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グリルにイルミネーション内蔵 BMW M850i xドライブ・カブリオレへ試乗 特別感が欲しい

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グリルにイルミネーション内蔵 BMW M850i xドライブ・カブリオレへ試乗 特別感が欲しい

実務的で華が乏しいインテリアデザイン

さかのぼること2018年、BMWはそれまでの6シリーズを新しい8シリーズへ置き換えた。2ドアクーペとコンバーチブルだけでなく、エレガントな4ドア・クーペもリリースし、大きなラグジュアリー・モデルとしての訴求力向上を目指して。

【画像】グリルにイルミネーション内蔵 BMW 8シリーズ・カブリオレ 競合上級オープンと比較 全139枚

果たして、ビッグ・スポーツカーとしての能力は高かった。同時に正直なところ、BMW 5シリーズの派生モデルのように感じられたことも嘘ではない。それまでの6シリーズと同様に。

今回、BMWは8シリーズへモデル中期のフェイスリフトを施している。満遍なくリフレッシュが図られているものの、従来の印象を払拭するまでには至っていないようだ。

最新版でも、筆者が8シリーズで課題だと考えているのがインテリア。用いられる素材や組み立て品質などに、非の打ち所はないといえる。しかし、レクサスLCやポルシェ911と比べると、デザインが少々地味に見えてしまう。実務的で華が乏しい。

デジタル技術満載の新しいメルセデス・ベンツSLクラスより、好ましいと感じる人はいるかもしれない。それでも、もう少し特別感を得ていた方が望ましいはず。レクサスLCを除いて、8シリーズの英国価格がライバルより低めに設定されているとしても。

光るキドニーグリル ディーゼルの840dは終了

インテリアへ大きな変更が加えられなかったことによる、メリットもある。インフォテインメント用モニターは、10.25インチから12.3インチへ拡大されつつ、iドライブシステムには実際に押せるショートカット・ボタンが残されたことだ。

その理由は、最新版の3シリーズやX5とは異なり、前バージョンのOSを引き継いでいるため。とはいえ充分に表示はモダンに見えるし、使い勝手は悪くない。エアコンにも独立した操作パネルが用意され、運転中の温度変更も難しくない。

ボディ回りでは、キドニーグリルのフィンにイルミネーションが追加されたが、想像するほど派手なわけではない。アルミホイールには、新しいデザインの選択肢が設定されている。英国仕様の場合、サイズはすべて20インチとなる。

ドアミラー・カバーは、上部にフィンが伸びたM850iと同じスタイルのものを獲得。ボディカラーには4色が追加されている。試乗車はその1つ、サンレモ・グリーンで仕上げられていた。

エンジンは、フェイスリフトでディーゼルターボの840dが廃盤になった。英国での選択肢は、後輪駆動で3.0L直列6気筒ターボを積む840iと、4.4L V型8気筒ツインターボのM850i xドライブ、そしてM8 コンペティションという設定に絞られている。

ボディスタイルは、2ドアのクーペと4ドアのグランクーペ、ソフトトップのカブリオレの3種類が選べる。今回試乗したのは、M850i xドライブのカブリオレとなる。

滑らかにパワーを生むV8ツインターボ

路上へボディを進めると、典型的なBMWらしい印象がうれしい。V8ツインターボエンジンは滑らかにパワーを生成し、クルージング時は厚みのあるサウンドを伴奏に、余裕を持って先を急げる。

スポーツ・プラスモードへ切り替えて右足へ力を込めれば、雷鳴のような轟音を響かせながら、地平線の彼方目掛けて突進し始める。エンジンの質感でいえば、レクサスLCの方が味わい深いかもしれない。だが、ZF社製の8速ATとの相性は抜群だ。

BMWは、8シリーズをスポーツカーだと断言している。確かに、ソフトトップを開いて郊外の一般道を飛ばしても、粗野な振動を生じないほどボディは硬い。操る充足感を伴う。

ただし、運転へ夢中になれるほど身軽なカブリオレではない。四輪駆動システムは、リアタイヤ側へ積極的にトルクを分配してくれるが、車重は2125kgあり、全幅は1902mmもある。ステアリングホイールへ伝わるフィードバックも薄い。

後輪操舵システムを備え、車重を意識させないような敏捷性は叶えている。駐車時の取り回しもしやすかった。アダプティブダンパーはボディの上下動を巧みになだめ、姿勢制御も優秀だ。

グランドツアラーとして惜しい乗り心地

グランドツアラーとして考えると、M850i xドライブは乗り心地で少々惜しい。恐らく、20インチという大径ホイールが主な原因だと思う。加えてピレリのランフラット・タイヤはサイドウォールが薄く、硬いことも一因だろう。

その結果、低速域では乗り心地が落ち着かない。舗装の剥がれた穴の存在も明確に伝えてくる。ロードノイズも小さいとはいえない。ウインドディフレクターを取り付ければ、高速域でも乱気流に悩まされず移動はできるが。

BMW 8シリーズには、もう少し特別感が欲しいと思ってしまう。試乗車の場合、英国価格が12万945ポンド(約1947万円)することを考えると、尚のこと。

V8ツインターボエンジンは、BMWらしく素晴らしい。とはいえ、手頃な価格の4シリーズ・カブリオレでも同等の広さの車内空間を持ち、インテリアの雰囲気で大きく劣ることはないことも、また事実ではある。

BMW M850i xドライブ・カブリオレ(英国仕様)のスペック

英国価格:12万945ポンド(約1947万円)
全長:4851mm
全幅:1902mm
全高:1346mm
最高速度:249km/h(リミッター)
0-100km/h加速:4.1秒
燃費:9.3km/L
CO2排出量:244g/km
車両重量:2125kg
パワートレイン:V型8気筒4395ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:530ps/5500-6000rpm
最大トルク:76.3kg-m/1800-4600rpm
ギアボックス:8速オートマティック

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