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トヨタ クラウン史上最大の失敗作? 4代目クラウンは本当に駄作だったのか

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トヨタ クラウン史上最大の失敗作? 4代目クラウンは本当に駄作だったのか

■「これからは美しさと豊かさの時代」

 トヨタ クラウン史上最大の失敗作とも評される4代目ですが、そこにはクラウンの魂ともいえるチャレンジ精神がありました。

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 4代目クラウンは、1971年2月に発売されました。「もはや戦後ではない」という言葉が流行してから15年、日本の経済は順調に成長を続け、GDPはドイツに肉薄するほどになりました。国民の生活も豊かになり、自動車の普及も進んできました。そうなると、たくさんのクルマが各自動車メーカーから発売されるようになり、各社差別化を図るために新しい技術を搭載したり、デザインを先鋭的なものにしたりするようになったのです。

 これまで国産高級乗用車としては絶対的な地位を得ていたクラウンも例外ではありませんでした。特に日本においては、キープコンセプトが好まれるという文化がありますが、常に時代の先を見て新しい製品を出し続けなければ、必ず企業は衰退してしまうものです。国産初の高級乗用車だからこそ、クラウンは消費者の想像の先をゆくクルマを提供する必要がありました。

「これからは美しさと豊かさの時代」。これは4代目クラウンのカタログの冒頭に記された一文です。これまでは自動車を作ることがひとつの目標でしたが、経済的な余裕が生まれたことで、美しく豊かなものが求められるようになったのです。

■“クジラクラウン”ことスピンドルシェープの採用

 4代目クラウンでまず手を加えられたのがエクステリアデザインでした。自動車の品質が向上してきた1970年代は、内外装のデザインに注力するメーカーが多く、海外の著名な自動車デザイナーを採用するメーカーもありました。

 来るべきデザイン重視の時代をいち早く察知していたトヨタは、スピンドルシェープと呼ばれる紡錘形のデザインを4代目クラウンに与えました。これについて、4代目クラウンのカタログには「高速性と安全性の追求から生まれた壮麗なスピンドルシェープ(紡錘形)。これからのスタイリングの主流となるにちがいありません」と力強い言葉で表現しています。

 スピンドル、すなわち糸巻きは機織り機の製造会社である豊田自動織機を母体とするトヨタにとっては、まさにアイデンティティそのものです。「クジラ」とも評されたこのスタイリングは、結果として大きな成功を収めるには至りませんでしたが、40年の時を経てレクサスの「スピンドルグリル」へと伝承されることを考えると、トヨタにとってスピンドルがどれほど重要なものかは言うに及びません。

■チャレンジ精神こそがクラウンの本懐

「エレガンツ・クラウン 世界が見つめる」をキャッチコピーに発売された4代目クラウンは、さまざまな理由から不評を買ってしまいました。

 まずはその革新的なデザインが、比較的保守的な層をメインとしていた顧客層から敬遠されてしまいました。合わせて、デザイン上フロントグリルが小さくなってしまうことから、エンジンルームへ十分な通風がなされずに、夏場にはオーバーヒートが続発してしまったのです。

 こうした事情により、直接の競合車種であった日産のセドリック/グロリアに販売台数で逆転されてしまったことから、一般的に4代目クラウンは失敗作と言われることが少なくありません。

 販売台数だけが自動車の評価であるなら、4代目クラウンは失敗作かもしれませんが、こうしたチャレンジ精神がクラウンの本懐であり、この姿勢は次世代以降にも引き継がれていくのです。

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