せっかくの広い室内空間を色味でも表現したかった
新世代商品第2弾となる、マツダのまったく新しいコンパクトクロスオーバーSUV「CX-30」。このクルマには最上級グレード「Lパッケージ」にブラック/チャコールまたはピュアホワイトのパーフォレーションレザーシートが設定されるだけではなく、「プロアクティブ」系の各グレードでもブラックまたはグレージュのクロス内装が選べるようになっている(最廉価グレード「20S」はブラックのクロス内装のみ)。その色使いや素材に込めたこだわりについて、マツダデザイン本部ブランドスタイル統括部デザイナーの寺島佑紀さんに聞いた。
サプライヤーや生産部門と徹底的にこだわった! マツダCX-30の佐賀尚人主査が開発秘話を語る
──CX-30のインテリアは色使いが多彩ですが、どのような考えで作られたのでしょうか?
寺島:インパネアッパーですが、上級グレードの「Lパッケージ」にはブラウンを使っています。これには「リッチブラウン」という名前を付けていますが、「お金持ち」という意味ではなく「豊かでコクのある」という意味を持たせています。このインパネアッパーに対し、白と黒の革シートを選べますが、後者は穴のなかに茶色が入っていて、インパネアッパーとのコンビネーションがより良くなるようにしています。
これは、素材を茶色で染めていて、その後でパンチングし黒で塗装しているんですね。今まで黒革はすべてそのまま黒にしていて、それは緑っぽい色合いになり、インパネアッパーのブラウンとの相性が気になったので、革を茶色で染めることで両者が馴染むようにしました。
またシフトパネルには、マツダ3にも採用している二層成形の新しい技術を使いました。ただし同じ柄ではなく、CX-30は縦に流れるような柄が入っていて、これは一層目に「ミリングマーク」という、金属を削ったときに出る模様をモチーフにしているんですね。それで金属の塊を削り出したような素材感を出しつつ、二層目は長手方向に柄を付けることで、より大きく長く見せる視覚的効果を狙っています。
一方「プロアクティブ」以下のグレードでは、インパネアッパーにネイビーブルー、紺色を使っています。これに対してはグレージュというベージュとグレーの間の色とブラック、2色のファブリックシートから選ぶことができます。こちらに関してはポリメタルグレーメタリックのボディカラーとネイビーブルーのインパネアッパー、グレージュのファブリックシート、この3点の組み合わせが一番オススメですね。
その理由としては、ヤングファミリーを対象に4人が乗っても広く使える居住空間を持たせているので、室内を明るく開放的に見せたいんですね。またフレッシュでモダンな雰囲気を出したかったので、奇抜ではなく日常で使えるオシャレな感じを持たせました。
マツダ3は同じポリメタルグレーのボディカラーでもバーガンディのシートと黒天井との組み合わせで、スポーティな男性っぽい印象ですが、同じボディカラーを使ってもまったく異なる世界観を表現できるということを、ここでは見せています。
マツダではインパネアッパーに色を付けること自体珍しいのですが、ネイビーブルーの色味も非常に珍しく、2代目デミオ以来約10年ぶりのことですね。
──これまでマツダさんは、本革内装にはカラーバリエーションがあったものの、ファブリック内装には黒のみ設定されることが多かったように思います。CX-30ではファブリック内装でも色を選択できるようにしたのは、デザイン上の狙い以外に、お客さまからのニーズなどがあったのでしょうか?
