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自動車の未来は「中国」が握る!? これからの電気自動車の行く末とは

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自動車の未来は「中国」が握る!? これからの電気自動車の行く末とは

■いまや世界最大の自動車市場と言われる「中国」

 2000年頃まで、世界の自動車市場を席巻していたのは、アメリカ、ヨーロッパ、そして日本でした。主要なメーカーもこの3地域に集まり、製造されたクルマのほとんどがこれらの地域で消費されていました。

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 しかし、2000年代に入ると新興国の経済が活性化し、東南アジアや中南米、インドといった国々での新車販売が急激に増加します。そして、その筆頭格が世界最大の人口を有する中国だったのです。

 2000年には、200万台程度だった中国の新車販売台数は、2009年にアメリカを抜いて世界第一位となり、2017年には2800万台超へと成長しています。しかも、この勢いはとどまるところを知らず、4000万台、5000万台を記録するという予測もあるほどです。

 自動車メーカーにとって最も重要なことは新車を販売することですから、これほどの巨大市場を無視することはできません。あらゆる国の自動車メーカーが、中国市場に狙いを定めたのです。

■増え続ける自動車は公害をまねく

 かつて、高度経済成長期の日本がそうであったように、急速な経済成長はさまざまな社会問題を引き起こします。その最も顕著なものが公害です。増え続ける自動車は、深刻な大気汚染をまねき、北京や上海といった中国の大都市は、世界で最も空気が汚染された都市のひとつになってしまったのです。

 公害問題に対処するため、中国政府はさまざまな対応策を打ち出しました。バスやタクシーなど公共交通車両を電動車化し、エコカーに対して多額の補助金を出す政策をおこないました。また、大都市圏では、オークションもしくは抽選によってナンバープレートを入手しなければクルマを走らせることはできず、入手のためには長い時間をかけたり、数十万円以上の費用をかけたりしなければならなくなりました。

 こうした政策で一定の効果が得られたものの、根本的な改善には至りませんでした。そこで、中国政府は、次なる手段として自動車メーカー側に対する規制を打ち出したのです。

■これからの中国自動車政策とは

 これからの中国自動車政策について、中国自動車事情に詳しい専門家に話を聞きました。

──これからの中国自動車政策は、どのようなものになるのですか

 中国では、「新エネルギー車」、通称「新エネ車」というカテゴリがあります。ここには「プラグインハイブリッド車」(PHV/PHEV)、「電気自動車」(EV)、「燃料電池車」(FCV)といった排出ガスが無い、もしくはとても少ないクルマが含まれ、中国政府が普及を促しています。そのために、中国政府は中国国内で自動車を販売する企業に対して、販売台数の一定割合を新エネ車にすることを義務付けたのです。そして、その台数に満たなかった場合、販売上の大きなペナルティを課すルールを設けたのです。

 この施策は、2019年から実施されますが、試算ではトヨタは約5万台、ホンダや日産は約7万台もの新エネ車を販売する必要があります。この数字は、決して容易に達成できるものではなく、ヨーロッパやアメリカのメーカーも同様です。

 とはいえ、自動車メーカーにとって、世界最大の市場である中国は魅力的です。中国市場でクルマを売り続けるためには、中国の自動車政策が示す「電動化」の波に乗らなければならないのです。

──中国政府が「新エネ車」を推進するのは、環境問題のためだけですか

 もちろん、環境問題が大きな要因であることは間違いありませんが、それ以上に自国の自動車産業発展という悲願があります。中国では、1950年代より自動車の製造を試みていますが、日欧米の自動車メーカーのクオリティには達することができず、中国国内では海外メーカーのクルマがあふれています。やはり100年近くに及ぶ日欧米の自動車製造技術には簡単に追いつけなかったのです。

 しかし、電気自動車をはじめとする新エネ車の時代になって、各自動車メーカーがほぼゼロからクルマをつくらなければならなくなったのです。同じスタートラインであれば、中国の自動車メーカーにも勝機はあります。

 自動車産業が成長することは、自国の経済成長に大きく貢献します。中国政府の自動車政策には、自国の自動車産業発展という意味合いも強いので、巨額の資本をバックグラウンドにもつ中国の新エネ車メーカーは、今後ますます勢力を拡大していくと予想できます。

※ ※ ※

 世界の自動車メーカーを巻き込む中国政府の思惑により急速に電動化の波が押し寄せています。「環境面」「安全面」「先進装備面」とさまざまな分野の技術革新が進むクルマ業界ですが、今後どのような「一手」を各メーカーが出してくるのか、今後の動きからも目が離せません。

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