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本日復活! 日本市場に戻ってきたCR-V──HVも新たに設定!

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本日復活! 日本市場に戻ってきたCR-V──HVも新たに設定!

CR-Vが生まれたのは今から20年以上前のこと。今でこそSUVカテゴリーは百花繚乱かもしれないが、当時の主流はトラックとの共通項が多いフレーム式シャシーを持つヘビーデューティなモデルばかりで、居住性や快適性を重視し、乗用車ベースで開発されたモデルは数えるほどしかなかった。CR-Vはその先鞭をつけたモデルの1台だ。

そのCR-Vは開発・生産スケジュールの関係で約2年のブランクを経て日本市場に復活投入された。ちなみに初代CR-VとともにSUVカテゴリーの礎を築いたトヨタのRAV4も今年、久しぶりに日本市場に復活する予定という。

価値ある上質なプラグ・イン・ハイブリッド──ホンダ新型クラリティPHEV公道試乗記

全長4605mm、全幅1855mm、全高1680mmの車格から測るに、想定される日本車のライバルはトヨタ ハリアーやマツダ CX-5、スバル フォレスターといった辺りだろうか。そして輸入車に目を向ければフォルクスワーゲン ティグアンなども範疇に入ってくる。いま、ライバルが最も多いセグメントといっても過言ではない。

新型CR-Vの1番のセリングポイントは、それらライバルの中央値的な寸法でありながら、3列シートを配した7人乗りの設定があることだろう。同等機能を有するライバルとしてはニッサン エクストレイルやプジョー 5008、ランドローバー ディスカバリースポーツなどが挙げられるが、それらのなかでは新型CR-Vは最もボディサイズが小さい。

ただしその最後列は大人が常用出来るスペースではなく、あくまでオケージョナルユースと考えるべきだ。普段は荷室部にツライチで格納しておいて、たとえば帰省時に2世代で短距離移動する時など、シートを引き出して子供を乗せるという形の使い方が似合う。ミニバンにはかなわなくても年に何度かのために3列シートは欠かせないという家族にはいい選択になるはず。ちなみに先に挙げたライバルも同じようなもので、SUVカテゴリーにおいて常用で使える3列シートモデルを求めれば5mに近い全長のモデルが候補だろう。

パワートレーンはガソリンターボとハイブリッド

搭載するパワーユニットは1.5リッター直列4気筒ターボエンジンと2.0リッター直列4気筒+2モーターのハイブリッドという2種類だ。いずれも、すでにステップワゴンなどで展開しているが、ハイブリッドでも4WDが選べるようになった点が新しい(これまでは2WDのみ)。

ホンダの最新4WDシステムは、後輪側に積極的に駆動力を配分することで旋回性を高めるセットアップになっており、アクティブなドライビングではオンロードでもその効果を感じることが出来る。

個人的感想として、商売の足を引っ張っているとしか思えなかったホンダのデザインは最悪期を脱したように思う。しかし、新型CR-Vのそれをみると、「なんでこんなくどい顔つきになっちゃうんだろう……」など、“?”がいくつか灯るのも確かだ。

但しフロントフェンダーの両端を摘み上げることで車内から車幅感覚が掴みやすくなっているなど、機能と両立したディテールであることも忘れてはならない。サイドウインドウも素直に水平基調で配されているため、側方視界も良好だ。数多くのライバルと比較しても、真面目に使いやすさを優先していることが伝わってくる。

奇をてらわない造りになっているのはインテリアも然りだ。操作系はあるべきものがあるべきところにきちんとあるし、ストレージやポケット類をみても、デザインとインテグレートするより、“容量大きくざっくり出し入れ出来る!”という使い勝手を意識している。

オーナメントのウッドライクな処理がかえって仕立てを安っぽくみせているのは残念ではあるが、全体の質感は及第点以上といっていいだろう。ちなみに2つのグレードのうち上級側は本革シートやスライディングルーフなども標準装備だ。

先に販売が始まった米中市場に対し、日欧市場での展開が遅れた理由のひとつが、オンロードでの運動性能においての要求値が高いためだという。そこで開発陣は欧州の各地を徹底的に走り込み、フィードバックを盛り込んでいくという地道な手法でCR-Vの日欧仕様を造り上げていった。開発リーダーはこの手法を採った理由について「社内の若い開発陣に机上ではなく、泥臭いクルマの作り方を継承しておきたかったから」と仰せられる。

その甲斐あってか、新型CR-Vの走りの質感は相当高いといえる。日本での発売前、オーストリアで現地仕様車(ガソリンモデル)を試乗したが、山道ではオーソドックスなSUVプロポーションから思い浮かべる鈍重さは微塵もなく、スラスラとつづら折れを駆け抜ける。

それもステアリングのギアレシオなどの小手先で軽快さを安易に醸しているわけではない。自然なロール感を伴いながら手の内にしっかり4輪が路面を捕まえる踏ん張り感も伝わってくるなど、あくまで安心感が土台にあってのスポーティなフィーリングに仕上がっている。

そんな新型CR-Vがいちばん輝く乗り方を問われれば、日々の生活環境で何も力まず普通にステアリングを握って走ることだと思う。たとえば国道やバイパスを、時速50~60km/hくらいの速度でゆるゆると延々と走り続けることが、このクルマでは嫌にならない。“クルマにはこのぐらいの速度域だと一番動きの収まりがいい”という、ある種の「スイートスポット」みたいなものがあるが、CR-Vの場合は美味しいところが低い速度域から幅広く採られている。

CR-Vは2016年、世界で最も売れたSUVという。その最大市場はアメリカだ。彼の地では老若男女幅広く、日々のアシとしてこのクルマを使っている。ゆえに、ここ一発の尖った性能など誰も望んでいない。乗り降りしやすく、取り回ししやすく。荷物もいっぱい載せられて、ちょっとした悪路でもへこたれず、田舎道やフリーウェイを延々と気持ちよく走り続けて……といった平凡な能力の高さが求められる。この要求にCR-Vが合致したからこそ、アメリカで売れているのだろう。

生活の道具として、気持ちよく使ってもらうことにどこまで徹することが出来るのか……。そんな仕事はホンダらしくないように思うかもしれないが、実はそうではない。人に対する優しさこそ、本田宗一郎の中核的理念である。そこまで大袈裟なことを言わずとも、世界の人は新型CR-Vのようなシームレスな商品こそホンダらしいと思っているのだろう。

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