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ボンネット軽バン大人気!! エブリイバンオーナーが斬る!! 好敵手スペーシアベースのマルとバツ

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ボンネット軽バン大人気!! エブリイバンオーナーが斬る!! 好敵手スペーシアベースのマルとバツ

 ホンダ N-VANを意識したかのうように登場した新型スペーシアベース。人気のスペーシアをベースにした商用車だが、車中泊やテレワークもデキる装備など、遊び心満載のデキで大注目の一台である。

 でも実際エブリイで車中泊を楽しんでいる人的にはスペーシアベースはどう映るのか!? 今回はメリットとデメリットをご紹介! 結構イイぞこれ!!

ボンネット軽バン大人気!! エブリイバンオーナーが斬る!! 好敵手スペーシアベースのマルとバツ

文/山本晋也、写真/SUZUKI、ベストカーWeb編集部

■ボンネットバン市場がアツい!? ホンダに続いてスズキも再参入

2022年8月に登場したスズキ スペーシアベース

 スズキから登場した、新しいカタチの軽商用車「スペーシアベース」が話題だ。

 新しいカタチと表現すると「いやいや、スペーシアカスタムと同じガワだから新しいというのは間違いでしょう」と思うかもしれないが、4ナンバーの商用車としてみると、現行ラインナップでは不在だった「ボンバン(ボンネット・バンの略称)」の復活といえる。

 もっとも、スーパーハイトワゴン的シルエットのボンバンとしてはホンダN-VANという先達が存在しているし、現在は廃盤だが少し前までダイハツもハイゼットキャディーというモデルを用意していた。

 スズキにとっては新鮮なクルマといえるが、軽自動車業界としてはスズキが満を持して背高ボンバンカテゴリーに参入していきたという見方をすべきかもしれない。

■荷物運ぶならエブリイ!! スペーシアベースは超ニッチ市場で勝負

 それはさておき、スズキの軽商用車としては1BOXタイプのエブリイが圧倒的な存在感を示している。スペーシアベースは決してエブリイの後継モデルとして誕生したわけではない。

 なぜならスペーシアベースは最大積載量が200kgで、軽商用車の上限である350kgに届かないスペックだからだ。純粋にモノを運ぶクルマとして考えると、そのポテンシャルはエブリイに遠く及ばないといえる。

 保守本流といえるエブリイではカバーできない趣味性の領域などニッチなニーズを満たすためのモデルというのが、スペーシアベースの狙いといえる。

【エブリイ比較】燃費に乗降性&運転支援機能は断然スペーシアベース

 では、スペーシアベースのスズキにおける存在意義とは? エブリイと比較して優位な部分(〇)と、そうでもないところ(×)を見ていくと、スペーシアベースの価値が見えてくるはずだ。

エブリイと比較したスペーシアベースの優位な部分と、そうでもない部分。乗降性のよさと運転支援機能はスペーシアベースが優位

 というわけで、筆者の考える〇なところと×なところを、それぞれ5つ列記してみた。ここからは、そう感じた理由について印象をお伝えしよう。なお、あくまでもスズキの同門対決的にエブリイバンとの比較に限った話であることはご留意いただきたい。

 まずは乗降性のよさについてだが、エブリイバンのような1BOX商用車は、キャブオーバーといってエンジンの上にキャビンが載ったパッケージとなっている。つまり運転席が高いのだ。

 運転中の見晴らしのよさという点ではキャブオーバーは優位だが、乗り降りではAピラーにあるアシストグリップを利用することは必須というオーナーも少なくないはずで、完全に乗用車の乗降性を持つスペーシアベースは、とくに高齢ドライバーになると価値を感じることだろう。

 つづいてACCの設定について。スペーシアベースの上級グレードには渋滞にも対応した全車速型の追従クルーズコントロール(ACC)が標準装備されている。

 エブリイもステレオカメラを使った衝突被害軽減ブレーキは標準装備となるがACCの設定はない。

 通常の軽商用車は市街地での配送に使われることが多いのでACC非設定は納得だが、軽商用車をレジャーユースに利用するユーザーは長距離ドライブをすることも多く、ACCの設定はスペーシアベースの価値となるだろう。

 長距離を走るほどに影響してくるのが燃費性能だ。スペーシアベースのFF車においては21.25km/L(WLTCモード)という軽商用車ナンバーワンの燃費性能を誇っている。

 これには駆動ロスの少ないFFパッケージと、エンジン回転数を抑えることのできるCVTというメカニズムが効いているのだろう。CVTの採用は走行時のノイズ低減も期待でき、クルマを遊びの道具として使おうというユーザーからするとメリット大であろうし、乗用車から乗り換えてもストレスは少ないはずだ。

