現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ホンダ・フィット ハイブリッドが3代目で初登場、シンプルで高効率なシステムが話題に【10年ひと昔の新車】

ここから本文です

ホンダ・フィット ハイブリッドが3代目で初登場、シンプルで高効率なシステムが話題に【10年ひと昔の新車】

掲載 23
ホンダ・フィット ハイブリッドが3代目で初登場、シンプルで高効率なシステムが話題に【10年ひと昔の新車】

2010年10月、3代目ホンダ・フィットに大幅な変更が加えられ、同時に1.3Lガソリンエンジンにモーターを組み合わせた「フィット・ハイブリッド」が登場し大きな話題を呼んだ。日産マーチ、スズキ・スイフトとコンパクトカーのフルモデルチェンジが続く中でも、そのインパクトは大きかった。Motor Magazine誌は登場もなく試乗テストを行っているので、今回はその時の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2010年12月号より)

なにごともなかったかのようにハイブリッド化に成功
かねてより噂のフィット・ハイブリッドがついに発表された。正式発表を前にすでに1万台以上の予約注文が入っていたというから、その注目度の高さがわかろうというものだ。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

そのポイントはいくつかある。まずコンパクトカーの定番であるフィットをベースとしていること、ハイブリッドで160万円を切るという価格、30km/Lという燃費性能などだ。

それにしても、フィット・ハイブリッドはよくできている。1.3Lエンジンと薄型電気モーターを小さなボンネット内にすっぽり収め、駆動用ニッケル水素バッテリーも薄型にしてラゲッジルームのフロア下にコンパクトに収納。まるでなにごともなかったかのようにハイブリッド化に成功している。

とはいっても簡単ではなかったはずで、バッテリーの搭載などによる重量増(約100kgほどガソリン車より重い)、重量配分変化については、ボディ、足まわり、ブッシュなどを基本から見直したという。ガソリン車よりも多くの部分でコストがかかっているわけだ。

10・15モード燃費30km/Lを実現するためにも苦労があったようだ。インサイトよりボディが小さいので車重は60kgほど軽いが、空気抵抗が大きく、さらに全長が短いため空力的に不利となるのだ。そのため、ライトまわりのデザイン変更、ドアミラーの形状変更、リアのディフューザーまわりの変更、エンジンのフリクション低減、低転がり抵抗タイヤ採用、CVTフルードウオーマーの追加など、涙ぐましい努力が重ねられている。

ただ心配な点もいくつかある。インサイトのようなハイブリッド専用車ではないので、ハイブリッドらしい演出に乏しく、ユーザーに強くアピールできるのかということ。30km/Lという燃費はもはや突出したものではなく(ガソリン車でも20km/L台後半をマークするモデルもある)、それがどう評価されるか、などだ。

もはやハイブリッドであることを強調する時代は終わった?
1.3Lエンジン+電気モーターによる走りは、出足の良さがとくに印象的だ。モーターアシストによってトルクがぐいっと押し上げられ、アクセルペダルを軽く踏んだだけで前に押し出されるように加速していく。1.3Lモデルとは明らかに異なる。深く踏み込む必要がないのでエンジン回転が抑えられ、とても静かなのも特徴だ。

ホンダのIMAはエンジンを動力源とし、モーターは補助動力のためハイブリッドであることを強く意識させることはなく、静かでトルクフルなエンジンという感じだ。回生ブレーキもそれほど強くはなく、ごく自然な感じで、通常のブレーキの感覚で運転することができる。また、内外装もとくにハイブリッドらしいと言えるものではない。

このあたり、もはやハイブリッドであることを強調する時代は終わったということだろうか。ハイブリッドらしい演出よりも実性能が重要。そう考えると、コンパクトカーとしての資質に加え、ハイブリッドという付加性能を加えられた、このモデルの実力は相当に高い。

ハイブリッドが万能だというつもりはないが、この性能が159万円から手に入るのはやはり凄いと思う。このトルクフルで快適な走りが、この価格で手に入るのならば、ハイブリッドを敬遠する理由はなにもない。

「ハイブリッドに乗っているという実感がもっと欲しい」という人はインサイトを選べばいい。しかし、居住性や使い勝手、実用性など、むしろインサイトより優っているのが、フィットハイブリッドだろう。(文:Motor Magazine編集部 松本雅弘/写真:井上雅行)

ホンダ フィット ハイブリッド ナビプレミアムセレクション 主要諸元
●全長×全幅×全高:3900×1695×1525mm 
●ホイールベース:2500mm 
●車両重量:1130kg  
●エンジン:直4SOHC+モーター
●排気量:1339cc
●最高出力:65kW(88ps)/5800rpm
●最大トルク:121Nm(12.3kgm)/4500rpm 
●モーター出力=10kW(14ps)/1500rpm 
●モータートルク=78Nm(8.0kgm)/1000rpm 
●トランスミッション:7速CVT
●駆動方式:FF
●タイヤサイズ:175/65R15
●車両価格:210万円(2010年当時)

