■ホンダのスペシャリティクーペは成功するのか
ホンダの「プレリュード」の復活が継続的に話題となっています。昨年の「ジャパンモビリティショー 2023(JMS2023)」において公開された新型「プレリュードコンセプト」のことです。
その中身は、どうやら「シビック e:HEV」に近いようです。となれば本格的なスポーツカーではなく、流麗な2ドアクーペということで、「スペシャリティカー」になります。
【画像】超カッコイイ! ホンダ「新型プレリュードC」を画像で見る(32枚)
スペシャリティカーとは、スポーティなルックスをしていながら、本格スポーツカーではなく、快適性や居住性を備えているクルマのことで主に2ドアクーペ車を指し、「デートカー」と呼ばれることもあります。
特にプレリュードは、昭和の終わりのバブル時代、若者に非常に人気が高かったため、デートカーの代名詞的な存在と言えるでしょう。
最近は、すっかりスペシャリティカーと呼ばれるクルマは少なくなりました。2ドアクーペは残っていますが、主流は本格スポーツカーばかり。
汗くさい硬派なクルマが多くて、デートが似合うスペシャリティカーと呼ぶにふさわしいクルマは、ほぼ絶滅してしまっています。
しかし、昭和の時代は、そうしたスペシャリティカーがたくさん存在していました。そのルーツともいえるのが、1964年に誕生したフォード「マスタング」です。
ルックスは格好良い2ドアクーペでしたが、意外や4座で使いやすく大ヒットとなります。その波は日本にも及び、日本車のフォロワーが数多く誕生。1970年代から数多くのスペシャリティカーが発売されるようになりました。
それとあわせて、1970年代の日本は、2ドアクーペが大人気となっていたのです。トヨタ「セリカ」や日産「シルビア」のような2ドアクーペ専門で、いかにもスペシャリティカー然としたモデルだけではありません。
トヨタ「クラウン」や日産「グロリア」といった大型セダンや日産「スカイライン」やトヨタ「カローラ」などの主力セダン、日産「サニー」やトヨタ「スターレット」というコンパクトカーにまで派生として2ドアが用意されていたのです。
最近のように“燃費が良い”とか、“室内が広い”とかという利便性でクルマを選ぶのではなく、素直に“格好良い”とクルマを選ぶ人がたくさんいたのです。
ちなみに筆者(鈴木ケンイチ)の個人的な印象ではありますが、1980年代後半においてスペシャリティカーは、どちらかと言えば女性の方に人気が高かったように思えます。知り合いの女性の多くが2ドアクーペのスペシャリティカーを愛車にしていました。
男性はといえば、見た目よりも性能を重視していました。一方、女性はルックス重視で、スペシャリティカーを好んでいたのです。
では、どうして、そうしたスペシャリティカーが絶滅してしまったのでしょうか。
まず考えられるのは“ブーム”は、しょせん一過性のものであり、いつかは去るものであるからという理由です。1970年代から80年代にかけてスペシャリティカーが流行したように、その後はミニバンやSUVが流行となりました。
今、現在でいえば、若者が最も“イケてる”と目するのは、ゴージャスで、それでいて利便性も高いミニバンやSUVでしょう。
また、日本は平成の時代に、失われた20年という不景気な時期を送っています。そうした苦しい時代の空気に、スペシャリティカーはそぐわなかったはず。
そうした時代の空気を反映して、流行は変化してゆき、結果として、昭和の時代に隆盛を誇ったスペシャリティカーは、すっかり下火になってしまったというのが正解ではないでしょうか。
しかし、流行は流れ去るばかりではなく、戻ってくることもあります。また、ネット時代になり、ニーズが多彩化しました。そのため、「流行りのクルマではなくても欲しい」という人も一定数存在しています
ちなみにマツダの「ロードスター」の現行モデルは、コロナ禍の渦中となる2022年に、2015年発売以降で最高の販売台数9567台を記録しています。発売後7年目にしての最大の販売台数です。
コロナ禍で「どこにも行けないのであれば、自分の趣味趣向に正直になろう」という市場マインドがヒットの理由とも考えられています。
そのロードスターは、本格スポーツカーではあるけれど、速さを追求しているわけではなく、どちらかと言えば「スペシャリティ」な色合いもあります。こうした存在は、新型プレリュードの応援になることでしょう。
“ブームは回帰する”“価値観は多様化している”と考えれば、今は廃れてしまったスペシャリティカーでも、人気者になる可能性は十分にあります。プレリュードの復活は、意外に成功の見込みは高いのではないでしょうか。
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