■商用車らしくないのが魅力!! 車中泊など標準装備アイテムで楽しめるのがイイ

スペーシアベースのシート。後席後ろにあるのがマルチボード。上中下と3段にセットできるほか、縦にセットすることでラゲッジスペースを前後に分割することもできる

 スペーシアベースが、あえて商用規格としたのは軽自動車というボディサイズが限られた規格の中でラゲッジスペースを有効に活用するためといえるが、そのポイントとなるのが標準装備される「マルチボード」だ。

 上中下と3段にセットすることで、ラゲッジを2段で使い分けたり、テーブルとして利用できたり、はたまた車中泊モードにしたりできるのは、非常に便利で、どんな風に使おうか夢が広がる。

 もっとも、エブリイバンについていえば市場で高い人気を誇ることで荷室をアレンジするアフターパーツが充実している。作り込んでいけば五分五分といえるかもしれない。

 スペーシアベースの優位性として見逃せないのが、乗用車的なルックスだろう。

 乗用スーパーハイトワゴンであるスペーシアのボディを使っているだから当たり前といえるかもしれないが、ヘッドランプやフォグランプがLEDとなっているのは軽商用車らしからぬところで、趣味のパートナーとして選んだときに「軽商用だから……」と引け目を感じることも少ないだろう。

■一方荷室はエブリイが優勢!? 車中泊もシートアレンジなしでイケる

 一方、先にあげたように×の部分もある。

 コンセプトとしてエブリイバンとは違うニーズを考慮したモデルなので、比べても仕方がないところではあるが、ラゲッジスペースの狭さはやはり気になるところだ。前述したように最大積載量も小さくなっているため、純粋に荷物を運ぶビジネスパートナーとして選ぶのは躊躇してしまう。

 また、エブリイバンであれば後席を格納した状態で就寝スペースを作り込めるが、スペーシアベースの車中泊モードは前席を畳むことが前提となる。

 つまり、目的地まで運転していって、すぐに横になるといった使い方はスペーシアベースでは難しい。車中泊メインで考えているユーザーであればスペーシアベースよりエブリイバンのほうが使い勝手はよさそうだ。

 商用車というのは後席使用時に、後席よりも荷室が広くなくてはならない。そのためスペーシアベースでは、とても実用に耐えない補助席のようなリヤシートとなっている。

 こうしたリヤシートはエブリイバンでも同様だが、エブリイバンでも上級グレードを選べばヘッドレスト付きの立派なリヤシートを備えていたりする。後席の使用頻度が高いという人はスペーシアベースを選ぶかどうか、熟考したほうがいいだろう。

■エブリイ比で15万円高……小回り性など商用車を求めるならエブリイか!?

スズキ エブリイ。スペーシアベースの最小回転半径4.4mも十分に小さいが、エブリイはさらに小さい4.1mと取り回し抜群

 軽自動車といえば、小回りが効くというイメージもあるだろう。その点でいうとスペーシアベースの最小回転半径は4.4mと十分に小さいのだが、FRプラットフォームのエブリイバンは、さらに小さい4.1mとなっている。

 通常の2車線道路を想定すると、余裕をもってUターンできるのがエブリイバンで、スペーシアベースは少し大きい円を描くことが実感できるだろう。このあたり、キャブオーバータイプの軽商用車に乗り慣れたユーザーからするとスペーシアベースの小回り性は不満に感じるかもしれない。

 なにより価格が高めに感じるのは、スペーシアベースのウィークポイントだ。最大積載量が小さいのだから価格も安めなのかと思えば、肌感覚でいうとエブリイバンより15万円程高価な設定となっているように思える。

 装備差などを考えると納得できる価格差ともいえるが、絶対的な予算感が上がってしまうことで、そもそも検討する段階で迷いが生じてしまうのも事実だろう。

 最後に、いまの時代には見合わない個人的な意見だが、MTの設定がないことはスペーシアベースとエブリイバンを比べたときの、もっとも大きな違いだと感じる。

 エブリイバンには5速MTの設定があり、3気筒DOHCエンジンをレブリミットの7000rpm近くまで引っ張って走らせるという楽しみ方が、街なかでもできる。小排気量エンジンの性能を引き出すというのは、それはそれで趣味的な部分であり、筆者個人もそうした部分を求めて5速MTのエブリイバンを購入している。

 その意味では、スペーシアベースが候補になり得ないというユーザー層も存在するだろうが、それはそれでニッチなニーズであることも事実だ。

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