■まさかのターボ化!? 5速MTも搭載した「スゴいミライース」とは?
ダイハツの軽自動車「ミライース」といえば、日常ユースにピッタリなクルマですが、新たにターボ×5速MTを搭載したモデルを初公開しました。
なぜダイハツ自らミライースを改造したのでしょうか。
【画像】カッコいい! これが「ミライース ターボ」です! 画像を見る
ダイハツは、2024年8月11日に富士スピードウェイ(静岡県小山町)で開催される「K4-GP 2024年 FUJI 10時間耐久」に同社の軽自動車「ミライース」で参戦します。
その前日に、参戦車両を報道陣に公開しました。従来とは違うミライースとは、どのようなモデルなのでしょうか。
ミライースは、初代モデルが2011年に登場した「軽セダン」です。
現行モデルは2017年にフルモデルチェンジした2代目で、日常使いに適したコンパクトなサイズと優れた燃費性能を備えた「エコカー」としてラインナップされます。
レース仕様のミライースの外観は、真っ赤なカラーを身にまとった派手な装飾が目を引くなか、ボンネットには“穴(ダクト)”が設けられていることがわかります。
通常仕様のミライースのパワートレインは、NA(自然吸気)エンジンとCVTを搭載していますが、レース仕様のミライースはターボエンジン+5速MTに換装。
ダイハツの軽オープンカー「コペン」のエンジンとトランスミッションを載せた、“最強仕様”となっています。
ダイハツは、「D-SPORT」ブランドなどのアクセサリーを展開する「SPK」とともに「D-SPORT Racing Team」としてK4-GPに参戦。
2023年にもターボ化されたミライース(以下、ミライース ターボ)で出場しているのですが、今回公開された最新モデルでは、前回の参戦で課題となった「冷却」と「ボディ剛性」を改善しています。
冷却性能向上のため、ボンネットのダクトだけでなく、フロントグリルにも開口部を設けてラジエーターに風を送り込んでいるほか、フェンダー部分にもダクトを設置することで、エンジンルームの熱対策を施しました。
また、エンジンルーム内にはタワーバーやブレースが装着され、床下にもフロントとセンターにブレースで補強することで剛性アップを図っています。
内装は、前述のように5速MTが搭載されている点が一番のポイント。
さらに、シートはバケットシートに交換されているほか、後席は取り外され、ロールケージが組まれました。
今回、ゲストドライバーとしてモータージャーナリストの国沢光宏氏もミライース ターボのハンドルを握ります。
テスト走行で運転した感想は「乗る前はあまり期待していなかったけど、実際運転したらすごく楽しいクルマに仕上がっていた」とのこと。
サスペンションやブレーキも強化されたほか、タイヤ・ホイールも変更されているものの、車両重量は通常仕様のミライースから20kgほどしか増加しておらず、軽さを生かして走りが楽しいモデルに仕上がっているようです。
D-SPORT Racing Teamのドライバーの相原泰祐氏は「エコカーとして作られたミライースはそもそもボディが軽く、ポイントを絞って強化すると、軽さを生かしながら剛性を上げることができた」とコメント。
そもそも、ミライース ターボを作ったきっかけは、ユーザーからの要望が理由だったといいます。
ダイハツの軽自動車でレースに参戦するのならコペンが適していると思われますが、もちろんコペンでもレースに参加しつつ、一方でユーザーからは「4人乗り」への要望があるとのこと。
また、軽自動車は日本の新車市場の4割を占める身近な存在となっており、そんな軽でレースに参戦することで、モータースポーツのすそ野を広げる狙いもあるようです。
※ ※ ※
ミライース ターボは現時点ではレース仕様として開発されたものですが、気になるのは、通常仕様のミライースにも同様のパワートレインが搭載されるのかという点でしょう。
ダイハツの関係者は「将来の商品計画については回答できない」と前置きしたうえで、「お客さまの反響や、そのクルマを出す価値が見いだせれば、そういった可能性は確実に出てくる」ともコメント。
ユーザーの反響や要望次第では、ターボとMTを搭載したミライースの市販化が実現することになるかもしれません。
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