2020年10月15日、いよいよ(というかようやく?)正式発表となったスバルの新型レヴォーグ。発売も11月26日と、目前に迫った。
発表の日までに積み上げられた先行予約の数は8290台。これだけで新レヴォーグに寄せられた信頼の厚さが推し計れようというものだが、発表会の席上、開発を担当した五島賢プロジェクトゼネラルマネージャーの言葉は、そうした期待に応えて余りあるものだったに違いない。
「新型レヴォーグは次元が違うレベルの走りになった」。五島氏は席上でこんなふうに告げた。この言葉はしかし、ただ単に新しいエンジン、新しいプラットフォーム、そして新アイサイトを組み合わせた新型車に与えられた言葉ではない。
今回は、発表会の様子を交えながら、あらためて新型レヴォーグの魅力に触れるとともに、その「次元の違う走り」を実現した「DNA」についてもお伝えできればと思う。
■NEWレヴォーグの主なポイント
・360度センシングで安全性が進化した新世代アイサイトを標準装備
・フルインナーフレーム構造で進化したプラットフォームを採用
・高度運転支援システム「アイサイトX」採用
・新開発1.8L水平対向4ターボ搭載
【画像ギャラリー】発表会の様子、新型レヴォーグのラインナップを写真で見る
※本稿は2020年10月のものです
文/ベストカー編集部、写真/SUBARU、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年11月26日号
■新型エンジン&プラットフォームで劇的進化!
新型レヴォーグが10月15日、ついに正式発表された。今回は日本航空(JAL)の協力により、成田空港A格納庫でボーイング787機の眼前での発表会となった。
ニュルブルクリンク24時間レースへの車両輸送など、スバルとJALの関係はこれまでも築かれてきたが、やはりその根底にあるのはスバルが航空機メーカーとしての流れを汲む自動車メーカーであるということだろう。
10月15日に開催された発表会は、日本航空の協力によって成田空港A格納庫内のボーイング787機の前で行われた
かつて中島飛行機として、一式戦闘機「隼」や零戦を支えた「栄」エンジンの開発/製造をしていたという経歴がスバルにはある。テクノロジーの粋を集めた旧日本軍機たちは、さまざまな制約のなかで生まれた傑作たちだった。
現代ではその航空テクノロジーは旅客機へと移管され、スバルはボーイング787の中央翼を製造している。
そんな航空機製造を担ってきたスバルの根底には「絶対安全」という哲学が創業より流れている。
さらに「すべての移動を感動に」という信条も、スバルと日本航空の共通するアイデンティティ。今回の発表会はそんな両社によるコラボレーションとなった。
ボーイング787機・JALの鶴丸ロゴの前に佇む新型レヴォーグ。胸アツである
■「先行予約8290台」が意味するものとは
ややスバルのヒストリーにアツくなってしまったが、新型レヴォーグにハナシを戻そう。
すでに価格以外のスペック、グレードなどは発表されており、ご存知の人も多いかもしれないが、今回の発表でもっとも驚くべきは2020年8月14日~10月14日まで(2カ月近く)の先行予約台数かもしれない。なんとその数8290台(月販計画台数2200台)。
STIスポーツ…電子制御ダンパーや専用デザインのフロントバンパー、本革シートなどを採用したスポーティな最上級モデル。価格370万7000円~
もちろんプロモーションの成功もあるのだが、その最たる理由はスバルファン、そしてツーリングワゴンを待っているユーザー層にとって「レヴォーグなら間違いない」という意識が定着していることだろう。これもスバルの歴史に裏付けられたもの。
GT-H…充実した快適装備や18インチアルミホイールなどを採用し、スポーティさと上質さを併せ持つ上級グレード。価格332万2000円~
スバルがずっと大切にしているスポーティな乗り味もさることながら、新しい運転支援システム「アイサイトX」の先進安全技術の高さも大きな購買理由になるはずだ。実際に先行予約では約93%のユーザーがアイサイトX装着グレードを選んでいる。
GT…充実の基本装備を採用したスタンダードグレード。ホイールは17インチ。価格310万2000円~
