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新時代のオバフェンは超カッコイイ? ブリスターフェンダー車5選

掲載 更新 13
新時代のオバフェンは超カッコイイ? ブリスターフェンダー車5選

■ブリスターフェンダーを採用したクルマを振り返る

 クルマのコーナリング性能を高める手段はさまざまですが、そのひとつがタイヤのグリップ力を上げることで、レースの世界ではタイヤのトレッド幅をアップさせる手法が古くから採用されています。

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 しかし、レギュレーションでフェンダーからはみ出すことは許されないケースが一般的で、その対策として用いられたのがオーバーフェンダーです。

 1960年代、市販車を改造したマシンによるレースではフェンダーにリベットで留めるオーバーフェンダーが普及しましたが、より空力性能を向上するために1980年代にはブリスターフェンダーが登場。

 ブリスターは「水ぶくれ」を意味し、文字どおりブリスターフェンダーはフェンダーを膨らませたような形状です。

 そこで、ブリスターフェンダーが印象的なモデルを、5車種ピックアップして紹介します。

●ホンダ「シティターボII」

 1981年に誕生したホンダ初代「シティ」は、コンパクトカーの常識を覆す高い全高のボディを採用。コンパクトなボディながら広い室内に、優れた走行性能と高い経済性から大ヒットを記録しました。

 デビュー後はラインナップの拡充が図られ、1982年にはメーカー間のパワー競争に参戦するかたちで、最高出力100馬力(グロス)の1.2リッター直列4気筒SOHCターボエンジンを搭載した「シティターボ」が登場。

 さらに、1983年には同エンジンに空冷インタークーラーを装着して最高出力110馬力(グロス)まで向上した「シティターボII」がデビューしました。

 シティターボIIは外観も高性能車にふさわしいモデファイが施され、インタークーラーを格納するために大型のパワーバルジ付きボンネットを採用し、トレッドを拡大してブリスターフェンダーとするなど、迫力あるフォルムに変貌。

 当時のコンパクトカーのなかもでかなりワイドな185/60R13タイヤを装着していましたが、滑りやすい路面ではアクセルワークを慎重にしないと簡単にフロントタイヤが空転するほどのパワー特性でした。

●三菱「スタリオン GSR-VR」

 三菱は1982年に欧米でも通用する次世代のスポーツカーとして「スタリオン」を発売。スペシャリティカーの「ギャランΛ(ラムダ)」の実質的な後継車というポジションのモデルでもありました。

 外観はリトラクタブルヘッドライトを採用した3ドアハッチバッククーペで、シャープなウェッジシェイプのフォルムは新たなスポーツカー像を具現化。

 トップグレードに搭載されたエンジンは2リッター直列4気筒SOHCターボで最高出力145馬力(グロス)を発揮し、その後も改良が重ねられ、1984年には可変バルブシステムを採用した「シリウスDASH」エンジンにより、最高出力200馬力(グロス)まで向上しました。

 そして、1987年には輸出用ボディでブリスターフェンダーを採用した2リッターエンジンの限定車「GSR-VR」が登場。さらに1988年には同じボディに175馬力(ネット)を発揮する2.6リッターエンジンを搭載したGSR-VRが発売されました。

 パワー的にはライバルに大きく水を開けられていましたが、GSR-VRの迫力あるスタイルは唯一無二の存在といえます。

 しかし人気は低迷が続き、1990年に後継車の「GTO」が発売されたことでスタリオンの歴史は幕を下ろしました。

●スバル「インプレッサ 22B-STiバージョン」

 スバルは1992年に初代「インプレッサ」を発売。主力車種だった「レガシィ」よりもコンパクトなセダンとステーションワゴンをラインナップし、トップグレードにはハイパワーな水平対向ターボエンジンとフルタイム4WDを組み合わせた「WRX」を設定。

 WRXは市販車をベースとしたグループAカテゴリーで戦われる世界ラリー選手権(WRC)で勝つために開発され、実際にWRCで活躍したことでイメージアップに貢献し、インプレッサは高い人気を誇りました。

 その後、1997年からWRCのレギュレーション変更により、改造範囲が広がった「WRカー」による戦いとなり、スバルは2ドアクーペの「インプレッサ リトナ」をベースにした「インプレッサ ワールドラリーカー97」で参戦。

