旧車がひしめくNostalgic 2 Days2018会場で一風変わったブースを見つけました。ハコスカのPGC-10やコスモスポーツのL10B、スカイラインGT-RのRB26DETTなど名車のエンジンのミニチュアモデルが勢ぞろい。しかも一定成型ではなく、部品一つひとつを丁寧に組み上げた、本物に負けない作り込みの逸品です。(PHOTO&REPORT:石川順一)
日下エンジニアリングが展開するミニチュアエンジンは、1/6サイズ。モデルカ―などで一般的な1/8サイズよりも若干大きく、存在感は桁違い。あえてこのサイズを選んだことには理由があるのだろうか。
「ディティールを作り込めて、なるべく小さいサイズとなると1/6がちょうどいいサイズなんです」と語るのは同社の代表にして仕上げを一手に担当する佐々木禎さん。
佐々木さんはR33 GT-RやR34 GT-Rを所有する大のスカイライン好き。昔から模型作りが得意だったこともあり、自分が乗っているクルマのエンジンの精巧な模型があったら飾りたいという思いから始めたそうだ。
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本物に負けない質感を目指した
こだわりは部品にもあらわれている。通常、模型にする際は実際の分割を考慮せずに一体成型にしたり、分割したりするのが普通だがこのエンジンモデルでは部品一つひとつを作り上げてから組み上げるという気合いの入りよう。パーツ一つとっても実際のエンジンを分解して測定し、CADで図面を描いてから3Dプリンターで原型を製作しており、まるで本当に動くエンジンを作ろうとしているかのようだ。
エキマニ一つとってもそのこだわりが伝わってくる。一体成型ではなく、管を一本一本つくってから組んでいるのだ。バリの一つも見当たらないのも納得である。塗装もまるで金属の上に吹いているかのような見栄えだ。
素材にもこだわっている。エンジンヘッドカバーの結晶塗装を再現するために、ここはどのモデルでもホワイトメタルという金属で成形。キャブレターのファンネルに至ってはなんとアルミの削り出しだという。
会場では佐々木代表がヘッドを仕上げる作業風景も見られた。塗装が完了したヘッドに紙やすりを当て、慎重に削っては美しいヘアラインを再現していた。
自動車メーカーも認める出来栄え
その仕上がりには自動車メーカーのエンジニアも一目置くほどで、監修の話を持ち込んだ際も「これほどのクオリティなら……」とかなりスムーズに公認がおりるそうだ。現在ラインナップされているモデルはいずれもメーカーのお墨付きがついているのはいうまでもない。
最近ではマツダから声がかかり、現行のロードスターのスカイアクティブシャシーを1/12スケールで作成する機会を得たという。エキゾーストの焼き入れなど、佐々木代表のこだわりはここにも貫かれている。
佐々木代表の思い入れが深いRB26DETTには純正だけでなく、マインズや東名パワードといったチューンナップメーカーのカスタムもラインナップに揃えている。しかもカスタムパーツの詳細や写真と共にオーダーを出せば、自分が所有しているクルマのエンジンと同様の仕様にしたモデルも作成してくれるという。
価格は32,400円~。デスクに飾るもよし、クルマ好きの友人の結婚祝いに送るもよし。コレクター心をくすぐる逸品だ。
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