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実は俊作ワゴンだった!? 惜別ジェイド 隠れたホンダの佳作が生産終了に!

掲載 更新 53
実は俊作ワゴンだった!? 惜別ジェイド 隠れたホンダの佳作が生産終了に!

 ホンダ ジェイドが生産終了となることが明らかになった。

 ホンダ広報部に確認したところ、「ジェイドは2020年7月に生産終了となります。すでに販売店にも案内を出しています。(生産中止の理由は)事業性を考え、日本のラインナップを再検討した結果です」とのことだった。

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 なにせジェイドは、とことん売れなかった。これだけ売れなければ、消滅やむなしである。

 しかし、ジェイドの車としての評価は思いのほか高かった。そこで、本稿では車生を終えるジェイドに惜別の想いを込め、「ジェイドを高く評価している」という清水草一氏に、その魅力を解説してもらった。

 嗚呼ジェイド、君は確かに人気を得られなかったが、素晴らしい車だった。ありがとう、ジェイド!

文:清水草一
写真:編集部、HONDA

【画像ギャラリー】3列目は激狭!? ホンダ ジェイド「写真」が物語る割り切りの美学と秀逸デザイン

ストリーム消滅の穴を埋めるべく登場した悲運のジェイド

日本では2015年2月に発売されたジェイド。発売当時は3列シート仕様のみで、パワートレーンもハイブリッドのみだった

 もともとジェイドは、中国市場をメインに開発されたグローバルカーで、日本市場への投入は、ストリーム消滅の穴を埋めるため。

 ストリームが消滅したのも販売不振が原因で、そもそも全高の低いスポーティタイプのミニバンは、国内では完全に市場を失っていた。そこに、ストリームよりサイズが大きく価格も高いジェイドを投入しても、売れないであろうことは予想できたんじゃないか……とは言える。

 あまりの販売不振により、2018年には2列シートのステーションワゴンタイプが導入されたが、国内ではステーションワゴン市場も微々たるものになっているから、これが起爆剤になるはずもなかった。

 しかし、個人的な嗜好ではありますが、私はジェイドが大好きだった。最初に試乗した時から強く惹かれ、真剣に購入を検討したくらいだ。価格を見た瞬間に「高すぎる!」と思い、結局買いませんでしたけど……。

実はジェイドが魅力的である2つの理由

ジェイドハイブリッド。かつてのステーションワゴン型ミニバン的で、ワゴンとミニバンの中間ともいえる伸びやかなフォルム

 なぜジェイドに魅力を感じたか。第一の理由はデザインだ。

 ジェイドは、ミニバンとしてはぶっちぎりに速そうなフォルムを持っており、非常に格好良い。ホンダはかつて、アコードエアロデッキやアヴァンシアというクルマを作ったが、ジェイドのフォルムはその発展形であり完成形である!

 フォルムは完ぺきな流線形で、しかもリヤフェンダーの豊かなふくらみが、大地に踏ん張る感を強く醸し出している。斜め後ろから見た姿には惚れ惚れする。

 ひょっとしてジェイドは、歴代ホンダ車の中でも、指折りにデザインの優れたクルマだったのではないか。少なくとも初代・2代目ストリームとは、比べ物にならないほど美しい。

3列目シートは画像のように頭上空間が厳しく緊急用的な位置づけだが、大人4人で使えば居住性や積載性能も充分で優れたワゴンだ

 パッケージングも秀逸だった。ジェイドは、「3列目シートがメチャメチャ狭い」と酷評され続けたが、そもそもミニバンの3列目なんて、そんなにしょちゅう座るもんですか? 実態としては「たまに」じゃないですかねぇ。ならこの程度で充分。

 しかもその3列目シート、しっかり床下に収納できるのである。そのまま一度も使わなくたってぜんぜんかまわない。

 2列目の贅沢なキャプテンシートが、V字型に前後スライドするのもカッコよかった。めいっぱい後ろに下げると、シートがセンターに寄る。するとフロントガラスを通して前方視界が良くなって、後席の乗員も気持ち良い。

 4人乗り+αとして使えば、実にステキなパッケージングだったのである。逆に5人乗りのステーションワゴン仕様については、特にイイとも何とも思いませんでした。

ジェイドは素晴らしいハンドリングワゴンだった!

遅れて追加された1.5Lターボエンジン搭載車のジェイド「RS」。動力性能も申し分なかった

 そしてそしてジェイドは、ハンドリングがすばらしくよかった!

 最初に投入されたのは、先代フィットと同じ1.5Lハイブリッドのみだったが、走り出した瞬間から「おおっ!」と唸りましたよ。

 低重心がもたらすステアリングの正確性がすばらしくて、思い通りにクルマが動く! その感覚がキモチイ~~~! サスペンションもしなやかスポーティで、1列目と2列目シートに座る限り、絶妙の味付けだった。

 ジェイドのハンドリングは、現行ホンダ車のFF系の中では、今でもNo.1クラスじゃないだろうか。ホンダは、日本におけるFFのパイオニア的存在だが、ジェイドのハンドリングは、その集大成と言っても過言ではない。

 ジェイドは車重が1500kg前後もあったので、1.5のハイブリッドじゃ動力性能的には物足りなかったけれど、後に追加された1.5ターボ搭載の「RS」なら、その点も充分満足。走りを諦められない昭和世代にとって、かなり理想的なファミリーカーだったのである! 

 もしもジェイドが1990年代にリリースされていれば、かなりヒットしたのではないか? もちろんヒットする・しないは価格に大きく左右されるので、あの価格じゃいずれにせよダメだけど、コンセプトは実にすばらしかった。生まれたのが20年遅かった……。

海外では販売継続? 今後はどうなる

出てきた時代が悪かったか…。海外も含めたホンダ ジェイドの行く末や如何に!?

 ところでジェイドは、もともと中国市場向け。日本での生産は終了するが、中国ではどうなのか。

 それについての発表はまだないが、中国を含む海外ではSUVがウルトラ全盛で、ミニバンやステーションワゴン需要は非常に限られたものになっている。中国で売れているのは、ホンダでいえばシビック、アコード、そしてCR-VなどのSUVが中心だ。

 それを考えると、ジェイドが近いうち、中国でも消滅する可能性は高いだろう。

【画像ギャラリー】3列目は激狭!? ホンダ ジェイド「写真」が物語る割り切りの美学と秀逸デザイン

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  • 4人家族の初期型ガソリンRSのオーナーです。走り/足周りはどこでも言われているようにかなり良い感じで、毎月行く家族でのキャンプに行く積載力あり、6人乗りも1時間以内ならいけるので年に数回のおじいちゃんおばあちゃんを乗せての食事もこなせる、燃費はリッター14、排気量1500なので維持費も安いスーパーワゴン/ミニバンです。
    めちゃ良い車ですが時代なのでしょう。ほんとに残念。
  • とりあえず、背の低いミニバンの終焉だろうね。
    よくある事なんだけど、なくなってから文句言うなよ!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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