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もっと評価されるべき! 伝統の車名でも「不人気」なスポーツモデルたち

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もっと評価されるべき! 伝統の車名でも「不人気」なスポーツモデルたち

 スポーティさが薄れたことでファンが離れてしまった……

 いつもの話で恐縮だが、モノの価値にはざっくり「使用価値」と「交換価値」の二種類がある。クルマの場合、機械としてよくできていて、性能がよければ「使用価値」が高い。一方、「交換価値」はモノの出来不出来に関わらず、いわゆる人気に左右される。とくに中古車相場は「交換価値」だけで決まるといって過言ではない。そうした中古車相場を眺めていると、もっと評価が高くてもいいのに……と思うクルマがいくつかある。今回は、その代表的な2台をピックアップしてみよう。

【WRCにその名を刻んだ名車】トヨタ・セリカWRC参戦の歴史

 1)トヨタ・セリカ(T230系)

 簡単にいうとセリカシリーズ最後のモデルで、7代目のこと。セリカは元祖スペシャリティカーで、初代は有名なダルマセリカ。レースやラリーでも活躍し、とくに4代目(T160)、5代目(T180)、6代目(T200)のセリカは、WRCでターボ+4WDが全盛期のグループAで大活躍。F1のルノーチームのドライバー、カルロス・サインツJrの実父、カルロス・サインツがこのセリカで国産車初の、ラリーの世界チャンピオンに輝いている。

 ところが、7代目セリカ=T230ではそれまでのセリカに対し、大きく路線変更。ボディはダウンサイジング。エンジンは先代までの2リッターターボから、NA1.8リッターの2ZZと1ZZのみとなり、象徴ともいえるターボと4WDは姿を消して、なんとなく牙を抜かれた印象に……。

 しかし、車体はなかなかよくできていて、FF専用シャシーにもかかわらず、リヤサスにはバイザッハアクスル式ダブルウイッシュボーンを採用。

 T230セリカがデビューした1999年には、ホンダにインテグラタイプR(DC2)という、1.8リッター200馬力の人気、実力ともにクラス最強のモデルがあったので、どうしてもT230の影は薄かった。

 しかし、2ZZエンジンならインテRの200馬力には及ばなくても190馬力の大パワーがあり、トヨタ版のVTECともいえる連続可変バルブタイミングリフト機構VVTL-iが備わっていたので、ドライバビリティにも優れていた。

 ボディデザインは、アメリカにあるトヨタのデザインスタジオ「CALTY」が担当した、ガンダムチックな意欲作で、いま見てもなかなかシャープで新鮮な顔つきをしているのだが人気は低迷。2006年に生産中止となり、最後のセリカになってしまった。

 しかし、前記のようにいいエンジン、1100kgの軽量ボディ、そして6速MTに優れたシャシーを持っていて、ハンドリングはかなり良好。このクラスのライトウエイトスポーツとして、立派なパフォーマンスは持っていた。

 ただ残念なことに、トヨタは1995年でワークスとしてはWRCから撤退。先代までがラリーのイメージが強かっただけに、4WDでもターボでもないT230のイメージはどうしても弱い。レースでもスーパーGTのGT300クラスに出場していたが、中身はGT500のFRスープラがベースで……モータースポーツのイメージが上手く構築できなかったせいか、スポーツカーファンの支持が弱く、アフターパーツも乏しかった。その余波のおかげで、中古車相場の平均価格は48万円前後と50万円を切るところに!

 トヨタファンや、ライトでよく走るFFスポーツを探している人は、ずばり狙い目の一台だと思うのだがどうだろう?

 2)日産・フェアレディZ(Z33)

 Z33は、2002年デビューの5代目。先代が国産初の280馬力&ターボモデルだったので、NA3.5リッターエンジンのVQ35DE型エンジンが何となくユーザーに物足りなく映った感がある。しかし、NAのV6エンジンとはいえ、初期型から最高出力は280馬力もあり、FMプラットフォームをベースとしたシャシーは、2シータークーペオンリーと割り切っていて、前後重量配分は53:47と理想的!

 デザインも非常にZらしいスタイリングを継承しており、空力的にはオプションのスポイラーなしでも、フロントの揚力はゼロ=ゼロリフト。スポイラーを装着すると、前後ともゼロリフトという優秀さを誇る。欠点は、当初VQ35エンジンが6600rpmしか回らなかったこと。パワーとドライバビリティが良くても、スポーツカーのエンジンが6600rpm止まりというのはさすがに寂しく不評だった(のちに7000rpmに)。

 また、当時のスポーツカーがターボチューンの全盛期だったこともあり、大排気量NAのZ33への関心は薄く、ZファンからもZ31、Z32のターボのイメージが強かったせいか支持はイマイチ。乗ってみるとシャシー性能がいい割に、エンジンが大人しいのでコントロール性に優れる。2シーターということもあり、いい意味で大きな(マツダ)ロードスター的なキャラクターといえ、ドライバーフレンドリーで好感が持てる。

 新車時、サスペンションが固いというのもネガティブな要素として挙げられていたが、アフターでいい社外サスペンションが入手できるし、エンジンのレブリミット、パワー、レスポンスなども、コンピュータチューンと吸排気系をいじれば、なかなか楽しい仕様になる。そんなZ33だが、中古車価格は急下降気味。平均価格は75万円といったところ。まだ下落傾向が続くかもしれないが、いいタマがあるうちにZ33オーナーになっておくのもいいのでは?

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