現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ついに日本から「ミラージュ」が消えちまった……効率化の波で「次に危うい」伝統車種を考えてみた

ここから本文です

ついに日本から「ミラージュ」が消えちまった……効率化の波で「次に危うい」伝統車種を考えてみた

掲載 76
ついに日本から「ミラージュ」が消えちまった……効率化の波で「次に危うい」伝統車種を考えてみた

 この記事をまとめると

■クルマの販売が低迷すると売れないクルマが増えて車種を減らさざるを得なくなる

最近「影が薄め」だったとはいえ消えるのは寂しい! 生産終了の「三菱ミラージュ」を振り返ったら超「熱いクルマ」だった

■2012年に発売された現行型ミラージュであったが、日本での販売が終了した

■すでに10年以上フルモデルチェンジをしていないモデルは今後の継続が危う鋳物が多い

 売れないモデルは消滅の危機にさらされている

 国内におけるクルマの売れ行きは、約778万台のピークを迎えた1990年以降、ほぼ一貫して下降を続けている。新型コロナウイルスの影響が深刻になる前の2019年が約520万台だから、1990年の67%であった。直近の2022年は約420万台で、1990年の54%になる。新型コロナウイルスが、以前から下降していた国内販売に追い打ちをかけてしまった。

 クルマの売れ行きが最盛期の半分近くまで減ると、車種の数も減らす必要が生じる。いまのクルマは、軽自動車など一部の商品を除くと海外でも売られるが、日本仕様を開発するにも相応のコストを要する。販売が低迷すると、売れないクルマも増えて、車種を減らさねばならない。

 メーカーが困るのは、すでに販売されながら、発売当初から売れ行きが伸び悩む車種だ。売れなければ国内販売を終了したいが、一定の台数を販売しないと、開発や営業関連のコストを償却できない。単純にいえば赤字になる危険も生じるから、一定の台数に達するまで生産と販売を細々と続ける。

 また、販売台数が少なくても一定の根強い需要がある場合は、販売を続けるほうがメリットになる。そこで設計の古いクルマが存続することもある。

 それでも各種の法規や規制が変わると終了することが多い。法規対応に要するコストと、その後にラインアップを続けることによる利益を比べて、対応しない判断をすることもあるからだ。

 たとえば最終型の三菱ミラージュはタイ製の輸入車で、2012年に日本国内で発売された。その法規対応が困難になり、日本仕様の生産を終えた。

 2023年5月上旬時点で、三菱の国内のホームページからは削除されている。

 モデルライフサイクルが10年を超えているクルマは危うい

 これから国内販売を終える可能性が高いのは、現行型の登場から10年以上を経過した車種だ。途中で規模の大きな改良を実施しない限り、発売されてフルモデルチェンジを受けずに10年を超えると、ユーザーが別の車種を購入して、乗り替え需要を見込みにくくなってしまう。

 たとえばトヨタ車の場合、最終型ヴィッツは2010年に登場して、10年後の2020年にヤリスに切り替わった。アクアも初代(先代)モデルは2011年に発売され、2021年に2代目の現行型になった。前述の現行ミラージュも2012年の発売だから、日本では10年で終了した。フルモデルチェンジの周期が長い悪路向けのSUVや商用車を除くと、10年が限界なのだ。

 そうなると、日産エルグランドは2010年の登場だから13年目に入った。ハイブリッドも用意されず設計が古くなり、2022年の1カ月平均登録台数は200台を下まわる。今後、フルモデルチェンジする噂もあるが、もはや従来型からの乗り替え需要は望みにくい。

 同じミニバンでも三菱デリカD:5は、2007年に登場しながら2019年にフルモデルチェンジ並みの変更を施して、2022年には1か月平均で約1400台を登録した。この売れ行きは、設計の新しい現行アウトランダーと同程度だから、車種の性格や改良の仕方次第で、設計が古くても売れ行きを高く保つことは可能だ。

 SUVではマツダCX-3が挙げられる。2015年の登場だから極端に古くはないが、2019年に発売されたCX-30が実質的な後継車種と受け取られる。いまのCX-3は、1.5リッターエンジン搭載車を192万5000円から用意して割安感を訴求している。それでも今後の動向は分からない。

