アクシデント多発の荒れた展開となった2020年スーパーGT第3戦、鈴鹿サーキットでの決勝を終え、GT300クラスで今季初勝利を飾ったGAINER TANAX GT-Rの平中克幸/安田裕信組が、迅速なピット作業が勝利のカギになったと明かすとともに、第4戦への展望を語った。
平中克幸
「個人的にゲイナーに加入してダンロップタイヤさんと一緒に戦い始めて10年ぐらいですが、この夏の鈴鹿、とくにウエイトが重い時期の鈴鹿でなかなか良い結果を残せてこなかった。そこに向けてしっかりと一緒に開発を進めていくなかで、どうしても『ダメかぁ』という年が続いていました。『今年こそ』というシーズンだったので、こうしてしっかり結果が残ってうれしいです」
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「フリー走行の段階でタイヤとクルマのマッチングはすごく良くて、今回は表彰台争いはできそうだと。でも予選でちょっと厳しくなって、レースではファーストスティントの周りのクルマを見てもペースがちょっと速かったので『厳しいのかな』って思ってたのが本音です」
「レース自体も、チームが本当に素晴らしいピット作業をしてくれて、実際ファーストスティントでは6番手ぐらいだったと思いますが、僕が出て行ったら、ピット作業の順番や他の要素もいろいろとあったと思いますけど、2番手の順位で出られた。そこが今回は1番大きいかなと思います」
「そのピット作業の速度は正直僕も驚きました(笑)。実際にセーフティカー明けの作業で、GT500、GT300とたくさん同じようなタイミングで台数が入って来てたので、そういったなかでちょっと前が詰まってたり、混乱もあったんじゃないかなと思うんですけど『まさか』でした。僕がピットアウトしたときにJP(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)の前に出てたんで、『これはどういうことなの』って。でも、前に出たからには抑えなきゃいけないし、ここから頑張ろうっていう感じでした」
「次は表彰台を狙うにも可能性の低いウエイトなんですけど、今回のレースも僕らのチームがどこよりも速かったわけじゃないですし。チームの強みを活かして、ピットの作業であったり、レースの強さであったり、そういうところを活かして、なんとか100kgでもポイントをしっかり獲っていきたいなと思います」
■安田「ウエイトに厳しい鈴鹿の勝利にうれしさ倍増」
安田裕信
「今週、ここ鈴鹿入りする前までは正直あまり自信がなかったんですが、1回走ってみるとフィーリングが良くて、予選で行けそうな自信が出てきました。Q1もトップで通過したんですが2回目の予選に向けてはちょっとセット変更で失敗をしてしまって、平中さんには苦しい状況で乗ってもらうことになってしまいました」
「今日の決勝もスタートから気温がすごい上がってたので『正直苦しいかな』と思ってたんですけど、それなりに良いペースでポジションも少し上がって。それにタイヤが少しキツくなってきたタイミングでちょうどセーフティカーが入ってくれて少し冷やすことができて、内圧も下げられるように必死に努力してました。その後、ピットインしたときも作業がすごく早くて、それで前に出ることもできた。あとは本当に平中さんが苦しいなか、耐えてくれてました」
「今回の優勝はレース前にはまったく想定していませんでしたが、でも本当に上手くタイヤがマッチングすれば表彰台は狙えるんじゃないかとは思ってました。僕たちは開幕戦で2位に入っててウエイトも積んでますし、(鈴鹿は)ウエイトに厳しいサーキットなので。それだけに、逆にうれしさが倍増しました」
「ただ今年はウエイトがポイント×3ということで、次のもてぎは100kg近くになっちゃうと思うので、全然無理だと思うんですけど、なんとか雨を願ってポイントを獲る、っていう。それしかないですね、頑張ります」
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