ジムニーバブルでクロカンブーム加熱!
まさか、新型スズキ・ジムニーがここまで大ブレイクするとは!? 自動車メディア業界はもとより、製造元であるスズキすら、驚異的なバックオーダーを抱える現状に心底驚いている。
7月5日に発表時点でも先行予約分で納期半年近いとの噂があったが、7月末には「ジムニー」で納期1年、「ジムニーシエラ」については納期2年以上という話がディーラーから漏れるようになった。
そんな新型ジムニーのメディア試乗会が7月後半、富士山麓で開催された。公道でのオンロード走行に加えて、富士ケ嶺オフロードコースでの体験も加わった。正直なところ、今回のオフロードのコース設定では、ジムニーのポテンシャルを目いっぱい引き出すことは無理だった。本来は、コースの山側にある細い急斜面がガンガンに走ってみたかった。
時計の針を少し戻すと、今から11年前の2007年、ランクル200系のメディア試乗会がその細い急斜面を主体として行われ、当時としては珍しかった低速で自動ブレーキが作動しながら下り坂を進むクロールコントロールの説明を受けた。そのほか、このコースではこれまで、輸入車を含めて様々なクロカンを試乗してきたが、新型ジムニーが登場した今、はたして最強はどのクルマかを、筆者なりに考えてみたい。
軽量かつ小さい車体で走破性ならジムニーが有利!
そもそも、雨で濡れた路面、雪道、そして泥地などタイヤと路面との摩擦係数(μ:ミュー)が低い「低ミュー路」では、車両重量が軽いクルマが有利となる。ということで、唯一無二の軽クロカンであるジムニーが、他を圧倒することになる。
さらに、低ミュー路の宝庫である山間部では、通過できる道の幅員が狭いため、小型のジムニーが優位だ。スズキがジムニー記者発表の際に示したデータであるように、ドイツの森林組合では山の奥地を走る際に「ジムニー(シエラ)は欧州の大型クロカンでは行きつけない場所まで走行できる」と高い評価を下している。
一方、トヨタ・ランドクルーザーやメルセデス・ベンツGクラスなどの高級クロカンの強味は、低ニュー路の状況を総括的に判断してサス、パワートレイン、そしてハンドリングを理論上のベストな状態に電子的に可変させることにある。なお、新型ジムニーでも横滑り防止装置(ESP)を活用した、ブレーキLSDトラクションコントロールが優れもので、7月末の試乗でもタイヤバリアの乗り越え時にその効果を実感した。
このほかでは、米FCAのジープ系の本格クロカンも電子制御を採用しているが、どちらかというとジムニー的なメカニカルチューニングによる走りの良さを追求する商品イメージが強い。
ということで、コスパで見ればジムニー、重厚感&上質感を楽しみたいのならランクルやGクラスという、なんとも定番のまとめになってしまった。
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