが、「ゴルフバックがいくつ積載できるか」というもの。たとえばマツダではほとんどの車種の荷室容量を公開していますが、リットル表示のほかに、9インチゴルフバック積載個数も明記しています。とはいえこれも、載せ方に細かな注記が書かれているケースもありますので、やはり目安でしょう。
■荷室容量表記、軽では「ウリにならない」?
この荷室容量の数値は、車種によって明記されている場合とそうでない場合があります。特に軽自動車では荷室の寸法しか書かれていないケースが多いようです。
たとえば、「ドデカクつかえる」ことがウリのひとつであるダイハツ「ウェイク」。「アンダートランクは90Lの大容量」とリットル表記をしているものの、メインの荷室自体は寸法のみを表示しています。ダイハツによると「軽ではリットル表記はあまり使いませんね。たとえば『ハイゼット』などの貨物用バンでは、より実用をイメージできるよう、ミカン箱何個、ビールケース何個、畳何枚が入るといった紹介をしています」とのこと。
スズキでは、登録車ではリットル表記で荷室容量を紹介している車種が複数ありますが、やはり軽自動車ではあまり見られません。「荷物容量の表記をする、しないに明確な決まりもなく、クルマの性格に応じてです。基本的に、聞かれることが多い車種で容量を表記しています」といいます。
「そもそも軽乗用車の場合は荷室容量をアピールしても弱いです。『スペーシア』などの背の高いクルマ、また登録車であっても『ソリオ』などは、キャビンのほうに重きを置いているので、荷室はあまりアピールしていません。一方で『ジムニー』などはクルマの性格上、キャビンよりも荷室をアピールする意味で荷物容量を表示し、積載のイメージも複数提示しています」(スズキ)。
また、「イグニス」や「スイフト」といったコンパクトカーでは、「小さく見えてもこれだけ荷室があるよ」とアピールするうえで容量を表記しているそうです。
ダイハツは、公式の動画コンテンツでも「荷室容量の値だけでは使い勝手はわかりません」「シートアレンジによっても荷室容量は大きく変わります」「荷室容量の大きさだけを気にするのではなく、床のでっぱりや荷室の高さなど『使い勝手』をしっかり確認しましょう」としています。
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