先日取材で中央道の諏訪SA上り線で給油したらハイオクがリッター161円なのにビックリ! SAでの給油、しかも比較的高いことで知られる長野県内と いうことを割り引いても高い。ハリアーやフォレスター、エクストレイルといったSUVなら60Lタンクが一般的だから、満タンで1万円がすっ飛んでいく。 アメリカでシェールオイルが見つかり、原油価格は下落傾向といっていたのが、ここにきてどうしたことか? いったい何が起きているのだろうか? 年末年始でクルマを使っている方も多いかと思う。ドライブの話のタネに、ガソリンがなぜ高いか迫ってみました。
文:ベストカー編集部/写真:Shutterstock.com
ベストカー2018年1月10日号
GT-Rが心配だ!! 発売から10年、進化が止まっていないか!?
■シェールガスで原油価格が下がる、ってハナシはどこに!?
資源エネルギー庁が昨年12月27日に発表した2017年12月25日現在の小売り市況調査によると、全国平均のハイオク1Lは152.4円、レギュラー1Lは141.7円、軽油1Lは119.6円になっている。約1年前の2016年11月28日の調査では、ハイオク1Lは136.4円、レギュラー1Lは125.6円、軽油1Lは104.8円だったからハイオクもレギュラーも軽油もリッターあたり約16円上がったことになる。
なぜこんなに上がったのか? 業界紙記者はその理由としてふたつ挙げる。ひとつはOPECの協調減産だ。石油価格の下落を受け、2017年1月から1日約120万バレル、ロシアやメキシコなどOPEC非加盟国で約60万バレル(1バレルは約159L)と減産に踏み切り、その結果、原油価格がジワジワ上がってきたというもの。
11月30日にウイーンで開かれた定時総会でOPECは非加盟国との協調減産を2018年3月末から9カ月間延長することを決定しており、当面原油がだぶつくことはなくなった。次の見直しは2018年6月とのことで、少なくとも半年間は急激な下落を期待するのは難しいという観測も出ている。この減産は世界の石油供給の約2%に当たるもので、OPEC側とすれば過剰在庫が減り、原油価格が上がったことで効果があったと判断したのだ。
もうひとつはアメリカに次ぐ世界2位の石油生産国サウジアラビアの政情不安を挙げる。サウジアラビアでいったい何が起こっているのか? "ニュース解説"に興味がない人たちにもわかるようにお教えしよう。サウジアラビアはサルマン国王が息子のムハンマドを皇太子に抜擢したことが、混乱の始まり。ムハンマド皇太子は「汚職対策委員会」を立ち上げ有力な王族を含む200人あまりを逮捕したのだ。汚職や横領による不正蓄財は1000億ドルというから日本円でなんと11兆円にも上るとされ、関連した1700以上の口座が凍結となった。
サウジアラビアのリヤドには高層ビルが建ち並ぶ。その"富"の背景には多くの汚職などがあった
ちなみにムハンマド王子は「改革なくしてサウジアラビアの成長なし」と政治家からよく聞かれるスローガンを掲げているが、彼の偉いところは実際に改革を進めていること。女性の社会進出を進め、クルマの運転も解禁したのだ。世界で唯一女性の運転が認められなかったのがサウジアラビアだったのだ(余談だが、サウジアラビアはトヨタがシェア32%〈2016年〉と圧倒的なシェアを誇り、女性の免許取得が進めば、ヤリスなどの販売が伸び、ウハウハだろう)。
改革は若者を中心に支持されているが、守旧派は利権を奪われることにもなり、権力や財産を奪われた王族の反発は必至だ。ちなみにサウジアラビアには王族が1万人以上いるといわれ、彼らが怒るとたいへんなことになりそうだ。
■中東とアメリカの関係性でガソリン価格は変わる!?
サウジアラビアとイランは犬猿の仲だ。イスラム教のスンニ派とシーア派の違いということだけでなく、親米と反米ということでも相容れない。そこにもってきて、イランが内戦の続くイエメンやシリア、イラクに影響力を強めており、中東のパワーバランスに変化が起きているのだ。そうした動きをムハンマドとサウジアラビアは脅威とし、2016年1月から両国は国交断絶しているのだ。さらに、トランプ大統領も就任以来イランには強硬路線をとり、イランと、サウジアラビアとの関係は一触即発なのだ。
サウジアラビアとイランが戦争にでもなったら、それこそガソリン価格はどこまで上がるかわからない。というのも、サウジアラビアやイランを取り囲む紅海やペルシャ湾は、タンカーが常に行き交う場所だが、狭い海峡が多く、ひとたび混乱が起きれば、石油の流通に大打撃を与えてしまうのだ。戦争にならなくてもサウジアラビアに、ムハンマド皇太子に反対する勢力が出てくるかもしれず、世界2位の原油産出国の政情不安は、そのサウジアラビアから3分の1以上の原油を輸入している日本に影響を与えているわけだ。
「中東情勢が落ち着きを見せるまで、高止まりとなるかもしれません」。先の記者はそういうが、アメリカの出方次第とも分析する。シェールオイルを手に入れたアメリカは世界一の原油生産国であり原油輸入国だが、シェールオイルによってその比率は下がると予想される。ただし、採掘のコスト自体は今のところOPEC加盟国のほうが安いとされ、直ちにシェールオイルに切り替わるとは考えにくい。
それよりも、アメリカは1975年以来石油の輸出を禁止してきたが、オバマ前大統領によって輸出が解禁された。今のところ輸出されてはいないが、解禁に踏み切った理由は、シェールオイルでだぶつき気味の原油を売りたいことに加えて、ロシアやイランといった国が潤うことへの警戒もあるという。
そうなると、大口の顧客となりそうなのが日本だ。貿易赤字の穴埋めもそうだが、不安定な中東に石油を依存するよりも、アメリカから安定して買おうという動きが出ても不思議ではない。そうなれば、石油供給の不安材料も少なくなり、日本のガソリンや灯油価格は今よりも下落することが考えられる。
世界平和を願うとともに、ガソリンの価格が減少することも必死に願いたいところ
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