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日産新型「デイズ」は軽自動車を超えた! 本気を見せた日産がライバルを圧倒する

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日産新型「デイズ」は軽自動車を超えた! 本気を見せた日産がライバルを圧倒する

■軽自動車の概念を覆すような進化を遂げた日産新型「デイズ」

 2019年3月末に、日産の軽自動車「デイズ」がフルモデルチェンジしました。

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 新型デイズについて、「軽自動車ではなく、普通車を開発するつもりで取り組みました」と開発者が語るように、これまでの概念を変えるくらいの進化を遂げています。デイズは一体どのように進化したのでしょうか?

 新型デイズは、パーシブド・クオリティという「感性評価」を重視した内外装をはじめ、パワートレインやプラットフォーム、ハイブリッドシステムの刷新、クラスNo.1の室内空間、荷室、取り回しの良さでライバルを凌駕しています。

 全車速で追従およびステアリング制御が作動する「プロパイロット」の搭載で先進性を高める一方、初心者にも安心できる運転環境を地道に突き詰め、軽自動車として初めて「SOSコール」を採用しました。

 外観のデザインは、スタンダードモデルとスポーティなハイウェイスターの2タイプが用意され、どちらも日産ブランドの一員として存在感のあるスタイルが印象的です。

 最も特徴的なのは、Vモーショングリルやブーメランヘッドランプシグネチャーといった、日産のデザインランゲージを盛り込んだフロントマスクです。スタンダードはクロームとブラックで縁取りしたハロゲンヘッドランプで、目鼻立ちのハッキリとしたハンサムフェイスとし、ハイウェイスターには上下2段式7眼のLEDヘッドランプで先進感を、独立したフォグランプまわりで低重心・ワイド感を表現しています。

 内装は、スタンダードとハイウェイスターで大きく印象が異なります。スタンダードはグレージュを基調とした優しい色合いで親和性や開放感を強調し、ハイウェイスターはブラックを基調にブルーを挿し色として加えることで、甘くなりすぎない大人の空間をイメージしました。

 オプションで用意されるプレミアムコンビネーションインテリアは、クロスと合皮のコンビとなるブラウンカラーがエレガントで、2クラス上の上質感を実現しています。

 インパネは上下2段構成のデザインで、上部はまるで浮かぶようにフローティングすることで、広々して軽い印象を表現したとのことです。

 そして、外装に取り入れられているシグネチャーランプなどのモチーフを取り入れる遊び心もあって、手で触れた時の感触やスイッチ一つ一つの配置、プラスチック感のない表面処理など、やはり全体的に質感の高さを感じました。

■収納の使い勝手など、細かい配慮がうれしい

 収納スペースなどの使い勝手の面では、まず感心したのが「車検証」の専用ポケットが助手席側のドアに設置されていることです。通常はグローブボックスの中に格納されることが多い車検証をそちらに収納することで、もっと便利に使えるようにとの配慮からです。

 そして、スマートフォンなどをUSBで充電しながら置けるオープントレイや引き出し式のフラットなスライドトレイ、紙パック飲料も入るドリンクホルダーなど、“見せる収納”が揃う一方で、ボックスティッシュをすっぽりしまえるスライドボックス、容量たっぷりのセンターロアボックスなど、“隠す収納”もちゃんと用意されているのが嬉しいところです。

 シートに座ってみると、前席も後席もかなりゆったりとしています。これは新開発プラットフォームの採用によって、ホイールベースが65mmも拡大しているからです。

 前席はショルダールームが広がり、後席はニールームが先代比70mmアップの710mmになりました。これは高級セダンの「フーガ」並みで、もちろんクラストップの広さを誇ります。フロアの中央に邪魔な出っ張りのないフラットな足元となっているのも、座り心地の良さに貢献しています。

 荷室では奥行きが135mm広がり、床下収納も2WDモデルで容量54リットルとたっぷり確保しました。フロアボードを開けると200mmの深さがあるので、かさばるA型ベビーカーが立てて置けるほどです。

