■BMW新型M3&M4などはBMWの子会社 BMW M社が開発している
BMW新型「M3」とクーペモデルの新型「M4」が、日本で納車がはじまった。
ついにその姿を現した! BMW新型「M3」がニュルで走行テスト
このM3・M4など、BMWのMモデルをプロデュースしているのは、「BMW M GmbH(BMW M有限会社=以降M社)」という会社で、BMW AG(BMW株式会社=以降BMW)の100%子会社である。
BMWの本社はドイツ・ミュンヘン市内にあるが、M社の現在の本社は、ミュンヘン市内からミュンヘン空港に向かうアウトバーンの途中にあるガルヒングという場所にある。
BMW M社の設立は1972年で、当時は「BMWモータースポーツGmbH」という社名だった。そもそもはBMWのモータースポーツ部門を担当していたからだ。その後、レース用のエンジンの開発部門をイギリスに拠点を移したことから、1993年に現在の社名に変えた。もちろんM社のMにはモータースポーツの意味も含まれている。
M社の事業は5つの柱から成り立っている。
まずはMモデルの製作だ。M社が最初に手がけたスーパースポーツカー「M1」は1978年に誕生した。次のMモデルは、3シリーズ2ドアをブリスターフェンダーにして4気筒2.3リッターエンジンを搭載し、「M3」として1986年に登場した。
今では「M2」「M3」「M4」「M5」「M8」「X5M」「X6M」が揃い、サーキットを走るマシンで一般道も走れる、ということをコンセプトとしてそのイメージは定着している。これらは「M ハイパフォーマンスモデル」と呼ばれる。
これらは以前はM社の社内工場で作られていたが、いまはBMWの工場でノーマルのBMWと同じラインで流れている。これにより、多くの台数をこなせるようになった。
通常のBMWとMモデルの中間に位置するスポーティカーとして「M パフォーマンスモデル」も人気が高い。「M760Li」「X3M40d」など、各シリーズに用意されている。
ボディ、シート、カーボンパーツ、計器、エンジン、タイヤなど、Mモデル専用パーツが組み込まれていく。工場で製造する前の開発段階の企画、デザイン、テストなどはM社で独自開発される。BMWのデザイナーとは別に、M社のデザイナーもいる。
Mモデルの製作に付随して、1985年からMスポーツパッケージが始まった。これが2本目の柱になる。
ノーマルのBMW車でもっとスポーティな雰囲気を味わいたいという要望に応えて、車高を6mmから10mm下げたサスペンションを設定したり、Mデザインのホイールを用意したり、スポイラー類も用意している。薄い青色と濃い青色と赤色の斜めの3色カラー目印になっている。じつはこの3色の設定も途中で色が変わっていて、昔は青色、紫色、赤色だった。
■世界各国でドライバートレーニングも開催している
3つ目の柱は、1978年から始まったBMWドライバー・トレーニングで、今はBMWドライビング・エクスペリエンスと名称を変えている。
1970年代のドイツでは交通事故が多く、BMWはカーメーカーの立場から、安全なクルマの扱い方を広めるために開催した。
警察や軍隊などもこのトレーニングを採用し、保険会社もその効果を認め、受講者には保険料を割り引くなどの特典を設けた。半日コース、若者向けコース、ニュルブルクリンクのノルドシュライフェなどのレーストラックコース、スウェーデンやオーストリアのウインターコース、アフリカの砂漠を走破するコースなど、バラエティに富んだメニューを用意している。
またインストラクターのための高度なトレーニングも用意している。ちなみに日本では1987年11月と1988年3月にラウノ・アルトーネン氏が来日して試験開校し、1988年5月に筆者はインストラクター研修のために2週間ドイツに行った。1989年から一般のドライバーが参加できる正式開校したから、すでに30年以上の歴史がある。このように各国のBMWのインポーターが自国でBMWドライビング・エクスペリエンスを開催している。
4つ目の柱は1991年から始めたBMW Individual(BMWインディビデュアル)である。
オプションパーツでは対応しきれない、ユーザーの難しいオーダーを一手に引き受けてくれるのがインディビジュアルである。スペシャルオーダーのボディカラーを塗装してくれるのはもちろん、シートも革の種類や色、ステッチのカラー、刺繍も施すことができる。納車する国のレギュレーションに違反しない限りは対応してくれる。
ただし、オーダーにより半年から1年くらい待つ覚悟は必要になってくる。
5つ目の柱は、あまり知られていないが特殊車両の製作だ。
テロに巻き込まれても中の人が安全にいられるようにするためのセキュリティカーなどがその一例だ。分厚い窓ガラス、床下で爆弾が爆発しても耐えられるようにした丈夫なフロア板を張り、ボタンひとつで外部からの攻撃に耐えられるようにするスイッチもつく。ランフラットタイヤよりも強力な、パンクしないタイヤを履いている。「7シリーズ」が4トン車ほどの重量になるという。
* * *
こうしてM社の事業を見てみると、単にスポーティなクルマ、サーキットを走ることが得意なクルマだけを作っているだけではないということがわかる。
M社と立場が似ているのが、アウディのクワトロ社やメルセデス・ベンツのメルセデスAMG社である。クワトロ社はアウディ「RS」モデルや「R8」などを開発、AMG社はメルセデスAMGの各モデルを開発しているから、BMWのM社と同じ位置にいるようにみえる。ただしMモデルは、専用エンジンをつくるなどMモデル専用パーツを多数採用し、ノーマルモデルとはかけ離れた尖ったポジションにいるところが特徴になっている。
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みんなのコメント
トランスミッションはとても町中での使用を想定したような優しいモノではなく、中低速域ではギクシャクギクシャク、、、
また今はわかりませんが、当時新車保証が3年までしかなく、トランスミッションが4年間で2度の故障(修理費240万円ほど)。4年目以降も維持し続けるのは、私のようなしがないサラリーマンには無理でした(笑)
やはりあのクラスの車は、買うだけなら一般庶民でも買えますが、維持しようとするとなかなか厳しい...そもそも普段使いに向かない。金持ちが趣味のセカンドカーとして持つようなヤツですね...
それでもあの中毒になるような官能性は未だに忘れられず、ときどき無性に欲しくなる衝動に駆られますが、身の程を考えるともうMやAMGには手を出せない...お金持ちが羨ましい。。。