寺島:実際のところ、明るい内装が欲しいというニーズは一定数あるので、当初ファブリック内装はブラックをメイン、グレージュをサブと位置付けていたのですが、実際に色をつけてみると「グレージュの方が明るくフレッシュでイメージに合っているので、こちらをメインにしてしっかり作り込んでいこう」ということになりました。ですので、お客さまのニーズを取り込んだうえで、目指したい方向を決めた、というところですね。
ファブリックの生地もマツダ3から変えていて、そちらはヘリンボーン柄で、かつカラーミックスを用いています。黒のファブリックには少し茶色が入っていて、滲み出る深みや色気を表現しています。それに対しCX-30はシャープに光が入って、もっとスッキリ見えるようにしました。ただ、あまり薄く見えると安っぽくなりますので、厚みを出して安心感、高級感があるようににしています。柄よりは素材感、光沢感を見せたい、ここはこだわりのポイントですね。
──「ファブリック内装にもやっと明るい色を設定してくれましたか」という想いです。
寺島:お待たせしました(笑)。今までは革=高い、布が次、というものではなく、お客さまの好みやライフスタイルに沿ったものを選べるようにしたいと考えました。
──もっと欲を言えば、ネイビーブルーのインパネアッパーを本革シート、リッチブラウンのインパネアッパーをファブリックシートにも組み合わせられるようにしてほしいところですが……。
寺島:日本国内はそういう展開になっていますが、中国では若い方が、昔の派手なものではなく上質で爽やかなものを求める方向にシフトしているので、ネイビーブルーの方が好まれたんですね。ですので中国ではネイビーブルーのインパネアッパーとブラック単色の本革シートとの組み合わせも用意しました。
黒を多用したチープな印象だけは避けたかった
──今回ネイビーブルーをCX-30に使おうと考えたきっかけは何かあったのでしょうか?
寺島:今までのマツダ車は赤に黒の組み合わせというイメージでしたが、CX-30は都会的かつ健康的で明るい内装色にしようと。また、柳澤(亮チーフデザイナー)から「真っ黒な内装はやめよう」と。「布の内装で真っ黒だと安っぽく見えるから、ちゃんとしたデザインとしての価値を付けたい」という話があって、色をしっかり付けることになりました。
先にリッチブラウンが決まっていたのですが、しっかり差を付けたいけれど、あまり派手だと日常では使えないので、日常的に使えてかつ小洒落た感じにしたいという方針になりました。そこで、メンズのジャケットや石けんのパッケージからヒントを得て、ネイビーブルーを採用しました。ネイビーブルーはクルマでは珍しいですが、生活では全然珍しくなく使いやすいので、提案したらOKが出ました。
──この色なら天面に配置しても映り込みが少ないでしょうね。
寺島:はい、天面に色を置くときは数値の限界が設定されていますので、茶色もあれで攻めているんですよ。これで難しいのは、あまり明度を上げすぎるとスポーティになって、イタリア車のような雰囲気になってしまうんですね。かと言って下げすぎると、黒がたくさんありますので、そのなかに溶け込んでしまいます。となると、主張させたいという狙いから外れてくるので、その塩梅が難しかったですね。
──このネイビーブルーは非常に良い色ですが、ボディカラーとの組み合わせが難しいですよね。
寺島:ポリメタルグレーメタリックも良いですし、ほかにはスノーフレイクホワイトパールも合っていると思います。
──シートの色はボディカラーに関わらず自由に選べるんですか?
寺島:はい、選べます。ただし素材とインパネアッパーの色はグレードに紐付いています。
──ボディカラー単独ではソウルレッドクリスタルメタリックが一番良い色だと思いますが、ネイビーブルーのインパネアッパーと合うかどうかというと、難しいところですよね。
寺島:ソウルレッドはブランドカラーですので、ネイビーブルーのインパネアッパーをソウルレッドにも合う色域に持ってきています。なのでほんの少し紫っぽい色にしています。
逆に、ポリメタルグレーメタリックとリッチブラウンのインパネアッパーとの組み合わせも、隠れオススメです。茶色と青は相性が良い色ですので。
デザインとしては、ソウルレッドにブラウンとホワイト本革、ポリメタルグレーにネイビーとグレージュファブリックの組み合わせがイチ推しですね。
──オススメのもの以外にもオシャレな色が内外装ともに多く、楽しんで選ぶことができそうです。本当にありがとうございました。
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