エンジンは全車水平対向4気筒1.8L直噴ターボを搭載し、6グレードでの販売。
カラーはホワイト・パール(有料色)、アイスシルバー・メタリック、マグネタイトグレー・メタリック、クリスタルブラック・シリカ、ピュアレッド、クールグレーカーキ、ラピスブルーパール、そしてSTIグレード専用色としてWRブルー・パールの全8色が用意される。
また先行予約ではSTIスポーツ(EX含む)が全体の57%を占めており、走りに期待するファンが多い証だろう。「スバリスト支持率100%」も夢じゃない気がするほど。
全グレードで177ps/30.6kgmを発揮する新開発の1.8L水平対向4気筒直噴ターボを搭載
プラットフォームはレヴォーグでは、ボディ全体の骨格連続性を高める「フルインナーフレーム構造」などが採用された
■新世代「アイサイト」の先進機能が魅力
新開発の広角ステレオカメラと前後4つのレーダーの組み合わせで360度センシングを実現する先進安全システムの「新世代アイサイト」は全車に標準装備。
見通しの悪い交差点などでの出会い頭の衝突回避をサポートする前側方プリクラッシュブレーキや、ステアリング制御もあわせてサポートする緊急時プリクラッシュステアリングなどを搭載。
新世代へと進化した「アイサイト」
■新開発の「アイサイトX」も選べる
さらに、GT EXやGT-H EX、STIスポーツ EXの各モデルを選ぶと新開発の先進運転支援システム「アイサイトX」が装備される。
一定の条件を満たした自動車専用道路において、運転支援機能が大幅に拡張。
渋滞時(0hm/h~約50km/h)ではステアリングから手を放すことが可能になる渋滞時ハンズオフアシスト機能などが搭載されている。
新開発の先進運転支援システム「アイサイトX」
■新型レヴォーグに織り込まれた「蒼きDNA」
新型レヴォーグの開発責任者である五島賢氏。10月15日の発表会ではスバル中村知美社長の次にスピーチを行ったのだが、終始一貫して感じたことは「あふれ出る自信」だった。
「新型レヴォーグは次元が違うレベルの走りになった」と述べ「この走りを一度体験すればお客様の心の導火線に火が付きます」と力強いワードでスピーチを続けたのが印象的。
11.6インチセンターインフォメーションディスプレイはEXグレード以外はオプション設定
新開発の1.8Lエンジン、前述のアイサイトX、そして新たにフルインナーフレーム構造を取り入れたプラットフォームを採用しており、それら技術面での大きな進化に裏付けられた発言であることは明白だ。
しかし「次元が違う」というのは非常に勇気の要るスピーチにも思える。その発言ができた最も大きな理由は五島氏スピーチの次の一説に隠されていたように思う。
上質感を追求した室内。疲れにくい快適性とスポーティな走りにも対応したホールド性を両立したフロントシートを装備
「私の祖父は中島飛行機に勤め、父は富士重工、そして私はSUBARUに。航空機メーカーとしてのDNAを3代にわたり受け継いでいます。そんな私に流れる“蒼きDNA”が、この新型レヴォーグを作らせてくれたのかもしれません」。
親子3代にわたりスバルに勤務していることもあり、きっとスバルイズムを自然に幼いころから叩き込まれていたであろう五島氏。その集大成が新型レヴォーグかもしれない。
ラゲッジスペースはVDA方式で492Lの大容量を確保。フロアボード下に69Lの収納空間もある
最近は北米重視という批判もあったスバルだが、新型レヴォーグの車幅が1795mmに抑えられていることなどを見るに、そんな批判を一蹴してしまう商品力に溢れている。
「最新技術はマザーマーケットの日本から導入する」という中村社長の言葉からもわかるように、少なくとも今のスバルは国内市場を軽視していないことが新型レヴォーグからはビシビシ伝わってきた。
発売開始は11月26日、スバル広報部発表の公式最新情報では「年内納車開始」となっている。
前述したようにすでに8000台超のオーダーを抱えており、早く欲しい人はディーラーに急いだほうがいいかもしれない。
新型レヴォーグ価格表と主要諸元
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