現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > ラダーフレームにBMWエンジン イネオス・グレナディアへ試乗 目標は最高のオフローダー 前編

ここから本文です

ラダーフレームにBMWエンジン イネオス・グレナディアへ試乗 目標は最高のオフローダー 前編

掲載 1
ラダーフレームにBMWエンジン イネオス・グレナディアへ試乗 目標は最高のオフローダー 前編

目指したのは最新版の先代ディフェンダー

オマージュと呼ぶべきか、コピーと呼ぶべきか。大変革期にある自動車業界にあって、あえて新しくないことに取り組む姿勢は新鮮ですらある。最近のニューモデルとは大きく異なる成り立ちに、思わず頬が緩む。

【画像】ラダーフレームにBMWエンジン イネオス・グレナディア 現行ディフェンダーと競合モデル 全139枚

ラダーフレームに載った四角いボディ。軽油を燃料にする直列6気筒エンジン。リジットアクスルと、ボールナット式のステアリングラック。イネオス・グレナディアは、古いジープ・ラングラーやトヨタ・ランドクルーザーのファンにも、強く響くはず。

より強力で、より快適であることを多くのモデルが求める中にあって、グレナディアは独自の路線が目指された。最高のオフローダーとして、最新版の先代ランドローバー・ディフェンダーになることだ。

このモデルの開発が明るみになった瞬間から、オリジナルのディフェンダーのオーナーやファンから、様々な意見が寄せられたという。称賛するものもあれば、非難するものもあった。

イネオス・オートモーティブは、当初は初代ディフェンダーの生産設備の取得を目指していたが、ランドローバーとの交渉を進めるなかで一転。最終的には法的な異議申し立てを受けることになり、象徴的なスタイリングの復活は叶わなかった。

それでも、英国製オフローダーのアイコンと、遠くは違わないスタイリングに落ち着いている。メルセデス・ベンツGクラスとも遠からず、リアエンドでは古いランドクルーザーの雰囲気も放っている。

メカっぽさがたまらないインテリア

開発にまつわる裏話は尽きない。これまでに投じられた予算は、13億ポンド(2080億円)を超えるという。街角のパブで意気投合した、数名のクルマ好きの億万長者が夢見たオフローダーが、完成形として姿を表した。

どんな仕上がりなのか、自ずと興味が湧く。果たして、質実剛健で快適性に優れ、実用性も高い。同時に、多少の妥協もなくはない。

ドアを開くと、大きなセンターコンソールが存在感を示す。インフォテインメント・システム用のロータリーコントローラーとスイッチ、カップホルダー、シフトレバー、四輪駆動のハイレンジとローレンジの切り替えレバーが並んでいる。

垂直に切り立ったダッシュボードでは、13個のボタンが3段に整列している。コンパスを挟んで、エアコンの送風口が2つ。その上にはワイドなタッチモニターが光る。目線を上げると、天井側にデフロック用など21個のスイッチがずらりと並んでいる。

うっかりスイッチを押さないよう、クロームメッキのガードが左右を固める。ちょっと賑やかだが、メカっぽさがたまらない。ナビは社外の既製品を用いているようだが、ロータリー・コントローラーかタッチモニターで操作できるため、使い勝手は良好だ。

スイッチの一部は軽く押せ、手袋をはめたままでも操作しやすい。押し応えの重いものもある。それぞれ機能が記されており、時間を掛ければ理解できるだろう。スマートフォンのホルダーも、最初から付いている。

大きくオフセットしたペダルレイアウト

フロントシートの座り心地は良好で、角度などの調整域も広い。2スポーク・ステアリングホイールを支えるコラムも同様。サイドウインドウが大きく、開くと自然に右肘が開口部の縁に乗る。

真っ先に気が付くのは、右ハンドル車の場合、ペダルが大きくオフセットしていること。エンジンの排気マニフォールドが右側に突き出ているため、足もとの空間を制限しているという。

巨大なフットレストで見た目を取り繕ってあるが、ブレーキペダルはステアリングホイールの中心軸より右にある。筆者が初めて座った時は、右端へ追いやられたアクセルペダルを探してしまったほど。

確かにディフェンダーのペダルレイアウトも完璧ではなかった。とはいえ、左ハンドルのグレナディアは、より適正な位置にペダルが並んでいることは事実だ。インテリア全体の仕上がりが好印象なだけに、惜しいポイントといえる。

ふんだんなスイッチ類のおかげで、ドライバーの周辺には小物入れが少ないものの、空間自体は広い。助手席側には、大きな出っ張りが足もとにない。高身長の大人でも快適に座れ、USBポートも用意されている。

テールゲートはサイドヒンジの観音開き。重たいスペアタイヤが装備されているが、開閉しやすかった。荷室容量は最大2000Lと巨大。形状は立方体に近く、大きな荷物も積みやすそうだ。

