もはや600km超えは当たり前?
初期の電気自動車(EV)は、1回の充電でそれほど遠くまで走ることができず、バッテリーを充電する方法も限られていた。しかし、バッテリーとモーターの研究開発が進んだおかげで、ガソリン車に匹敵する航続距離のEVも現れるようになった。
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例えば、初代日産リーフは当時、主にアーリーアダプターが購入するEVだった。航続距離は160kmで、家庭用コンセントからの充電に8時間かかった。
現在販売されている安価なEVの中には、初代リーフの2倍以上の航続距離と、はるかに高速な充電を実現したものもある。
実際、600kmの壁を突破したモデルも多い。英国で販売されているEVの中で最も航続距離が長いのはメルセデス・ベンツEQSで、700kmを超えている。
ここで引用した数値は、欧州WLTPテストサイクルによるメーカー公称値である。実走行では、どのクルマも公称値をコンスタントに達成する可能性は低いということを覚えておい欲しい。
では本題に入ろう。最も航続距離が長いのはどのクルマか? 10台を紹介する。
1. メルセデス・ベンツEQS
長所:後輪操舵による驚くべきアジリティ、長距離走行も難なくこなす、優れた加速性能
短所:巨大なハイパースクリーンは走行中に使いづらい、低速域での洗練性に欠ける、インテリアの質感に疑問
航続距離:770km
メルセデス・ベンツEQSセダンのゼリービーンズのようなスタイリングは物議を醸しているが、これは見た目よりも機能的な側面が大きい。EQSの空気抵抗係数を表すCd値は0.20で、現在生産されているEVの中で抜群で、航続距離に大きく貢献している。
EQS 450+ AMGライン・プレミアムの場合、公式には1回の充電で770kmの走行が可能である。また、最大200kWでの充電が可能で、10~80%の充電に30分もかからない。
2. フォルクスワーゲンID.7
長所:広い室内、他のVWと比較してインテリアの質感が高い、タッチスクリーン・インフォテインメント・システムの使い勝手の良さ
短所:同クラスのBYDやテスラより高価、ハンドリングが車重を物語っている
航続距離:700km
ID.7は事実上、人気のパサートと同クラスのEVであり、フォルクスワーゲンの次世代EVの意思表示でもある。
効率性を高めた新しい「AP550」リアモーターを導入し、大型のプロSバッテリーを搭載により航続距離は700km、充電出力は最大200kWとなる。
ID.7ツアラーと呼ばれるステーションワゴン仕様もあり、航続距離は約15km短くなるが、実用性は高い。後部座席を倒すと、なんと1714Lものスペースが確保される。
3. プジョーe-3008
長所:優れたインテリアデザイン、新鮮でモダンな素材、静かで洗練された走り
短所:ライバル車に比べて高価、ハンドリングが鈍い、硬めの乗り心地
航続距離:680km
プジョーの最新世代3008は、他のモデルラインとの差別化を図るため、クーペSUVに変身した。
親会社ステランティスの新しいSTLAミディアム・プラットフォームをベースにした最初の量産車で、エネルギー効率を重視している。
実際、e-3008は7.2km/kWhという高効率を実現し、98kWhのバッテリーを搭載したモデルは1回の充電で680km走行できる。
ただし、充電速度は160kWが上限で、クラス最速というわけではない。
4. ポルシェ・タイカン
長所:卓越したハンドリングとドライビングの魅力、速さ&性能&航続距離&価格の絶妙なバランス、高速DC充電
短所:後部座席は大人には窮屈、標準の充電ケーブルがかさばる、信頼性への懸念
航続距離:680km
ポルシェ初の量産EVは最近、大幅なアップグレードを受け、新しいリアモーターによってパワー、トルク、効率が向上した。バッテリーも改良され、内部抵抗を下げる新技術が採用された。
その結果、航続距離は大幅に改善され、105kWhのパフォーマンス・バッテリー・プラスを装着したモデルは680kmを実現した。
さらに、タイカンのモデルライン責任者であるケビン・ジーク氏は、サーキット走行に特化した新型タイカン・ターボGT(最高出力1108ps)は、軽量化によりこれを上回る可能性があると述べている。
5. ポールスター2
長所:巡航時の効率と航続距離が優秀、後輪駆動のシャシーバランスとパンチの効いた加速性能、サイズ&広さ&多用途性のちょうどいい妥協点
