新車のオプション装備のなかでも、高額なオプションの筆頭であるメーカー純正のナビゲーション。高級車ではナビが標準装備となっていることもあるが、メーカーオプションもしくはディーラーオプションとなっている場合がほとんど。ただでさえ高くなっている新車価格がさらに数十万も高くなるのだから、本当にそれだけの価値があるのかは知りたいところ。純正ナビゲーションは本当に必要なのだろうか。
文:吉川賢一
アイキャッチ写真:Adobe Stock_あんみつ姫
写真:Adobe Stock、写真AC、MITSUBISHI
軽なのに…? 軽だからこそ…? 30万円超の「高額ナビ」は本当に必要か
道案内だけでいえば、スマホで十分
紙のマップからカーナビゲーションシステム(以下カーナビ)へ本格的に移行したのは1990年代後半のこと。いまでは新車のほとんどにカーナビが標準搭載もしくはオプションで用意されており、ちょっと遠出をする際にはカーナビは必須、という人も少なくないのではないだろうか。
かつてのナビゲーションシステムは、メーカーオプションナビ、ディーラーオプションナビ、社外製ナビの3つに大別できた。メーカーオプションナビは、車両製造の過程で組み込まれるもので、ディスプレイを通してナビ以外のさまざまなコントロールを行う役割をもち、テスラ車のようにエアコンから車両設定までほぼすべてのコントロールをディスプレイで行うクルマも増えている。また最初からデザインにも含まれているため、インテリアとしての「収まり」りがいい。20万円以上と割高となりがちで、車両契約時に選択しておかないと、後付けをすることは原則できない。
ディーラーオプションナビは、納車時や購入した後に、販売店で装着してもらうもの。オーディオやテレビ、ブルーレイ、DVDなど、エンタメ要素のコントロールは可能だが、車両設定をコントロールすることは想定されていない(後付ドライブレコーダーの映像を表示するなどは可能)。機能の違いや液晶の大きさによって、10万円台で買えるものから30万円台の高機能なものまで、ラインアップは様々ある。もっとも安いのは、社外製のナビだ。相場は7インチ液晶サイズで7~8万円、10インチで12~15万円程。車外にも持ち運んで使えるよう、簡単に取り外しが可能なポータブルナビなどもあるのが特徴だ。
ただ昨今は、スマホの地図アプリをナビゲーションとして利用するユーザーが増えている。クルマ側にディスプレイが用意されていれば、Apple Car PlayやAndroid Autoをディスプレイに表示させることでほかのカーナビと変わらない使用感となるし、ディスプレイがなくても、iPhoneでいえば、「PRO」だと6.1インチ、「MAX」で6.7インチと、正直なところナビ画面としては十分であり、本体をダッシュボード上に固定してしまえば、問題なくナビとして使える。アプリは無料で利用可能だし、地図データ更新は勝手になされているので、カーナビのように、有料で地図データの更新をする、ということもない。
なかには、「カーナビの地図が古くなってきたから、カーナビついてるけど、ナビはスマホをつかっている」という人もいるのではないだろうか(PHOTO:Adobe Stock_Jerome)
メーカーとしては、あらゆる選択肢を用意せざるを得ない
スマホさえあれば、道案内に関しては高額なカーナビと利便性は変わらない(むしろスマホのほうが最新情報を入手しやすい)ということについて、自動車メーカーはどう考えているのか(スマホのナビアプリ+ディスプレイで十分なのではないか)。
先日参加させていただいた、三菱デリカミニの取材会で、三菱の車両企画担当者に訪ねたところ(ちなみにデリカミニには、ディーラーオプションで9インチナビ(約26万円)が用意されており、純正ディスプレイオーディオは12万円、CDチューナー3.5万円で用意されている)、メーカーオプションやディーラーオプションのカーナビは、ナビ以外の機能も盛り込まれているため、どうしても高額となってしまうことは承知しており、ケータイとディスプレイ方式にしてコストを抑えたい、という意見は社内にもあるという。
ただ、スマホをもっていない(もしくはうまく使いこなせない)ユーザーも少ないながらにいることや、メーカー純正という安心感から、たとえ高額でもよいから純正ナビが欲しい、という人もいるなど、純正ナビの需要は低くないという。また、カーナビは不要と考えるユーザーも多いことから、(スマホ利用を想定した)ディスプレイの標準搭載もできないそう。
メーカーとしては、事情の異なるお客様に合わせるよう、想定される設定はすべて用意せねばならないというのが現状とのこと。これらの状況はどの自動車メーカーも同じであろう。
デリカミニのオリジナル9型ナビゲーション(25万9050円)。ETC2.0とドライブレコーダーのセットになると、36万9820円にも(価格はすべて2023年7月初旬時点)
純正ナビには「道案内」以外にも利点がある
このように方策を一つにしぼらず、選択肢を用意してくれていることには、ユーザーにとってうれしいこと。また、たしかに「道案内」だけであればスマホで十分ではあるのだが、スマホや外付けのナビでは、多機能となったインフォテイメント機能を使うことができないし、運転席からタッチしやすく設計されている使い勝手の良さも味わうことができない。また、純正ナビは保証期間も長い(3年)など、クルマと一体になっている純正ナビだからこその良いところもある。割高な価格がネックではあるのだが、実際、新車購入する人の多くが、純正ナビを購入しているといい、それだけの価値を感じている人は多いのだろう。
ただ、30万円とか40万円、もしくはそれ以上となる、高額のナビを含めたパッケージ販売には、無理があるように思う。筆者も1年前に購入したノートオーラで、プロパイロットが欲しかっただけなのに、およそ42万円のナビセットパッケージ(カーナビ、プロパイロット(ナビリンク付)、BOSEスピーカー(ヘッドレストスピーカー付)、ETC2.0、ステアリングスイッチ等)をつけざるを得なかった。内容を考えたらお買い得ではあるのだが、正直不要な装備もある。できればこの点についても、ユーザーが選択できるようにしてほしい。
クルマに乗り込んで、スマホを取り出して接続することもなく走り出せるのは便利。走行中に振動で落ちてしまう心配もなく、ドライバーが運転中により見やすくなる配慮もある(PHOTO:Adobe Stock_show999)
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みんなのコメント
本体価格が高いから、オプションの金銭感覚がユルユルになるよね。
普段なら1万円のモノを買うのに悩むのに、
クルマや家のオプションなら10万円でも悩まない、とかね。
そーゆーヒトをアテにした商法だと思う。