この続きは後編にて。

こんな記事も読まれています

メルセデス・ベンツCLE 詳細データテスト 快適で上質な走りが身上 動力性能と燃費効率はほどほど
メルセデス・ベンツCLE 詳細データテスト 快適で上質な走りが身上 動力性能と燃費効率はほどほど
AUTOCAR JAPAN
WRCラリージャパンSS12恵那での車両進入事案について実行委員会が声明。被害届を提出へ
WRCラリージャパンSS12恵那での車両進入事案について実行委員会が声明。被害届を提出へ
AUTOSPORT web
2024年も記録保持中!? カローラ ロードスター…… ギネスブックに登録された「日本のクルマの世界一」【10年前の再録記事プレイバック】
2024年も記録保持中!? カローラ ロードスター…… ギネスブックに登録された「日本のクルマの世界一」【10年前の再録記事プレイバック】
ベストカーWeb
80年代バブル期に日本で人気だったMG「ミジェット」に試乗! 英国ライトウェイトスポーツの代表格はいまもビギナーにオススメです【旧車ソムリエ】
80年代バブル期に日本で人気だったMG「ミジェット」に試乗! 英国ライトウェイトスポーツの代表格はいまもビギナーにオススメです【旧車ソムリエ】
Auto Messe Web
【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP予選
【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP予選
AUTOSPORT web
角田裕毅が予選7番手「大満足。アップグレードへの理解が改善につながった」努力が報われたとチームも喜ぶ/F1第22戦
角田裕毅が予選7番手「大満足。アップグレードへの理解が改善につながった」努力が報われたとチームも喜ぶ/F1第22戦
AUTOSPORT web
勝田貴元、木にスピンヒットも間一髪「メンタル的に難しい一日。明日はタイトル獲得を最優先」/ラリージャパン デイ3
勝田貴元、木にスピンヒットも間一髪「メンタル的に難しい一日。明日はタイトル獲得を最優先」/ラリージャパン デイ3
AUTOSPORT web
クラッシュで50Gを超える衝撃を受けたコラピント。決勝レースの出場可否は再検査後に判断へ/F1第22戦
クラッシュで50Gを超える衝撃を受けたコラピント。決勝レースの出場可否は再検査後に判断へ/F1第22戦
AUTOSPORT web
胸を打つ「上質な走り」 アウディQ6 e-トロン・クワトロへ試乗 優秀なシャシーを味わえる388ps!
胸を打つ「上質な走り」 アウディQ6 e-トロン・クワトロへ試乗 優秀なシャシーを味わえる388ps!
AUTOCAR JAPAN
オーテック&ニスモ車が大集合!「AOG湘南里帰りミーティング2024」で見た「超レア車5台」と「中古車で狙いたいクルマ5台」を紹介します
オーテック&ニスモ車が大集合!「AOG湘南里帰りミーティング2024」で見た「超レア車5台」と「中古車で狙いたいクルマ5台」を紹介します
Auto Messe Web
なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 後編
なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 後編
AUTOCAR JAPAN
ラリージャパン3日目、SS12がキャンセル…一般車両が検問を突破しコース内へ進入、実行委員会は理解呼びかけると共に被害届を提出予定
ラリージャパン3日目、SS12がキャンセル…一般車両が検問を突破しコース内へ進入、実行委員会は理解呼びかけると共に被害届を提出予定
レスポンス
【F1第22戦予選の要点】苦戦予想を覆すアタック。ラッセルとガスリーが見せた2つのサプライズ
【F1第22戦予選の要点】苦戦予想を覆すアタック。ラッセルとガスリーが見せた2つのサプライズ
AUTOSPORT web
なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 前編
なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 前編
AUTOCAR JAPAN
NASCARの2024シーズン終了! 日本からスポット参戦した「Hattori Racing Enterprises」の今季の結果は…?
NASCARの2024シーズン終了! 日本からスポット参戦した「Hattori Racing Enterprises」の今季の結果は…?
Auto Messe Web
ジャガーEタイプ S1(2) スタイリングにもメカニズムにも魅了! 人生へ大きな影響を与えた1台
ジャガーEタイプ S1(2) スタイリングにもメカニズムにも魅了! 人生へ大きな影響を与えた1台
AUTOCAR JAPAN
もの凄く「絵になる」クルマ ジャガーEタイプ S1(1) そのすべてへ夢中になった15歳
もの凄く「絵になる」クルマ ジャガーEタイプ S1(1) そのすべてへ夢中になった15歳
AUTOCAR JAPAN
日本の「ペダル踏み間違い防止技術」世界のスタンダードに! 事故抑制のため国際論議を主導
日本の「ペダル踏み間違い防止技術」世界のスタンダードに! 事故抑制のため国際論議を主導
乗りものニュース

みんなのコメント

1件
  • モーガンもだけど、シフトノブがBMW丸出しなのはどうかと
    新たに部品を起こすのはコストが嵩むって知ってるけどさ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

759.01749.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

468.01798.0万円

中古車を検索
ディフェンダーの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

759.01749.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

468.01798.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村