 後席のスライドと前倒しが荷室側からもできるのが便利ですが、残念なのは左右独立ではなく一体式というところ。ダイブダウンではないので、前倒しした後の荷室フロアにやや段差が残ってしまうのは数少ない弱点のひとつではありますが、全体的には使いやすい荷室になっていると感じました。

■エンジン・CVT・HVシステムを新たに開発

 新型デイズに用意されるパワートレインは、S-HYBRID、S-HYBRID+ターボ、自然吸気エンジンの3タイプです。自然吸気でも最大でトルクが15%アップしたという新開発のエンジンは、発進加速が大幅に向上しています。

 また新開発のCVTは副変速機を廃し、ギア比の上下幅を広げることで実用域での加速を力強く制御。低フリクションベルトなどの燃費向上技術や、アクセルペダルをほぼベタ踏みにすると、伸びのある加速を体感できるDステップ変速を軽自動車として初めて採用しています。

 新ハイブリッドシステム「S-HYBRID」は、従来の鉛酸電池2個のうち1個をリチウムイオン電池に変更したことで、回生エネルギーが約2倍、アイドリングストップ時間が約10%アップ、モーターアシスト時間が10倍以上に進化しました。

 まずはS-HYBRIDから走らせてみると、発進直後こそやや制御のギクシャク感があるものの、穏やかで必要十分な加速フィールです。低速から中速では踏み込みに対してプラスαの余裕がある感覚で、加速・減速の繰り返しでもストレスなく走ってくれます。

 ステアリングも適度な手応えがあり、直線ではシッカリとしていてカーブではしなやかな足まわりと相まって、心地よさや安心感が高いです。高速道路の合流などでは、もう少し力強さが欲しいなと思う場面もありましたが、実用面でいちばんよく使う範囲の走りやすさがしっかりと感じられました。

 そしてS-HYBRID+ターボに乗り換えると、加速フィールはとてもトルクフル。加速と減速のつながりがやや雑に感じた場面もありましたが、メリハリがあるという捉え方もでき、ここぞという場面でしっかりパワーが引き出せる印象です。

 足まわりにも少し硬さが加わって、コーナリングの剛性感がよりガッシリと高まります。そのおかげもあってか、プロパイロットを作動してもステアリングが常にフラフラすることもなく、安定して前走車を追従してくれました。

 新型デイズをドライブした日はかなり強風が吹いていたのですが、室内がとても静かだったことに感心しました。パワフルに走りながらも穏やかな時間が流れる室内は、もはや軽自動車ということを忘れてしまいそうでした。

■女性の視点を取り入れた新型デイズ

 新型デイズを運転してみて感じたことは、女性の感性にも違和感のない操作感やフィーリングにこだわっているということです。評価チームに女性が在籍し、男性の開発者や評価担当者と意見をぶつけ合いながら、女性視点でも熟成を重ねてきたというのです。

 とくに、女性ドライバーに多い“カカトを床につけずにブレーキペダルを踏む”ことを考慮して、それでも自然に効くようなフィーリングとしたり、近年の日産車が採用しているプラットフォーム型ではなく、一般的な丸いステアリング形状としたのも、運転に不慣れな人でも違和感なく操作できるように配慮されているということです。

 そして、「もしかしてウインカーの位置も他の日産車よりステアリングに近づけていませんか?」と開発者に聞くと、その通りだとの答えが返ってきました。

 小柄な女性は手のひらも小さいので、ステアリングに手をかけたままだとウインカーレバーを操作しにくいのですが、そこまで検証していることに驚きました。

 デザインや先進装備の充実ばかりに目がいきがちですが、新型デイズの良さは、こうした一見すると気づかない、目には見えない部分にまでしっかりと“日産の本気”が込められているところです。

 新型デイズは、単なる「日産の軽自動車」ではなく、「いちばん小さい日産車」というわけです。それほどの完成度の高さを実感させてくれました。

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