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業界ニュース 2018.8.10

横から「ドン!」これまでは軽を想定? 今秋から日本の衝突試験も欧米並みへ

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■現状は「質量950kg」の台車を時速55キロで衝突

 近年は非常に自動車の安全性能が注目されるようになってきました。新車購入にあたり、安全性評価も一つの基準になっている方も多いといいます。しかし、日本の安全テストが欧米より甘いともいわれます。いったい、どういうことなのでしょうか。

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 自動車の安全性を評価する方法の一つに公的機関による実車の衝突試験があります。アメリカやドイツでは1980年前後から、日本では独立行政法人自動車事故対策機構により1995年度から「自動車アセスメント」(Japan New Car Assessment Program:JNCAP)としてフルラップ前面衝突試験、ブレーキ性能試験、1999年度には側面衝突試験の実施も始まり、その結果を車種ごとに公表してきました。

 1999年度から始まった側面衝突試験を以下の内容で実施しています。

(1)原則、運転席にダミーを乗せた静止状態の試験車の運転席側に、質量950kgの台車を時速55kmで衝突させる。

(2)そのときダミーの頭部、胸部、腹部、腰部に受けた衝撃をもとに、乗員保護性能の度合いを5段階で評価する。

(3)平成20年度よりサイドカーテンエアバッグの装備された車両について、展開状況及び展開範囲についての評価を追加している。

 衝突事故で乗員がダメージを受ける事故のタイプとして最も多いのが前面衝突、それに続くのが側面衝突です。側面衝突による事故を実車と台車で再現して衝突安全性能をテストするのですが、その方法は実車の運転席にダミーを乗せ、車両が止まった状態で運転席側に、「質量950kg」の台車を時速55kmで衝突させて行われます。

 この「質量950kg」という台車の重さが、欧米からは日本の側面衝突試験の条件が甘いというのです。どういうことなのでしょうか?

 質量950kgとは、「ぶつかって来る車の重さを950kgに想定している」ということなのですが、950kgといえば、現行車では軽自動車全般(ウェイク、アトレーワゴン、NBOX+など除く)、パッソ、スイフト、バレーノなどが該当します。

 これに対して日本がお手本にしてきた欧州Euro NCAPでは1300 ± 20kg、SUVやライトトラックが多く走っているアメリカの米国道路安全保険協会(IIHS)では1500kgの車両がぶつかってくることを想定して側面衝突試験を行っているのです。

■これからは「質量1300kg」へ大幅アップ!  日本の側面衝突試験も欧米並みに

 以前から日本の自動車アセスメントでも、「今後はより実車に近い台車や生体忠実度の高い側面衝突試験用のダミーについて検討を行う予定」と公言されており、様々な検討が行われてきたのですが、ついに2018年秋から実車に近い台車にすべく重量がこれまでの950kg→1300kgに大幅アップすることになりました。

 この件について国土交通省自動車局の担当者に伺いました。

――なぜこれまで側面衝突は950kgという重さでテストが行われていたのでしょうか

 道路運送車両法の規定により、新型自動車が販売される前に自動車認証審査が行われます。型式ごとに安全・環境基準への適合性について技術上の審査を実施するのですが、その際の側面衝突基準が950kgとなっています。その数字がそのまま自動車アセスメントにも採用されてきた経緯があります。

――2018年秋から欧米並みの1300kgに変わるのですね

 はい。これまでJNCAP側面衝突試験の妥当性について様々な協議が行われてきました。その中で分かったことは2000年~2013年のJNCAP選定車の平均質量は1215kgでした。JNCAP選定車とは、衝突試験の対象として選定する車のことで、販売台数の多い車種等を勘案して選定されます。1215kgに平均乗車人数1.5人分の質量55kg×1.5人=82.5kgを加えると、車両質量+乗員=1297kgとなります。そこで台車の重さを1300kgに設定することになりました。

――他に変更されることはありますか

 あとは台車の形状です。これまでは、ぶつかる面は真っ平な形をしていましたが、より実車に近い形状にバンパーなどを変更しています。バリア形状を変更したことで、車両フロントエンド形状の再現性が高くなっています。また、幅もこれまでの1500mmから1700mmに拡大されており、より実車に近い条件となっています。

※ ※ ※

 日本車の多くは海外でも販売されており、欧米の側面衝突基準で設計されている車も多数あります。実際、ユーロNCAPでは新しいところで日産「リーフ」、スバル「インプレッサ/XV」などが総合的な安全性能評価において最高ランクを獲得しています。

 今後JNCAPの側面衝突基準が950kg→1300kgに大幅アップしても、慌てる国産メーカーは少ないと思われますが、衝突安全においても日本の試験が世界基準となることは喜ばしいことです。

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(くるまのニュース 加藤久美子)

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みんなのコメント

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  • tay*****|2018/08/10 11:08

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    まあ、こんな甘いハードルで「最高評価の安全性を獲得!」とか言っちゃってるクルマも多いからね(笑)
  • nek*****|2018/08/10 11:21

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    今まで日本のユーザーを騙してきたのがバレてしまった。
    これで日本車もタイヤが少し太くなり、幅が広がって、ドアが厚く頑丈でまともな車が出来るから良かった。
    燃費は悪くなるけど。
  • rad*****|2018/08/10 11:24

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    動画を検索すれば出てくるけど、今の基準でも高さが幅を超えるいわゆるトール型はもれなく横転。
    みんな大好き5ナンバーミニバンは軽に当てられただけでゴロゴロ転がるわけだ。
    しかも横転は判定に影響しない。ダメですねはっきり言って。
    これが更に新しい基準になれば…まあ楽しみにしておこう。

    それよりあまりにガッバガバすぎる追突基準の方はもうちょっとちゃんとした方が良い。
    これも「同一質量が衝突した時」の想定なので、軽の場合はやっぱり相手も軽な上、
    実車を使用しないエアー試験。果たして意味があるのか?

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