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【もうあの頃とは違う】ジャパンモビリティショーが担う役割とは

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【もうあの頃とは違う】ジャパンモビリティショーが担う役割とは

共催のCEATEC 2024は7ホール分使用、その一方……

東京モーターショーから名前が変わったことに合わせて、毎年開催になることがアナウンスされていたジャパンモビリティーショー(JMS)。注目の第2回は10月15日(火)から18日(金)、までの4日間、千葉市の幕張メッセで開催された。

【画像】ジャパンモビリティショー・ビズウイーク2024会場の様子 全162枚

主催した日本自動車工業会(自工会)がビジネスイベントと称していたように、『未来を創る、仲間づくりの場』として、モビリティ関連企業と次世代を担うスタートアップ企業の共創を生み出すための場として用意された。

それだけに会場を訪れると、昨年のJMSや、その前の東京モーターショーとは異なる点がいくつもあった。東京モーターショーの延長線上という気持ちで足を運んだ人は、戸惑ったかもしれない。

まず驚いたのは、単独開催ではなく、今年で25周年を迎えるデジタルイノベーションの総合展示会、CEATEC(シーテック)2024との共催だったことだ。しかも会場となった幕張メッセ1~8ホールのうち、JMSはホール1だけで、残りはCEATECで占められていた。

東京モーターショーは幕張メッセで行われていたこともあるが、そのときはすべてのホールを使用していたと記憶している。幕張メッセには道路を挟んだ反対側にホール9~11があり、自動車関連では東京オートサロンやオートモビルカウンシルなどが3ホールをフルに使って開催している。

日本を代表するインドアイベントであるJMSが、CEATECの片隅で開催されているという現実は、ちょっとショックだった。

CESやSXSWとの違い

会場の中に入ると、事業会社のブースと、カーボンニュートラル、スタートアップのブースが、通路で隔てられていたことに気づいた。

ちなみに米国のCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)やSXSW(サウス・バイ・サウス・ウェスト)など、スタートアップの出展が多いイベントは、会社の規模や経験に関係なくブースを配置していたと記憶している。

モーターショーは欧米を含めて、老舗メーカーとスタートアップをきっちり分ける傾向にあるので、これが業界の慣例なのかもしれないが、CESやSXSWのほうがワクワク感はあるのも事実だ。

ブースが狭いことも気になった。自動車メーカーのブースも決して広くはなかったが、ステージの左右に実車を置くスペースがあった。これに対して、スタートアップのブースは狭く、展示できるのは自転車ぐらいまで。そのため車両を持っていながら展示ができない会社もあった。

自工会のニュースリリースによれば、参加企業・団体数は203。そのうちスタートアップが145 社を占めた。昨年はスタートアップを含めて475企業・団体だったので、3分の1弱ということになる。

モビリティの展示は、それだけで場所を取るものだし、パーソナルモビリティは試乗できる場所も欲しい。それを考えれば、やはりもっと広いスペースが欲しかった。

自動車メーカーのビジネスシーンへの考え方はさまざまだ。トヨタは水素社会の展開にスポットを当てており、日産は車両やバッテリーのマネジメントサービス、ホンダはパーソナルモビリティのサービスを紹介していた。

地方のモビリティサービスを見てきた者としては、日野の自家用有償旅客運送向け遠隔運行管理受託サービスや、ヤマハ発動機のグリーンスローモビリティなどがないことが不思議に感じた。

この2社は車両展示はあったものの、ブースがなかった。個人的には、地域移動という特設ブースを設けて展開しても良いほど重要なテーマだと認識しているので、ブース展示もしてほしかった。

35テーブル用意された『ビジネスマッチングエリア』

中央奥にはステージがあり、ステージプログラムが連日用意され、オンライン視聴を含めて6773人が参加した。昨年のステージイベントは4万2000人以上というので、期間の違いを考えてもポテンシャルはもっとありそうだ。

では目的のひとつである、モビリティ関連企業と次世代を担うスタートアップ企業の共創はどうだったのだろうか。

こちらについては8月20日から、出展企業のシーズやニーズの把握、商談予約などを行えるオンラインコミュニケーションツール「Meet-up Box」を稼働しており、1891件が登録され、848件のマッチングが成立したという。

昨年はブース出展やビジネスマッチングを経た商談の継続数が430件以上と発表されているので、この部分はしっかり機能していたことがわかる。

会場でとあるスタートアップに聞いたところ、CEATECに出展している大手企業などがブースを訪ねてくるなど、予想以上の広がりを感じたという。CEATECとの共催はメリットもあるというわけだ。

対照的だったのが記事の露出で、プレスデーがない上に、イベントそのものの規模が小さかったこともあってか、昨年と比べると格段に少なかった。

来場者数の発表は今回はないようだが、前に紹介したCESやSXSWも、来場者数は昨年のJMSと比べてはるかに少ない。それがビジネス向けイベントの標準なのだろう。でもその割には、メディアで多く取り上げられる。それを考えると、プレス向けの対応はもう少し踏み込んでもよかったと感じた。

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