ランカスターの荷台をぶった切りした 15年前の珍車を”今ごろレポート”
車室部以降に開放的な荷台を備えた車体形状を持つ、ピックアップ。北米では売れまくっているのに、国内では”働くクルマ”な印象が強く、軽自動車を除くと人気はいまひとつ。昨年には13年ぶりにトヨタ・ハイラックスが復活したわけですが、全長5.3mという巨体は実用的とはいえず、レジャーに使える適度なピックアップは皆無なワケでございます。
【働くクルマ】航空機の安全を守る、成田空港の黄色いスバル・アウトバック
この絶滅危惧ボディ。じつは、SUBARUから”ちょうどいい塩梅”なモデルが米国で発売されてました。わずか1世代で消滅したのですが、いま見ると非常に魅力的なパッケージなのかと。 というわけで、今回は「SUBARU BAJA(スバル・バハ)」を、生粋のスバリストであるマリオ高野と井元貴幸が試乗。どんなクルマだったのか、インプレッションをレポートします。
【SUBARU BAJA】
マリオ高野(以下、マ)「ドアを閉めた時の重厚感がいきなり違いますね」。
井元(以下井)「やはり北米の衝突基準とかで違うんでしょうね」。
マ「天井が意外と低い」。
井「ワゴンと違ってルーフがキックアップしてないのもありますよね」。
マ「これってエンジンは2.5ℓですよね」。
井「EJ25です。トラックなのにパワーシートやサンルーフ、クルーズコントロールまで付いてる。でもマニュアルエアコン(笑)」。
マ「ピックアップは大国向けって感じしますよね。でも、今日は色々なスバル車に試乗したけど、どれか一台乗って帰っていいと言われたら、圧倒的にコレですよ」。
井「僕もこれがいいな~。ボディカラーもそうですけど、15年近く前のクルマと思えないくらいおしゃれだと思います」。
マ「もちろん初代レガシィに憧れやリスペクトはあるんですけど、現実的にはこれですね」。
井「私の場合、車中泊するのがキツそうだから、買うのはちょっと躊躇しそうですけど……」。
マ「私はリアシートもちゃんと付いてるし、全然使えそうですよ」。
井「セダンでもいい、という人には使い勝手はいいかもしれませんね」。
マ「まさにそう! 悲しいかな、ピックアップを使いこなす趣味がない」。
井「荷台でお茶たてるとか(笑)」。
マ「ほんと、そんなネタ的にしか使えない。でも、買ったらほんとにトラックの荷台として使える趣味を始めたくなるかもしれません」。
井「もし、いま国内仕様で新車発売されたら、真剣に欲しいかもです」。
マ「250万くらいなら欲しい。いや、300万円でもいいかも!」。
井「ちなみに、メーターの黄色い針とかポップな感じで”スバルXV”にも通じる印象ですね」。
マ「こういうクルマだと、ターボじゃなくて2.5ℓNAでいいですよ」。
井「コレいいですね。仮に”スバルオターズ”の最高評価を決めるとすれば『バハ』かも(笑)」。
復活希望!! 「バハ」ってこんなクルマだった
レガシィの名は冠さないが、3代目「レガシィ・ランカスター」をベースにピックアップトラックとしたモデル。生産、販売いずれも北米に限定されていたが、わずかひと世代4年半だけの生産であったことが惜しまれる。
ピックアップ大国のアメリカでは小ぶりなサイズとなるバハだが、日本国内で販売すれば人気の出そうな5ナンバー+αのサイズだ。
最高に使える荷台。汚れ物でも気軽に乗せられるのでアウトドアレジャーでも活躍しそう。しかも、トランクスルー機構で長尺物の積載も楽々。ゲートを解放した状態でナンバーが見える工夫も。
カップホルダーの位置など国内仕様とは異なるインテリアは、ATゲートも左ハンドル用になっている。 また、4人乗りなので後席中央にはコンソールボックス。助手席ドアロックスイッチも米国ならでは。
エンジンはランカスターと同じEJ25だが、こちらはSOHC仕様。じつはDOHCターボモデルも存在したそうだ。
(レポート:SUBARUマガジン編集部)
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