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GR86&SUBARU BRZの挑戦を振り返る!? 次に繋げる熱き戦いは「勝つだけじゃない大変さ」もあった!? S耐「苦労話」とは

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GR86&SUBARU BRZの挑戦を振り返る!? 次に繋げる熱き戦いは「勝つだけじゃない大変さ」もあった!? S耐「苦労話」とは

■2022シーズン スーパー耐久の開幕戦から第3戦まで振り返る!

 2022シーズン スーパー耐久のST-Qクラスに参戦している、ORC ROOKIE RACING GR86 CNF CONCEPTとSUBARU BRZ CNF concept。

【画像】GR86とSUBARU BRZの熱き戦い! を振り返る!(21枚)

 それぞれが将来のGR86&BRZのため、未来のクルマ作りのために参戦しているが、そのなかで苦労する部分も多いと「FUJI 86・BRZ STYLE 2022 S耐トークショー」で語られました。

 このトークショーに参加したのはGRカンパニーの藤原裕也氏、ROOKIE RACINGから大嶋和也選手、蒲生尚弥選手。

 Team SDA Engineeringから本井雅人監督、山内英輝選手と井口卓人選手が登壇した。

 2022シーズンはガチンコで戦うとして、毎戦熱い戦いが繰り広げられています。

 スーパー耐久参戦のそれぞれの目標はGRは「レースを通じてもっと良いくるま作り」。

 スバルは「燃料・内燃機関の選択肢を増やす。若手エンジニアの育成」が大きな柱となっている。

 実際にマシンに乗って走るドライバーとして大嶋選手は「レーシングドライバーはサーキットを走っているとついついタイムを追いかけてしまいます。けどこの取り組みはレーシングカーを作っている訳ではなくて、次世代車のベース車をレースを通じて作っている訳です。その辺の難しさはあります」とレーシングカーではなくて市販車のベースとなる車両開発の難しさを語っています。

 また蒲生選手は「普段できないことをやらせてもらっているのでとても楽しいです」と朗らかでした。

 一方、スバルの山内選手は「僕たちも楽しくやっていますけど、最初からトヨタさんが速くて悔しい思いもしています」と悔しがっている様子。

 続けて井口選手は「スバルが自動車メーカーとしてレース活動していることがほとんどなかったと思うので、メーカーのエンジニアと一緒に仕事ができるのは良いことだと思います。レース参戦が始まる頃に、本当かどうかわかりませんけど、勝った方の仕様を次のクルマに採用する。なんて言われたのでものすごくプレッシャーを感じながらやっています」と重圧を感じながら走っている苦労を述べていました。

 さらに山内選手は「市販車を作っている若いエンジニアのみなさんと一緒にレースをやっていますが、レース現場での言葉使いや意味合いと、市販車を作り上げるための言葉の意味合いなど、話が通じにくい部分もあり最初の頃はコミュニケーションをとるのも大変でしたが、最近はコミュニケーションも活発ですし、何より若手エンジニアの皆さんが目をキラキラさせながらいろいろ提案してくるんですよ。最初は不安でしたけど、今ではすごく頼もしい感じです」と短期間で一気に成長している様子を語っています。

 レースで実際走っている車両についてはギリギリの時間で開発がおこなわれており、大嶋選手は「鈴鹿の開幕する直前でシェイクダウンをしたんですけど、そのときはだいぶ怖かったんですよ。鈴鹿は高い負荷の掛かるコースなのでこれで大丈夫なのかなと心配になりました」と話します。

 蒲生選手は「カーボンニュートラル燃料を使ったロングランもできていなかった」と開幕戦までギリギリの開発がおこなわれていたことが明かしてくれました。

 ギリギリで開発がおこなわれていたのはスバルも同じで、井口選手は「鈴鹿で初めて乗ったのは確か雨だったはずですけど、コースを走ってピットに戻ってきて、山ちゃんと何も話さず目と目を合わせて『これはどうする?』と雰囲気になったのを思い出しました」と手探りの状況で走り始めたのを思い出していました。

■第2戦の富士24時間レースはどうだった?

 第2戦の富士24時間レースも、本当に24時間走り切ることができるのか。両チームとも不安要素があったといいます。

 GR藤原氏は「開幕戦が終わってからの時間で、24時間走れるクルマにしなくてはならないという苦労がありました。実際にはトランスミッションが壊れてしまったので走り切ったという感じはあまりないです」と語っています。

 大嶋選手も「できたばかりの車で24時間は無理だろうと思っていましたが、やっぱり無理でしたね。当初のテストではトランスミッションが1時間ももたないときもありましたから」と厳しめだが冷静なコメント。

 蒲生選手は「楽しかったです(笑)トラブルもありましたけど、ちゃんと完走もできましたから、今後に繋がったと思います」と蒲生選手らしさの感想を述べていました。

 一方スバルの本井監督は「スバルとしては珍しく燃費で勝つという戦略をたてて、一時は計算通りにもいきましたが、こちらもトランスミッショントラブルが出て、トヨタさんに勝つには勝ちましたけど、全然嬉しくなかったです」と勝ったけれども問題も多くあったという感じだったといいます。

 井口選手も「勝った感じは全くしなかったです。GR86と何回も一緒に走りましたけど、全然こちらが足りてない感じでした。リザルト的には前でしたけど、全然嬉しくなくて複雑な感じでした」と語りました。

 また山内選手は「勝ったという気持ちはなかった。ただ富士が終わってから車の進展の幅を大きくして欲しいというリクエストを出していたのが、菅生になって大きく変わったので、エンジニアの中でもっとこうしなくてはいけない。という意識が変わったことの方が嬉しかったです」と、富士24時間の結果よりも次に繋がったことのほうが嬉しかったようです。

■次の第4戦オートポリスに向けて…

 第3戦菅生ではGR86はレースをスキップました。

 これは「レーススケジュールに合わせて開発を行っていると、この仕様で良いのか?本当にやりたいことができているのか?と疑問に思うことがあり、ドライバー・エンジニアみんなで話し合い一回休むことにしました」とGR86が菅生戦を休んだ理由も語られました。

 今回のトークショーは第4戦オートポリスがおこなわれる直前ということもあり、意気込みを聞かれると、山内選手は「絶対勝ちます!としかいいようがないです」と力強く語りました。

 一方の蒲生選手は「菅生を欠場してしまったので、次のオートポリスでは今回休んで確認した部分と、新たに取り入れた部分の効果を確認しつつ、上り調子のBRZには負けないように頑張りたいと思います」と、こちらも新たなパーツの確認など、次へ進んでいくことが語られトークショーは終了。

※ ※ ※

 両者の取り組みはお互いに切磋琢磨し、問題点などは共有しながら新たなパーツを取り入れ、本来の目的である、レースを起点にしたもっと良いくるま作りに進んでいくでしょう。

 はたして第4戦オートポリスはどのような結果になるのか楽しみです。

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みんなのコメント

2件
  • 身内だけではしゃいでいても、世間からは蔑まれている事に早く気がついて欲しい。
    レースはやはりアンダーグランドな世界。
    首都高のローリング族と全く同じカテゴリーなんだよ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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