西菱電機は、兵庫県伊丹市内の若手農家で構成される伊丹市農業青年研究会と2018年4月から2018年8月までの期間においてトマトの施設栽培におけるLoRaWANを活用した農業IoTの実証実験を実施した。
「LoRaWAN」とは、低消費電力、長距離通信を特徴とするLPWA(Low Power Wide Area)通信方式の一つで、無線局免許が不要となる920MHz帯を利用する無線通信規格。LoRaWANの名称はSemtech Corporationの商標。
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■背景
伊丹市農業青年研究会が伊丹市から受託した「農業情報技術(IoT)活用モデル事業委託業務」に基づいて、2017年10月から2018年3月まで、LoRaWAN対応の環境センサーを活用した栽培環境の「見える化」に関する実証実験を行い、2018年4月から2018年8月まで、伊丹市で注力するビニールハウスの完熟トマト栽培で検証を行った。いずれの実証実験も「Seiryo Business Platform(SBP)」が提供する農業IoTを活用したもの。
■成果
LoRaWAN対応の環境センサーを設置した伊丹市内ビニールハウスの栽培環境の数値化によって、これまで経験に依存していた水やり回数を1週間に8時間削減し、空き時間をミニトマトの出荷販売に充てることで収益増につながった。また、ビニールハウス内の温度や土壌温度の数値化によって、温度抑制用マルチや消毒の有効性が数値で確認でき、投資すべき資材が明確になるなどの施設栽培の改善につながった。
■今後の活用と展開
実験に参加した農家の中には「市民農園のお客様から今年は味が良い」といった嬉しい声を頂くこともできたとのことで、継続的にIoTを活用することにより農作物の品質向上にも期待が寄せられている。
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