短所:他の電動クロスオーバーに比べて狭い、同じ価格帯ならもう少し航続距離を伸ばしてほしい、不安定な乗り心地
航続距離:653km
このスタイリッシュな電動クロスオーバーは最近、マイナーチェンジの一環として前輪駆動から後輪駆動に駆動方式を切り替えた。
また、バッテリー容量が4kWh追加されたことで、ロングレンジ仕様の航続距離はなんと653kmに伸びた。これはライバルのテスラ・モデル3ロングレンジ(630km)やBMW i4 eドライブ40(590km)を上回るものだ。
最大充電速度も150kWから205kWに引き上げられ、AUTOCAR英国編集部のテストでは平均124kWを達成した。
6. テスラ・モデルS
長所:高効率ゆえの長い航続距離、実用的で充実した装備、驚異的な加速性能
短所:ハンドリングの繊細さに欠ける、左ハンドル車しかない、使い勝手に難あり
航続距離:652km
テスラ・モデルSは量産EVとしては初期のものだが、数々のアップデートにより、競合車と対等に渡り合っている。
ツインモーター仕様は、0-97km/h加速3.1秒というスーパーカー並みのスピードで駆け抜け、なおかつ一充電での航続距離は652kmだ。
トライモーター仕様のプラッド(写真)は約25km短いが、加速性能はこれまでに生産されたクルマの中で最速クラスだ。
ただし、モデルSは現在、左ハンドル車のみが生産されている。
7. ポールスター3
長所:運転が楽しい、広い室内、ライバル車より安い
短所:低速域でのもたつき、タッチスクリーンへの依存度が高い、ボルボと似たようなインテリア
航続距離:650km
ポールスター3は、ユニークで魅力的いっぱい、そして非常にお勧めできるクルマだ。
他のクルマにはない外観とフィーリングを持ち、航続距離の長さと充実した標準装備を考えれば、コストパフォーマンスは十分と言える。
それだけでなく、快適性、速さ、適度なハンドリング性能がうまく調和している。ただし、スポーツカーではない。
でも、それでいいのだ。なぜなら、シングルモーターのロングレンジ仕様は640km以上走るはずだからだ。そして結局のところ、EVでは純粋なドライビングの楽しさよりも航続距離の方が重要なのだ。
8. メルセデス・ベンツEQS SUV
長所:優れた効率と巨大バッテリーによる長い航続距離、ロングドライブでもリラックスできる、非常に広い
短所: 7人乗りとしての多用途性や高級車らしい豪華さはない、低速域での乗り心地はかなり悪い、非常に高価
航続距離:645km
EQSのセダンを “ジャッキアップ” し、さらにラグジュアリーテイストを注入したのがEQS SUVだ。狭い駐車場での操縦には後輪操舵が欠かせない、巨大な野獣である。
118kWhの大容量バッテリーを搭載し、航続距離は645kmに達する。充電速度はEQSセダンの200kWと同等だ。
9. テスラ・モデル3
長所:価格の割に航続距離が長い、扱いやすい、高いアジリティ
短所:不安定な乗り心地、物理コントロールが少ない、「オートパイロット」の安定性に欠ける
航続距離:630km
テスラ・モデル3は驚くほどお買い得だ。最も安価で仕様であっても、セダンとしての実用性、印象的なパフォーマンス、適度なハンドリング・ダイナミズムが融合しており、優れたオールラウンダーとなっている。
もちろん完璧ではない。室内にボタンがないことに戸惑う人も多いだろうし、ツインモーター仕様のスーパーカーに迫る加速性能にもかかわらず、総合的なダイナミクスは高水準には達していない。
ツアラーとしても快適性には欠ける。ロングレンジ仕様では630kmを走れるのだから、これは残念なことだ。
しかし、日常的に運転するのに楽しいクルマであることは確かだ。優れた航続距離により、さまざまな人に魅力的な選択肢となるだろう。
10. BMW i7
長所:インテリアの豪華さ、広さ、パワフルでスムーズかつ静か
短所:「塊から削り出した」ようなデザインは洗練さに欠ける、実走行距離は480km以下で少々不安が残る、手頃な価格はもはや過去のものだ。
航続距離:620km
メルセデス・ベンツEQSに対抗するBMW i7は、航続距離ではEQSに及ばない。1回の充電で620kmを走行可能だ。
とはいえ、現在販売されているどのクルマよりも素晴らしい乗り心地を持つ、印象的なラグジュアリーカーである。
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