英国の傷んだ路面でも優れた印象は変わらず
日産アリアが発表されたのは2020年だったが、スウェーデンとスペインでのプロトタイプ試乗を経て、ようやく英国の一般道での運転が許された。日産としては待望のゼロエミッション・モデルに違いない。
【画像】高い実力を備えた新型BEV 日産アリア 欧州で競合する電動クロスオーバーと比較 全134枚
最大のライバルとなるのは、同じく中型クロスオーバーのトヨタbZ4X。英国の傷んだ道路環境で、どんな体験を与えてくれるのだろうか。
欧州本土の滑らかな路面では、落ち着いた乗り味を披露してくれた。同等の内燃エンジン・モデルと比較してBEVは車重が重く、サスペンションも引き締める必要がある。競合との差別化という点でも、洗練性は重要な要素となる。
果たして日産アリアは、ロンドンの市街地へ滑り込む前から、英国でも優れた印象のままだった。アスファルトの剥がれた穴や、速度抑止用のスピードバンプ、橋桁の継ぎ目などを、このクラスとして期待する通りに滑らかに処理していた。
その間、車内は至って静か。サスペンションノイズも目立たない。エンジン音が聞こえてこないにも関わらず。
ボディ剛性も高く、路面が酷く荒れた区間を走行して、シートベースとステアリングコラムに僅かな振動が伝わる程度。大きな段差を超えても、不快な衝撃が車内へ届くことはなかった。
英国の市街地でも、身構えることなく運転できる。日産キャシュカイ(デュアリス)や日本未導入の2代目ジュークと、同じように走り回れる。
同クラスのトップ争いに加われる実力
試乗したアリアはシングルモーターの前輪駆動。フロントに、218psと30.5kg-mを発揮する駆動用モーターを搭載する。発進加速は鋭く、クルージング時には余力を感じる。パワーデリバリーが滑らかで快適だ。
この手のBEVでスポーツ・モードを選択すると、ドライバーへのアピールを誇張したような不自然さが出ることも多いが、アリアは違う。より穏やかに展開され、その爽快さから自然と笑顔が湧き出てきた。
もしアリアで長距離ドライブを計画するなら、Eペダル・モードを積極的にオススメしたい。回生ブレーキが強く働き、アクセルペダルだけで発進から停止までをまかなえる、ワンペダル・ドライブが可能になる。
運動エネルギーを効果的に電気エネルギーとして回収するだけでなく、明確に加減速が緩やかになり、疲れも抑えられる。ただし、減速感は線形的ではない。信号の手前でアクセルペダルをどの程度緩めるべきか、多少の慣れが必要だと感じた。
そのEペダル・モードでの停止直前以外、アリアのドライブトレインは入念に調整されており、極めて直感的。リラックスした運転スタイルへ自然と落ち着く。
航続距離は最長402kmがうたわれ、競争力は充分にある一方で、急速充電能力は130kWとそこまで高くはない。それでも、同クラスのBEVクロスオーバーのトップ争いに加われる実力は備わっている。
多くのライバルを凌駕するインテリア
インテリアの華やかさと実用性の高さは、多くのライバルを凌駕する。試乗車はエントリーグレードということで、電動でスライドするセンターコンソールは備わっていなかったが、雰囲気には上品さが漂う。
滑らかなダッシュボードの上には、高精細なデュアルモニターが据えられている。素材の質感もいい。
下側のレイヤーには、未来的な触感フィードバックを備えた、タッチセンサー式のエアコン用操作パネルがレイアウトされる。点灯と振動で操作がわかりやすいものの、強めにボタン部分を押す必要があり、フラットだから運転中は目線をそらさざるを得ないが。
従来の日産車と比べれば、車内の印象は別物といえるほど。やや高めの価格にふさわしい。
新しいアリアは、フォルクスワーゲンやボルボだけでなく、メルセデス・ベンツやBMWといったブランドの首脳陣を悩ませるほど、明確な差別化と強みを獲得していると思う。英国編集部としても、高得点を与えたいほど。
車重が重くなり、大きな駆動用バッテリーを搭載したツインモーター版のe-4orce(イーフォース)の仕上がりは、まだ未確認。航続距離を不満なく伸ばし、洗練性を損なうことなく動的能力を高めているのか、掛かる期待は大きい。
日産アリア 63kWh アドバンス(英国仕様)のスペック
英国価格:4万1845ポンド(約648万円)
全長:4595mm
全幅:1850mm
全高:1655mm
最高速度:160km/h
0-100km/h加速:7.5秒
航続距離:402km
電費:6.3km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:1917kg
パワートレイン:AC誘導同期モーター
バッテリー:63kWhリチウムイオン(実容量)
急速充電能力:130kW
最高出力:218ps
最大トルク:30.5kg-m
ギアボックス:シングルスピード
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みんなのコメント
イギリスのオートエクスプレス紙も最高評価を付けたらしい。
日本のBEVが世界で絶賛されるのは日本人として嬉しいね。