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初期受注にビックリ!! 驚異的な瞬間最大風速をマークした現行日本車

掲載 更新 29
初期受注にビックリ!! 驚異的な瞬間最大風速をマークした現行日本車

 クルマが売れていない、と言われて久しいが、売れているクルマは爆発的に売れる、というのは昔も今も変わらない。

 クルマはフルモデルチェンジやブランニューデビューを前の1カ月前くらいからオーダーの受け付けを開始するケースが多く、メーカーは売れているモデルについて、デビュー1か月後の受注状況を発表し、好調ぶりをアピールすることも多い。

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 デビュー後約1カ月間の受注と言えば、2009年にデビューした3代目プリウスが18万台を受注したが、後にも先にもこの台数を超えることはないだろう。

 そこまでいかないまでも、現行モデルも売れているクルマは売れている。1カ月の初期受注〇万台!! 月販目標の〇倍!! と聞いただけで元気になれる景気のいい現行車について、オーダーが殺到した理由、その後の販売動向、現状について考察していく。

文:ベストカー編集部/写真:TOYOTA、HONDA、DAIHATSU、MAZDA、SUBARU、池之平昌信、ベストカー編集部

【画像ギャラリー】魅力的過ぎてオーダーが殺到した結果1カ月足らずでオーダーストップ!! 再開に備えてRAV4 PHVをじっくりと研究

トヨタRAV4 PHV

初期受注:台数不明ながら1カ月足らずでオーダーストップ
月販目標:300台

システム出力は圧巻の306psで、0-100km/h加速は6.0秒と公表されているスペックは伊達ではなく、サーキットでもファンな走りを端のできるRAV4 PHV

「RAV4史上最強の動力性能」を大々的にアピールして2020年6月にデビューしたのがRAV4 PHVだ。燃費一辺倒ではなく、走る楽しさという付加価値が与えられている。

 初期受注台数についてはトヨタから正式発表はないが、月販目標台数の300台を大きく上回る台数が入ったことによって、デビューから1カ月足らずでオーダーストップとなってしまった。

 食品などは人気が集中したため出荷を停止する、というケースは多々見られるが(なかには戦略もあり!?)、クルマ界では前代未聞のある意味事件だ。

 RAV4 PHVは469万~539万円という価格が判明すると、価格的には安くないが内容を考えるとバーゲンプライス、というのがもっぱらの評価となった。

 オーダーストップせざるを得なかった理由としては、バッテリーの生産能力を超えるオーダーが入ったため、ということになっている。

 ただ、これまでもデビュー時にオーダーが殺到して納車〇年待ち、と騒がれたクルマはあったのに、なぜRAV4 PHVはオーダーストップに追い込まれてしまったのか。

デビュー後約1カ月で18万台を受注した3代目プリウスも納車が長期化したがオーダーストップにはならなかったが、RAV4 PHVは補助金の対象というのがネック

 RAV4 PHVは補助金の対象車ながら、2021年度の補助金が決まっていない、というのが決定打になったのではないだろうか。

 この状況を打開するにはバッテリーの生産能力を上げるしかないだろうが、バッテリー生産への投資はリスクも大きいから、トヨタにとっては頭の痛い問題だ。

トヨタハリアー

初期受注:約4万5000台
月販目標:3100台

 2020年4月にプロトタイプが公開されて以来クルマ界の話題を独占した感のある新型ハリアーは、デビュー後1カ月で約4万5000台を受注したとトヨタが発表。

 新型ハリアーの月販目標台数は3100台だから、14.5倍のオーダーが入ったことになる。デビュー前にはオーダーを見越して生産ストックしているが、それではまったくカバーできず、2020年8月現在で納車は最長で2021年4月と長期化している。

見た目の質感が高くカッコいいだけでなく、走りのポテンシャルもミドルクラスSUVのトップレベルにある新型ハリアーが売れるのは当然のこと

 人気の要因は、日本で確立された『ハリアーブランド』のニューモデルとして、エクステリア、インテリア、走行性能、価格などのすべてが想像を超えるクルマとして登場したことに尽きる。

 新型コロナ禍の真っ只中にデビューしてこの人気は凄すぎる。フル販売最初の2020年7月は9388台を販売して4位にランクインしているのも当然のこと。

 一気に販売を落とすとは考えられないので、この人気がいつまで続くのか注目したい。

ハリアーブランドに対する期待を上回るカタチで新型を登場させたため、ユーザーが飛びついた。新型コロナ禍真っ只中のデビューも足かせにならず

ホンダN-BOX

初期受注:5万2000台
月販目標:1万5000台

 2017年にデビューした現行N-BOXは、初代N-BOXが大ヒットモデルとなっただけに、その販売動向が注目されていた。クルマ界では売れたクルマのフルモデルチェンジは難しい、というのが鉄則だからだ。

 ふたを開けてみれば、デビュー後約1カ月で5万2000台を受注してビックリさせた。月販目標が1万5000台と超ハイレベルだから、大量の初期受注も月販目標の約3.5倍にとどまるが、台数が強烈すぎる。

 しかもN-BOXがデビューする前に、ホンダは初期受注を過去最高の2万7000台に設定していることを明らかにしていて、それに対しマスコミもホンダは強気、と考えていたが、ホンダの目論見の約2倍のオーダーを実現したのもこれまたビックリだ。