 このほかLサイズの3列シートSUVのマツダCX-8は、2017年の登場だから古くはないが、「今後登場するCX-80と入れ替えに消滅する」という。

 その一方でマツダ6は、2012年の発売だから10年以上を経過したが、後輪駆動のプラットフォームを使って今後フルモデルチェンジを行う。

 レクサスISも、2013年の登場だから約10年を経過するが、今後の動向は分からない。

こんな記事も読まれています

トヨタ新型「カローラ“FX”」公開! 純正ローダウン&ド迫力「リアスポ」採用! レトロで“スポーティ”な「スペシャルエディション」! アメリカに登場した「新セダン」どんなモデル?
トヨタ新型「カローラ“FX”」公開! 純正ローダウン&ド迫力「リアスポ」採用! レトロで“スポーティ”な「スペシャルエディション」! アメリカに登場した「新セダン」どんなモデル?
くるまのニュース
[car audio newcomer]ダイハツ アトレー・デッキバン(岩田達也さん)by ピットハウスコスギ 前編
[car audio newcomer]ダイハツ アトレー・デッキバン(岩田達也さん)by ピットハウスコスギ 前編
レスポンス
『いとうみゆきのクルマのおうち旅』が電子書籍化…ホンダアクセス「カエライフ」連載
『いとうみゆきのクルマのおうち旅』が電子書籍化…ホンダアクセス「カエライフ」連載
レスポンス
重量わずか48g! 最大120時間点灯するポーチランタン「HEXAR UL1.5」が登場
重量わずか48g! 最大120時間点灯するポーチランタン「HEXAR UL1.5」が登場
バイクブロス
“軽トラック”の素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない
“軽トラック”の素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない
Merkmal
「知らなきゃ損!?」 スマートキーの“意外な”便利機能! 「車内にカギ忘れた!」うっかり“インキー”の原因は?
「知らなきゃ損!?」 スマートキーの“意外な”便利機能! 「車内にカギ忘れた!」うっかり“インキー”の原因は?
くるまのニュース
ミニバンやSUVの形は「クルマの原点」! ゆえにセダン人気が復活することはないが存在価値はある
ミニバンやSUVの形は「クルマの原点」! ゆえにセダン人気が復活することはないが存在価値はある
WEB CARTOP
グレー&シアンで「MTシリーズ」の世界観を表現、ヤマハ『MT-03』『MT-25』2025年モデル発売 
グレー&シアンで「MTシリーズ」の世界観を表現、ヤマハ『MT-03』『MT-25』2025年モデル発売 
レスポンス
KINTOから、LEXUS ISをアップグレードする「Performance Upgrade “Solid” for IS」が発売
KINTOから、LEXUS ISをアップグレードする「Performance Upgrade “Solid” for IS」が発売
月刊自家用車WEB
KINTO、走行安定性をアップグレードする「士別フィン」を発売
KINTO、走行安定性をアップグレードする「士別フィン」を発売
月刊自家用車WEB
40年の歴史を持つ伝説的なハイパフォーマンスセダンは7世代目に! 新型「BMW M5」がデビュー
40年の歴史を持つ伝説的なハイパフォーマンスセダンは7世代目に! 新型「BMW M5」がデビュー
LE VOLANT CARSMEET WEB
SP忠男から Z650RS(’24-)用フルエキ「POWERBOX FULL 2in1ステンポリッシュ」が発売!
SP忠男から Z650RS(’24-)用フルエキ「POWERBOX FULL 2in1ステンポリッシュ」が発売!
バイクブロス
三菱「新型デリカ」発表近い!? 超ビッグ&タフな「SUVミニバン」発表で「出たら即買う」の声! 度肝抜く「D:X」登場で期待ヒートアップ!?
三菱「新型デリカ」発表近い!? 超ビッグ&タフな「SUVミニバン」発表で「出たら即買う」の声! 度肝抜く「D:X」登場で期待ヒートアップ!?
くるまのニュース
「e-BIKE」ってなに? ペダル付き電動バイクとの違い
「e-BIKE」ってなに? ペダル付き電動バイクとの違い
バイクのニュース
モータージャーナリスト修行中のZ世代クルマ好き女子がトムスの本物フォーミュラカーFIA-F4を初体験してきた件
モータージャーナリスト修行中のZ世代クルマ好き女子がトムスの本物フォーミュラカーFIA-F4を初体験してきた件
カー・アンド・ドライバー
アウトドアを楽しもう…アンダーソン・パークとコラボ、「ワールド・ミュージック・デイ」でレクサス GX を起用した映像公開
アウトドアを楽しもう…アンダーソン・パークとコラボ、「ワールド・ミュージック・デイ」でレクサス GX を起用した映像公開
レスポンス
カッコよさ重視のデザインに!! 燃費29km超えの[カローラツーリング]はハンドリングが抜群!
カッコよさ重視のデザインに!! 燃費29km超えの[カローラツーリング]はハンドリングが抜群!
ベストカーWeb
【BYD シール】「売れるかは未知数」縮小する日本のセダン市場で、中国のEVはどう戦うのか
【BYD シール】「売れるかは未知数」縮小する日本のセダン市場で、中国のEVはどう戦うのか
レスポンス

みんなのコメント

76件
  • CX-3の後継がCX-30?
    CX-3のシャシはMAZDA2(旧デミオ)でCX-30のシャシはMAZDA3(アクセラのFMC)。
    MAZDA2がFMCするとき廃止になるか継続するかはわからんのじゃねーの。車名は変わるかもしれないけど。
    少なくともCX-3の後継はCX-30では無いと思うが。
  • ネガティブな事しか書けないんだね
    復活するモデルもあるんじゃないの?
    日本の車に未来は無いってかw
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村