グランドツアラー寄りの2代目 カブリオレも
電動化への過渡期にあって、ロータリーエンジンを堪能する方法はまだ残っている。新しいMX-30にもレンジエクステンダーとして搭載されたが、そのパワーを直接路面へ伝えたいなら、RX-7が理想的な選択肢だろう。マニアから、一目置かれる存在でもある。
【画像】真打ちはロータリー マツダRX-7 初代~3代目 RX-8とMX-30 ポルシェ944も 全125枚
RX-7には3世代が存在し、近年は3代目のFD型が脚光を集めている。初代のFB(SA22)型は、オリジナルとしての価値がある。だが2代目のFC型も、比較的手頃で1980年代の魅力に溢れるチョイスといえる。
FC型の生産が始まったのは、1985年。当初の欧州仕様には自然吸気の2ローターエンジンが載り、150psの最高出力を得ていたが、1986年にはツインスクロールターボを獲得。180psまで一気に増強された。
1989年にフェイスリフト。ローターの軽量化と高圧縮化、エンジン制御システムの改良などで、欧州仕様の最高出力は200psへ向上した。この仕様は、ターボIIと英国では呼ばれている。
初代と3代目は、シリアスなスポーツカーという性格付けだったが、2代目はグランドツアラー寄りの味付けにあった。アメリカ市場での、シェア拡大が狙われていた。その結果、RX-7では唯一となるカブリオレも追加されている。
今回の車両は、マツダUKが保管する1991年式RX-7 ターボII カブリオレ。BBSのアルミホイールとレザー内装は、標準装備だった。
当時から物議を醸していたのが、スタイリング。リトラクタブル・ヘッドライトのポルシェ944と似ていたことは否定できない。またマツダの技術者は、サスペンション開発でポルシェ928を参考にしたといわれている。
944の高次元なライバル 真打ちはロータリー
それでも、筆者はFC型がプアマンズ・ポルシェだとは思わない。運転が最高に楽しい、高次元のライバルにあった。
当時でも、スポーツカーとしてはサスペンションが柔らかめだったものの、軽量でシャシーバランスに優れ、秀でたグリップ力を引き出していた。快適なだけでなく、積極的なコーナリングも得意としていた。
ステアリングは軽くダイレクト。5速MTは、キビキビと正確に次のギアを選べる。純粋に、操ることへ喜びがあった。
さらに、RX-7の真打ちはロータリーエンジン。アイドリング時のボロボロという特徴的なノイズは、回転数の上昇とともに咆哮へ変わる。ターボチャージャーの悲鳴も重なり、唯一といえる音響体験を味わえる。
7000rpmか8000rpmへ設定されたレブリミットまで、意欲的に回転もする。0-97km/h加速は、RX-7 ターボIIで6.7秒がうたわれていたが、体感としてはそれ以上に鋭い。ロータリーエンジンは軽量コンパクトで、フロントノーズの動きも軽快だ。
ただし、好調を保つには丁寧なメンテナンスが欠かせない。それを怠らなければ、価値あるカーライフを謳歌できるはず。
FD型の人気上昇の傍らで、FC型はそこまで取引価格が高騰していないのも魅力。世界中のマニアから注目が向けられる前に、状態の良い1台を探してみてはいかがだろう。
新車時代のAUTOCARの評価は
1ポンド当たりの性能で考えれば、RX-7は間違いなくお買い得。最高速度238km/h、0-400mダッシュを14.9秒でこなす俊足の持ち主だ。ライバルより2万ポンドほど安い。マツダ自らライバルとするのは、ポルシェ944 ターボだ。(1989年7月5日)
オーナーの意見を聞いてみる
ディーン・リチャーズ氏
「2代目RX-7の最大の価値は、比較的手頃な価格で真のパフォーマンスを手に入れられること。ただし、ロータリーエンジンはブローしがち。ボアへ注入されるオイルが足りなくなると、不調を招きます」
「冷間時の始動性が悪かったり、点火コイルが故障しやすいという問題もあります。それでも、スポーティで楽しいクルマをお探しなら、RX-7は好適だと思いますよ」
購入時に気をつけたいポイント
エンジン
ロータリーエンジンはエンジンオイルを消費する。こまめにチェックして補充し続けないと、大きな問題を引き起こす。FC型では5000kmから1万km毎か、半年毎にエンジンオイルを交換したい。過去の整備状態と、実際に滑らかに回転するかも確かめたい。
驚くほどスムーズなフィーリングが正常。少しでも乱れるようなら、潤滑系が不調な可能性がある。
点火不良や明らかなパワー不足は、ローターの頂部3か所に埋め込まれた、アペックスシールという部品の摩耗かもしれない。油温が上昇する前に負荷を掛けると、ダメージを与えてしまう。可能なら、圧縮比のテストもしたいところ。
トランスミッションとサスペンション
変速時にギアの回転を調整するシンクロメッシュの調子と、異音、クラッチの滑りを確かめる。
段差を越えた時にカツカツと音がする場合は、リアサスペンション・ブッシュのヘタリ。交換したい。
ボディとインテリア
塗装の品質はさほど高くない。色褪せやクリア層の剥離は考えられる。シャシー回りなど、腐食がないか観察する。サンルーフ装備車はサイドシルに水が溜まりがちで、そこが錆びやすい。リアハッチのガラス周辺や、ホイールアーチなども弱点。
電装系がすべて動作するか確かめる。劣化による基盤のハンダ不良で、不調に陥るケースが多い。ドアの内張りなど、内装は堅牢とはいえない。ドアハンドルやドアポケットも壊れやすいようだ。
カスタマイズ
日本製スポーツカーらしく、オーナーが何らかの改造を施している場合が殆ど。アフターマーケット・パーツの品質や取付状態の良し悪しも、チェックポイント。
英国ではいくら払うべき?
3000ポンド(約56万円)~4999ポンド(約92万円)
この価格帯のRX-7は、エンジンのリビルトが前提と考えていいだろう。
5000ポンド(約93万円)~8999ポンド(約166万円)
英国では、16万km以上の走行距離を重ねたFC型が売買されている価格帯。
9000ポンド(約167万円)~1万1999ポンド(約221万円)
走行距離は長めでも、状態は良くなる。
1万2000ポンド(約222万円)以上
安心して乗れる好条件のFC型をお探しなら、この価格帯から選びたい。英国でも、走行距離が8万km以下の車両が出てくる。
英国で掘り出し物を発見
マツダRX-7 ターボII コンバーチブル 登録:1989年 走行距離:10万3000km 価格:1万500ポンド(約194万円)
ソフトトップには修理が必要ながら、ドライブトレインの状態は良いという。整備記録もしっかり残っている。現行のマツダMX-5(ロードスター)の中古車と同等の値段で買えるなら、思い切ってみる価値はあるだろう。
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日本の提灯モータージャーナリストと盲目的外車礼賛ライターの両方を、廃業に追い込むレベルで良いレビューが多い。
古い車だけでなく、新車についても、レビューのレベルが全然違う。