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新型スバルWRX S4 全4グレードで登場 試乗で感じたWRX STIへの道のり 

掲載 更新 4
新型スバルWRX S4 全4グレードで登場 試乗で感じたWRX STIへの道のり 

WRX 新たなるステージへ

ついに、スバル新型WRX S4(プロトタイプ)の実車に触れることができた。

<span>【画像】待ち遠しい【スバルWRX 北米仕様と比較】 全135枚</span>

しかも、サーキットでの全開走行を体験し、そこから新型WRX STIの姿が見えてきた……。

走りの話を深堀りする前に、まずはWRXという商品の現状について整理してみたい。

最新型は新型WRX(北米仕様)として、スバル北米法人であるスバル・オブ・アメリカ(SOA)とスバル本社がそれぞれ、自社ホームページの中で2021年9月10日に車両詳細を発表した。

北米市場では、WRXの2021年モデルが継続販売されており、フルモデルチェンジとなる新型車はアメリカでの2022年モデルとして発売が始まる。

一方、日本市場でWRXという名称は、WRX S4とWRX STIという2系統存在してきたが、新型への移行を踏まえて一時的にスバル本社のホームページ上のモデルラインナップから姿を消していた。

それが2021年9月30日、ティザー動画第1弾が公開された。

「WRXのDNA、新たなるステージへ」と題して、ニュル24時間耐久レースやラリー競技などモータースポーツをバックシーンとして、ワインディング路を快走する新型WRX S4の姿が映し出された。

そのクルマには、STIのロゴがチラリと見えたが、これはSTIスポーツのことだという予測がついた。

だが、今回試乗したWRX S4の実車は、WRXスポーツRという新たなるステージに進化していた。

WRXは4グレードで登場

今回試乗は千葉県袖ケ浦市にある袖ケ浦フォレストレースウェイでおこなわれた。

近年、スバルはここでメディア向けの新型試乗会をおこなう機会が増えており、筆者としても2代目レヴォーグや新型BRZをこの地で体感してきた。

さて、今回の試乗は、WRX S4 STIスポーツR EX、WRX S4 GT-H EX、レヴォーグSTIスポーツR EX、そして先代のWRX S4 STIスポーツという4台の乗り比べだ。

スバルファンやSTIファンは認識しているとは思うが、ここであらためてSTIスポーツというグレードについて説明したいと思う。

株式会社SUBARU(正式名称)の100%子会社でモータースポーツ関連事業、コンプリートカーの開発、スバルオフィシャルの用品開発を手掛ける企業がスバルテクニカインターナショナル(STI)である。

そして、STI商品開発部とスバル商品開発本部が共同開発する、スバル車のスポーツ「グレード」の1つがSTIスポーツだ。

ここに今回から、STIスポーツRというグレードが加わったことになる。

2代目レヴォーグについては、STIスポーツ(次世代アイサイト搭載)とSTIスポーツEX(アイサイトX搭載)としており、ここにSTIスポーツR(およびEX)が加わる。

一方で、新型WRX S4については、WRX S4 STIスポーツ(およびEX)の設定はなく、WRX S4 STIスポーツR(およびEX)とWRX S4 GT-H (およびEX)の4グレードとなる模様だ。

プラットフォームは第1期熟成完了

では、今回の袖ケ浦フォレストレースでの実車走行体験から、今後登場する新型WRX STIの走り味を予想してみたい。

まずは、クルマとしての資質についての感想だ。

スバルファン/WRXファンならば想像がつくように、やはりスバルグローバルプラットフォーム(SGP)の効果が絶大だった。

エンジンや変速機が進化し、タイヤを新設計したとしても、土台(車体)がしっかりしないとクルマとしての収まり(バランス)を高次元で実現することはできないのは当然のことだ。

一般的に、クルマの車体の基本設計は10年以上の長きに渡り継承されるもので、スバルにとってSGPはスバル史上でも極めて大きな転換期となった。

インプレッサ、XV、フォレスター、アウトバック(北米仕様)、そして「ほぼ日本市場向け商品」である2代目レヴォーグと、SGPはインナーフレーム構造採用などで段階的に進化し、WRX(S4)ではSGP第1期としての熟成が完了したといえる。

またパワートレインついても、FA24での2.4L化という視点だけではなく、WRX S4、およびレヴォーグのプロジェクトゼネラルマネージャーである五島賢(ごしまさとし)氏がいう「CVT(リニアトロニック)の逆襲」によって、新型WRX STIに向けたハイパフォーマンス化の幅が大きく広がったと感じる。

新型WRX STI登場はいつ?

WRX STI(日本仕様)の歴史はEJ20の進化と同義である。

一方、2000年代中盤以降に北米上陸したWRX STIは、フリーウエイでの高速巡航や日常生活での使い勝手などから、日本に比べてエンジン排気量の大型化が必然となった。

直近では、STIコンプリートカー「S209」でEJ25を採用している。

現時点では新型WRX STIが搭載するパワートレインの詳細についてスバルは明らかにしていないが、今回試乗したWRX S4 STIスポーツR搭載のFA24+リニアトロニックには、新型WRX STI用ユニットに向けた「余力」が十分にあると感じた。

ドライブモードS#で変速時に演出されている音や振動についても、新型WRX STIとの差別化を踏まえて「抑え気味ではないか?」とも感じた。

S#での走り全体として「そこまでの思い切ったセッティングにするのかという議論があった」(五島PGM)というほど、日本ではS4と呼ぶWRXのベースモデルのハイスペック仕様(STIスポーツR)の「落としどころ」に苦心したといえるだろう。

裏を返せば、S#によって「さらに上(=WRX STI)を目指したくなる」という気持ちになる人が多いのかもしれない。

ユーザーに対する「心の導火線に火をつける」(五島PGMの常套句)という商品戦略が見て取れる。

残念ながら今回、新型WRX STI発売時期を聞き出すことはできなかったため、スバルからの正式発表を待ちたい。

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みんなのコメント

4件
  • この高機能な樹脂パーツ、STIのオプションパーツにすれば良かったのに。見た目でちょっとって人多そう。
  • 仮にSTIが出れば、軽く500万。乗り出しで600万位か。これでは、乗りたくても乗れない
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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