[ アルバム : ホンダ フィット ハイブリッド ナビプレミアムセレクション はオリジナルサイトでご覧ください ]

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

フェラーリF1育成ベガノビッチが優勝。僚友ミニを退ける|FIA F3スパ スプリントレース
フェラーリF1育成ベガノビッチが優勝。僚友ミニを退ける|FIA F3スパ スプリントレース
motorsport.com 日本版
プラスチックと木製キットの融合!?糸を操るのはシリアル食品会社…【アメリカンカープラモ・クロニクル】第31回
プラスチックと木製キットの融合!?糸を操るのはシリアル食品会社…【アメリカンカープラモ・クロニクル】第31回
LE VOLANT CARSMEET WEB
何があった? 突然レンガを投げた女が逮捕! SNSで話題となった衝撃事件とは? 元警察官が解説
何があった? 突然レンガを投げた女が逮捕! SNSで話題となった衝撃事件とは? 元警察官が解説
くるまのニュース
アウディの車載ディスプレイ、壁紙に米サッカー29チーム登場…照明も壁紙の色調に合わせて変化
アウディの車載ディスプレイ、壁紙に米サッカー29チーム登場…照明も壁紙の色調に合わせて変化
レスポンス
アルピーヌ代表、自社製PU開発終了計画を認める。しかし“チーム売却への序章”にあらず「F1は常に重要なプロジェクト」
アルピーヌ代表、自社製PU開発終了計画を認める。しかし“チーム売却への序章”にあらず「F1は常に重要なプロジェクト」
motorsport.com 日本版
今週、話題になったクルマのニュース3選(2024.7.27)
今週、話題になったクルマのニュース3選(2024.7.27)
@DIME
全長5mの超高級3列SUV インフィニティ「QX60」が登場 米国で人気の“日本で買えない日本車”とは
全長5mの超高級3列SUV インフィニティ「QX60」が登場 米国で人気の“日本で買えない日本車”とは
VAGUE
F1第14戦木曜会見:波紋広がるチームオーダー。“素晴らしいチームプレーヤー”のボッタスと、歯切れの悪いストロール
F1第14戦木曜会見:波紋広がるチームオーダー。“素晴らしいチームプレーヤー”のボッタスと、歯切れの悪いストロール
AUTOSPORT web
このシートめっちゃ好き! オシャレでシンプルなトヨタ ハイエースがベースのキャンパー
このシートめっちゃ好き! オシャレでシンプルなトヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
バブル経済の中で生まれた超個性的な3ドアホットハッチ! 日産「マーチ スーパーターボ」とは
バブル経済の中で生まれた超個性的な3ドアホットハッチ! 日産「マーチ スーパーターボ」とは
バイクのニュース
トヨタ斬新「ランクル“ナロー”」に大反響! まさかの「2人乗り」&フェンダー無し! “400万円以下”で販売も期待の「ナナマル」に熱視線!
トヨタ斬新「ランクル“ナロー”」に大反響! まさかの「2人乗り」&フェンダー無し! “400万円以下”で販売も期待の「ナナマル」に熱視線!
くるまのニュース
おいおいカッコよ過ぎじゃないの! トライトンのブラックエディションがレベチすぎる!
おいおいカッコよ過ぎじゃないの! トライトンのブラックエディションがレベチすぎる!
ベストカーWeb
『ぽんこつジムニー』ハコ替え計画27-5「ドアを取り付けよう」
『ぽんこつジムニー』ハコ替え計画27-5「ドアを取り付けよう」
グーネット
EVバスを導入したい自治体や事業者の救世主となるか!? ヒョンデ中型EVバスを2024年末までに国内投入
EVバスを導入したい自治体や事業者の救世主となるか!? ヒョンデ中型EVバスを2024年末までに国内投入
THE EV TIMES
率直な発言が成功へのカギ? フェルスタッペン、“ブチ切れ”無線への批判を一蹴「嫌なら聞かなきゃいい」
率直な発言が成功へのカギ? フェルスタッペン、“ブチ切れ”無線への批判を一蹴「嫌なら聞かなきゃいい」
motorsport.com 日本版
東京都ついに“我慢の限界”!? 首都高のETC専用化「早くして」国へ緊急要望 2年間で「進展ゼロ」!? 渋滞の「永福料金所」廃止も求める
東京都ついに“我慢の限界”!? 首都高のETC専用化「早くして」国へ緊急要望 2年間で「進展ゼロ」!? 渋滞の「永福料金所」廃止も求める
くるまのニュース
F1に「エアコンは必要ない」とハミルトン。FIAが義務化を計画するドライバー冷却システムは不要と断言
F1に「エアコンは必要ない」とハミルトン。FIAが義務化を計画するドライバー冷却システムは不要と断言
AUTOSPORT web
オリンピックでF1マシンが走った日……2006年トリノ五輪開会式
オリンピックでF1マシンが走った日……2006年トリノ五輪開会式
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

23件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

162.5236.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

3.8290.0万円

中古車を検索
フィットの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

162.5236.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

3.8290.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村