■新型フェアレディZの元となったS30&Z32ってどんなクルマ?
2020年9月16日、日産は日本を代表するスポーツカーである「フェアレディZ」のニューモデルを示唆するプロトタイプを公開しました。
発売時期はまた明らかになっていませんが「内外装のデザインを刷新するとともに、V6ツインターボエンジンとマニュアルトランスミッションを組み合わせたパワートレインを搭載」としています。
【画像】新型Zの全貌はこれだ! 新しいZをささっと見る(45枚)
日産のデザインを統括するアルフォンソ・アルバイザ氏は「初代S30型のシルエットやフロント&リヤのアイコニックなモチーフを受け継いだ」「リヤのデザインは、S30やZ32型などいくつかの歴代Zが持つテールランプからインスピレーションを得たデザインテーマを現代流にアレンジ」と、意匠にかつてのフェアレディZへのオマージュが含まれていることを説明。
具体的には半円のヘッドライト、中央が膨らんだボンネットフードにS30、水平な発光部を並べたテールランプにZ32の面影を強く感じることができます。
ところで、そんな次期フェアレディZにも強い影響を与えている、「S30」や「Z32」とはどんなクルマなのでしょうか。
S30は「フェアレディZ」としては初代となるモデルで、1969年に発売されました。
スポーツカーの主要マーケットであるアメリカ市場をメインに据え、魅力あるスタイルや欧州のスポーツカーに匹敵する走行性能を備えることを目標として開発。
北米市場において、日産(当時は「ダットサン」ブランド)の認知度を高めるべくイメージリーダーとなる役割のスポーツカーが欲しいという現地からの声を受けて作られたクルマでした。
デザインはロングノーズ&ショートデッキの古典体なスポーツカースタイルで、後席のない2人乗りと、後席のついた「2by2」を設定。
その長いボンネットフードの下に収まるエンジンは全車とも直列6気筒自然吸気で、排気量はリッターから2.8リッターまで用意されました。
動力性能においてトップに立つ「Z432」には当時のスカイラインGT-Rと同じ「S20」エンジンが積まれ、160馬力を発生。
2.4リッターエンジンを積んだ「240Z」は1971年のサファリラリーで総合優勝を収めるなど、モータースポーツでも大活躍しました。
そんな初代フェアレディZの「S30」は海外において、日産車のイメージを飛躍的に高めたモデルなのです。
S30は、美しいスタイルと高い走行性能を持つうえに、アメリカ車や欧州車に比べて格段に安い価格もあって北米で大ヒットします。
1978年に生産を終えるまでに50万台を超える車両が作られ、そのうち9割ほどを輸出。なかでも北米では今なおファンが多く存在し、伝説的なクルマとなっているのです。
■バブルを象徴する豪華なZ32とは
一方の「Z32」は、1989年に発売された4代目モデル。スタイリングはそれまでのフェアレディZに対して大変革をとげ、キャビンフォワードのモダンなプロポーションとなりました。
エンジンは排気量3リッターのV型6気筒で、230馬力の自然吸気仕様と280馬力のターボ仕様を設定。後者の最高出力は当時の日本車として頂点に立つものです。
その後、長きにわたって続いた「国産自動車メーカーの280馬力自主規制」はこのフェアレディZの最高出力が基準となったことは有名です。
Z32を語るうえで外せないのが、背景にある「バブル経済」と呼ばれ歴史上もっとも日本が富んでいた当時の日本の好景気でしょう。
クルマの開発や車体構造に今ほど“効率”を求められることがなかったので、Z32はプラットフォームが専用設計、エンジンも実質的に専用設計(狭いエンジンルームに収めるための他車用のVG30型とは大きく異なる)と、当時としても異例で今では信じられない贅沢な作りになっているのです。
数が多く出るわけではないスポーツカーにもかかわらず、走行性能を極めるために、広範囲で専用設計とすることが許されたのでした。
また、チタン製のキーを用意するなど、メカニズム以外でも細部にわたって贅沢を感じさせ、話題となりました。
現在、スポーツカービジネスは世界的に冬の時代を迎えていて、自動車メーカーにとって手堅く儲けを出せるジャンルとはいえません。
しかしながら、ブランドのイメージを高めるという役割を与えてニューモデルを開発し販売することは、スポーツカー愛好者はもとより多くのクルマ好きにとっても喜ばしいことではないでしょうか。
デザインにノスタルジィを織り込んだ次期フェアレディZは、かつてのZファンにも大きな話題を提供することになるのは間違いなさそうです。
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