この記事をまとめると
■オークション史上最高値がついたのは1962年式フェラーリ250GTOの4840万5000ドル
【お宝】もしも車庫に眠っていれば高値が付く超人気の中古車4選
■フェラーリクラシケによる認証がフェラーリの価格高騰を招いている
■日本車で人気があり価格上昇しそうなのはトヨタ・ランドクルーザーシリーズ
常人では理解し難い価格が飛び交うオートオークション
世界の各国で開催されているオートオークション。そこでは何億円、何十億円という驚異的な数字で取り引きされるモデルも多数ある。
出品車が出品車であるだけに、これらを扱うオークショネア(オークションハウス)は、こちらも名門の誉れ高き一流の会社。一例をあげるのならば、かねてからオート・オークションでは有名だったRMオークションは、世界最古のオークショネアとされる、あのサザビーズからの買収案を受け入れ、現在ではRMオークションとして、常に大きな話題を世界に向けて発信している。
そのRMサザビーズから発信されたニュースのなかでも、近年特に大きな話題となったのは、2018年8月、アメリカ・カリフォルニア州ペブルビーチで開催された、「ペブルビーチ・オークション」で行われた、1962年式フェラーリ250GTOのオークションだった。
ちなみにその落札価格は4840万5000ドル(現在のレートで換算すると54億2136万円、以下同)。4年前には同じく1962年式の250GTOが、イギリスのボナムス社によって3811万5000ドル(42億6888万円)で落札されているから、オークションの世界におけるもっとも高価なクルマは、どうやらフェラーリの250GTOと考えてよさそうだ。
ちなみにこの250GTOには、あくまでも未確認情報ではあるが、個人間売買では70億円以上で売買された例があるとの噂もある。
レースでの記録や有名人オーナーなどで価格は大きく変動する
なぜフェラーリ250GTOはここまで落札価格が高騰するのか。それはまずフェラーリというブランドの持つ圧倒的なバリュー、さらにそのなかでもそれを象徴するわずかに36台が生産されたのみの、そして当時の国際マニファクチャラーズ選手権のGTクラスにおける戦績にも人気の理由がある。
250GTOは1962年と1963年の両年に生産されるが、1964年にはスタイルを大きく改良した進化型、250GTO64も誕生。当時のホモロゲーションでは、連続した12か月に100台以上の生産が必要とされていたが、この一連の250GTOシリーズは、あくまでも前身となった250GTO SWBの正常進化型という扱いだったのだ。
高額な自動車の落札価格は、その時点での経済状態を大きく反映する。たとえば前で紹介した50億円オーバーで落札された250GTOも、その前にオークションに登場した2000年1月での落札価格は約8億4000万円にとどまっているし(それでも十分に恐ろしい金額だが)、フェラーリではほかに、250GT SWBや275GTB/4のアルミニウムボディ、250テスタロッサなども常にスーパーリッチからの熱い視線を集めるモデルとなっている。車両のコンディションはもちろん、レースでのリザルトや、前オーナーが有名人であったかなどの要素でも落札価格は動く。
そして、ここ数年のオークション・シーンでフェラーリの価格高騰を招いているもうひとつの重要な要素が、同社のクラッシック部門である、フェラーリ・クラシケによる認定やレストア作業だ。クラシケからの認定書は、いわばそれは正真正銘、マラネロから出荷された時と同じスペックを持つ本物であることを示すもの。それによって、そしてオークショネアの伝統と信頼によって、買い手は安心して出品車に入札ができるというわけなのだ。最近のコロナ渦で行われたオンライン・オークションも、これらの安心材料がなければ決して成功することはなかっただろう。
オークションの落札価格で上位にランクされるのは、もちろんフェラーリだけではない。デューセンバーグやシェルビー、そしてメルセデス・ベンツといったブランドも常に注目を集めているし、アストンマーティンやマクラーレンF1、そしてポルシェ、ランボルギーニ等々もオークション・シーンでは常に大きな話題となる。
一方日本車はというと、一番人気なのはランドクルーザー・シリーズ。ここ数年での価格の上昇は、これからも続きそうな気配だ。
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