現代クルマ界の絶対王者のN-BOXは強力なライバルをものともしない。この点はライバルメーカーも頭が痛いところ

 N-BOXは初期受注だけでなく、その後も刷新された強力なライバルを打ち負かして日本のベストセラーカーに君臨している。

 2019年の月販平均は2万4458台!! 月販目標を大幅にクリアし、コロナ禍においてもほぼほぼ月販目標をクリアしているモンスターだ。

 ヒットの要因はスーパーハイトワゴン軽自動車の絶対的アイコンとなっていること、変わらないようですべての面でクォリティアップしていること、安心感、旧型N-BOXのオーナーの多さなど、売れるクルマの典型だ。

 2020年秋にはマイチェンの情報もあるため、N-BOX時代はまだまだ続くだろう。

2018年の販売台数は旧型N-BOXも含む

ダイハツロッキー

初期受注:約1万5000台
月販目標:2000台

 トヨタライズとダイハツロッキーは基本的に同じ車種で、ダイハツが設計・製造を担当し、トヨタがライズ、ダイハツがロッキーをそれぞれ販売している。

 ライズがデビュー後の1カ月で約3万2000台(月販目標の約8倍)の陰に隠れて目立ってはいないが、ダイハツブランドのロッキーは約1万5000台を受注。月販目標が2000台だから7.5倍という優秀な実績を残している。

ロッキーとライズは違うフロントマスクが与えられて差別化。ライズの快進撃は凄いが、ロッキーの踏ん張りも凄い。時代に合ったクルマは強い!!

 ダイハツ設計・製造車は現行モデルではトヨタパッソとダイハツブーンもそうで、これまで数多くリリースさせてきた。その販売台数の比率は圧倒的にトヨタで販売するモデルというのが当たり前だった。

 ダイハツ設計・製造モデルで、ロッキーほどトヨタブランドで販売されるクルマに迫ったクルマはなかったハズ。

 デビュー後の販売台数は何度もトップをとったライズに比べると地味に映るかもしれないが、販売店の規模から考えても充分健闘している。ロッキーの健闘をたたえたい。

ライズはトップ争いの常連で、何度もトップを奪取。いっぽうロッキーは新型コロナ禍の影響を受けているようだが、この先浮上できるかに注目

スポーツカーの初期受注

 コンパクトカー、SUV、軽自動車のように台数は多くないが、初期受注台数の月販目標に対して倍率が高いのがスポーツ&GTだ。

 スポーツカーは、ある意味初期受注がすべてで、最初にいかに花火を大々的に打ち上げられるかが勝負となる。そしてその注目度、人気をどれだけ長くキープできるかが重要だ。

トヨタ86:7倍!!
初期受注:7000台(1カ月)、月販目標:1000台

スバルBRZ:3.9倍!!
初期受注:3551台(2カ月)、月販目標:450台
※倍率は1カ月に換算

86とBRZはともに2012年にデビュー。ひと足先にBRZはオーダー終了となり、86もそう長くはないと思われる。しかし8年間のクルマ界への功績は大きい

デビュー年である2012年の86の販売台数が突出している。まさに大きな花火を打ち上げて、日本でも86旋風を巻き起こした

ホンダS600:6.5倍!!
初期受注:5200台(4日間)、月販目標:800台
※1カ月後の受注データは未公表

マツダロードスター:10倍!!
初期受注:5042台(1カ月)、月販目標:500台

マツダロードスターRF:9.5倍!!
初期受注:2385台(1カ月)、月販目標:250台

ロードスターRFの販売台数はマツダ調べ

RFは2016年11月に追加となり現在もコンスタントな人気だ。30周年記念車があっという間に完売し、現在は中古マーケットでプレミアム付きで取引されている

2017年に販売を大きく落としたS660だが、その後はなだらかに販売ダウンするというスポーツカーの典型。年間3000台レベルをキープしてほしい

 こう見てみると、日本のスポーツカーも初期の注目度は絶大だということがわかる。

 それから、デビューから現在に至るまでの販売台数を見る限り、クルマ界の定説どおり、順当に(!?)販売を落としている。しかし、予想以上に根強い人気があるのも事実だ。

 メーカーも販売が尻すぼみになることは宿命だとわかっている。存在することに意義があるスポーツカーは、改良を続けながら進化させて、作り続けてほしい。

 BRZはすでにオーダー中止となっていて、86もそう長くはないと思う。2021年の登場が有力視されている新型がどのくらいの初期受注をマークするか楽しみだ。

速ければ2021年春のデビューが噂されている新型86/BRZ。注目度抜群の大物だけに、どのくらい初期受注が入るのか楽しみ。写真は予想CG

まとめ

 最近は「発表日」と「発売日」が大きくずれており、しかも発表前もティザー情報を流して、発売前に受注を集めやすくしているため、以前よりも初期受注は集まりやすくなっている。

「大人気!」とアピールするという点ではメーカーにとっては都合がいいが、ユーザーにとっては注文してから納車に至るまでの期間が長くなりがちで、いいことばかりではない。

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みんなのコメント

29件
  • 86とBRZの販売台数の差が酷いね(^^;
    味付けは変わるらしいが、ここまで差が開くとは…
  • キックス9000台!
    って、社長会見までしたのはなんだったのか。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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