初回 トヨタとしても初の量産純EV
ここ1・2年の間に、純EVの選択肢は一気に増えた。小型・中型のクロスオーバーだけを見ても、プジョーe-2008にフォルクスワーゲンID.4、ジャガーIペイスなどが英国では売られている。そこへ、レクサス初となるUX 300eが加わった。
【画像】レクサスUX 純EVの300eとハイブリッドの250hを比較 全53枚
UX 300eは興味深いモデルだ。基礎骨格は、トヨタのGA-Cと呼ばれるプラットフォーム。UXはハイブリッドも選べるが、量産の純EVとしては親会社のトヨタも含めて、初めてとなる。日本では、マイクロカーのコムスやシーポッドが売られているが。
スタイリングはレクサスらしく、小さなサイズ以上に受ける印象は強い。プロポーションは低く、引き締まって見える。
駆動用モーターは1基で、最高出力203psと最大トルク30.4kg-mを発揮する。前輪駆動のみとなり、0-100km/h加速は7.5秒がうたわれる。回生ブレーキの強弱は4段階から選べるものの、1ペダルドライブはできない。
そんなUX 300eを運転した第一印象は、とてもパワフル。即座に大きな力が立ち上がり、勢いよくボディが引っ張られる。静止状態でアクセルペダルを踏みすぎると、フロントタイヤが空転してしまう。
走りは静かで洗練されているが、郊外のカーブが続く道との相性を確かめるのはこれから。乗り心地や外界との隔離性は優れているが、フロントタイヤの状態が掴みにくい。路面状況を把握することは難しい。
欧州では珍しいチャデモ・コネクター
UX 300eの車重は1840kgと重め。駆動用バッテリーの容量は54.4kWhあり、航続距離は315kmが主張される。
レクサスによれば、6.6kWのウォールボックスと呼ばれる家庭用充電器なら、約8時間で充電が可能だという。50kWの急速充電器を用いれば、10%から80%まで、約50分で済むそうだ。
欧州でネックとなるのが、充電ポート。CCS(コンバインド充電システム)ではなく、日本で普及するチャデモと呼ばれるコネクターが付いている。英国の場合、この仕様の純EVはUX 300eのほかに、現状では日産リーフのみだ。
UX 300eの英国価格は4万1745ポンド(約647万円)から。17インチのアルミホイールにエアコン、バックカメラ、前後のパーキングセンサー、LEDヘッドライトとパワーシートなどが標準装備される。
長期テストにやって来たのは、トリムグレードとしては中間。プレミアム・プラスと呼ばれる仕様にオプション塗装が施され、価格は4万5815ポンド(約710万円)に上昇していた。
追加される機能としては、ワイヤレスのスマートフォン充電機能にキーレスエントリー、シートヒーター、プライバシーガラスなどだ。基本的な装備は充実している。
同クラスでは小さめサイズのモニター
インテリアに身を置いてみると、ラウンジのように居心地が良い。レクサスへの期待通り、非常に快適でリラックスできる。試乗車にはホワイトのレザーシートが組み合わされ、サッカー少年やお散歩後の犬とのドライブには気をつけたい。
メーターパネルはモニター式。内装を見渡すと、レザー調の素材のほか、ソフト加工されたプラスティックが随所に用いられている。硬質な安っぽい素材は、センターコンソールの下側程度だった。
車内の中心的な存在といえるのは、日本ではディスプレイオーディオと呼ばれることも多い、7.0インチのインフォテインメント用モニター。システムとしてはレクサスで共通するもので、少々使い勝手ではライバルに劣る。
英国仕様のモニターはタッチ式ではなく、タッチパッドと小さなコントローラーで操作する。これが少々面倒で、運転中は簡単な操作なども容易ではない。モニター自体も、このクラスとしては小さい。
例えばフォード・マスタング・マッハEやテスラ・モデル3は、15インチもある。ノートパソコンのモニターと同等だ。これは大きすぎると感じる人もいるかもしれないが、現代的な純EVとしては、見劣りすると思う。
オプションで10.3インチを選べるが、5万1345ポンド(約795万円)まで奮発して、英国のトップグレードとなるタクミを選ぶ必要がある。ただし、アップル・カープレイとアンドロイド・オートには標準で対応する。
もの足りない315kmの航続距離
もう1つUX 300eで引っかかるのが、価格と航続距離との組み合わせ。このクラスのコンパクト・クロスオーバーではプレミアム銘柄に属するUX 300eだから、豪華な内装で価格は高め。だが、315kmの航続距離がもの足りない。
カタログ上は、キアeニロで453km、フォード・マスタング・マッハEでも439kmが主張されている。どちらも、より手頃な価格設定にもかかわらず。
筆者は毎日、往復で240kmの自動車通勤をしている。ロンドンにあるAUTOCARの本社まで。果たして途中の充電なしに、気温の低い冬の高速道路で往復することはできるだろうか。
ただし、これまでのところ1度の充電で299kmを走ることはできている。電気を温存するため、エアコンとオーディオ類の利用を限定した条件で。
筆者の自宅のウォールボックスは、毎日のように頑張っている。真っ白な車内は、少しばかり肌寒い。それでも、世の中の純EVへのシフトは避けられないようだ。今後の数か月で、どんな体験ができるのか楽しみではある。
セカンドオピニオン
初めてUX 300eへ試乗した時は、まさにレクサスらしいクルマだと感じた。豪華で居心地のいい車内が、従来以上にとても静かだったからだ。
担当者は高速道路での通勤へ挑むことになるが、郊外へ足を伸ばす時にも純EVの使い勝手は試される。純EVでの長期テストは、容易なもので終わるだろうか。あるいは試練に見舞われるのだろうか。 Piers Ward(ピアス・ワード)
テストデータ
価格
モデル名:レクサスUX 300e プレミアム・プラス(英国仕様)
新車価格:4万5245ポンド(約701万円)
テスト車の価格:4万5815ポンド(約710万円)
オプション装備
セレスティアル・ブルー塗装:570ポンド(約8万8000円)
テストの記録
航続距離:315km
故障:なし
出費:なし
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
緊急避難なら駐車違反が罰せられないなら「腹痛で路駐してトイレに駆け込んだ」ってあり? 違反が免除されるケースとは
一般車両侵入でSS12中止のラリージャパン、主催者に約800万円の罰金! 執行猶予付き1600万円の追加罰金も
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
レクサス新型「小型スポーツカー」がスゴい! “テンロクターボ”×初の6速MTを搭載! 最小SUV「LBX MORIZO RR」どんなモデル?
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
長距離ユースや荷物満載・家族満載とか用なら、そもそも別のクルマが相応しい。