 このWRカーを再現したコンプリートカーとして、1998年に2ドアクーペの「インプレッサ 22B-STiバージョン」が400台限定で発売されました。

 外観は前後ブリスターフェンダーによってワイドトレッド化され、専用の前後バンパーと角度調整が可能なリアウイングを装着し、より迫力のあるフォルムへ変貌を遂げました。

 エンジンも専用に開発された2.2リッター水平対向4気筒DOHCターボ「EJ22改型」を搭載し、最高出力は280馬力を発揮。

 ほかにも専用チューニングの足まわりに強化されたブレーキシステム、クイックレシオのステアリングギアボックスを採用するなど、トータルでチューニングされています。

 価格は500万円(消費税含まず)と高額で、インプレッサシリーズのなかでも歴史的な1台に君臨しています。

■レースで勝つために生まれたブリスターフェンダー車とは?

●BMW「M3」

 1975年に、BMWのラインナップのなかでもエントリーモデルとして開発された3シリーズが誕生しました。

 その後、1982年に2代目にモデルチェンジされると、2ドアクーペと4ドアセダンを基本に、カブリオレ、ステーションワゴンなどの豊富なボディバリエーションを展開。

 さらに、1985年にはBMWのレース活動などを担当する「モータシュポルトGmbH(現在のM社)」が、欧州ツーリングカーレースに勝つために設計、開発した初代「M3」が登場します。

 M3は2代目3シリーズの2ドアクーペをベースに、最高出力195馬力を発揮する2.3リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載。

 外観は大きく手が加えられ、専用のフロントスポイラーとリアの大型スポイラー、サイドスカート、ワイドタイヤを収められるようにブリスターフェンダーを採用し、Cピラーからトランクリッドも専用形状とされるなど、完全に別モノです。

 さらに足まわりも各部がレース用のセッティングに対応するつくりとなっているなど、すべてがレースで勝つために仕立てられています。

 その後もM3は進化を続け、究極のモデルとして1989年に限定600台で「M3スポーツエボリューション」が登場。

 最高出力238馬力を誇る2.5リッター直列4気筒DOHCエンジンに換装され、フロントバンパーには調整機構がついたエクステンション・リップスポイラーを装着。フォグランプの代わりにブレーキ冷却用ダクトが開けられ、調整式のリアスポイラーも採用されました。

 そして全日本ツーリングカー選手権において、2.5リッター以下の「クラス2」ではM3のワンメイクとなるほど活躍しました。

●ランチア「デルタHF インテグラーレ」

 近年、存在感が薄れてしまったイタリアのメーカー、ランチアですが、1970年代にはWRCで勝つことを目的に開発された「ストラトス」を輩出するなど、モータースポーツに直結した高性能モデルのメーカーとして知られていました。

 その傍らでオーソドックスな市販車も開発しており、1979年に誕生したのがFFコンパクトカーの「デルタ」です。

 このデルタをベースにしたマシンでWRCに参戦するため、1986年にはフィアットのチューナーとして名高いアバルトの手によって開発された、「デルタHF 4WD」を追加ラインナップしました。

 最高出力165馬力の2リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載し、駆動方式はフルタイム4WDを採用。1987年シーズンからWRCに参戦を果たしました。

 1988年には、さらに最高出力185馬力まで高められた「デルタHF インテグラーレ」が登場し、サイズアップしたホイールとタイヤを収めるために、前後ブリスターフェンダーとしたワイドボディを採用して迫力ある外観に変貌。

 その後、1992年にはさらにフェンダーを拡幅し、最高出力210馬力を誇る「デルタHF インテグラーレ エボルツィオーネ」が誕生しました。

 最終的にWRCでは6年連続でメーカータイトルを獲得するなど、当時のデルタは最強を誇り、その活躍もあって日本でも人気を獲得しました。

※ ※ ※

 オーバーフェンダーを採用したモデルは、ブリスターフェンダーだけでなくリベット留めされたオーバーフェンダーや、フェンダーアーチを拡幅したモデルでも迫力ある外観を演出します。

 その多くはモータースポーツに直結したモデルですが、ドレスアップとしても近年は海外でも注目されています。

 日本でもちゃんと構造変更をおこない、取り付け方法や形状が適切ならばオーバーフェンダーも合法ですから、良い時代になったものです。

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みんなのコメント

13件
  • 新時代のオーバーフェンダーの見出して中身は旧車ばかり。尚且スカイライン32GT-Rは無し。
  • ビッグクワトロが入っていないのが、やや残念。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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