第1回 フォーラム8 ラリー・ジャパン 2022
日時:11月10~13日
サーフェイス:ターマック
SS総走行距離:283.87km(SS数19)
サービスパーク:豊田市
11月12日にデイ3を迎えたWRC第13戦ラリー・ジャパンは、前日まで総合2位だったヒョンデ モータースポーツのティエリー・ヌービルが首位に浮上。前日まで首位だったトヨタGAZOOレーシング(TGR)のエルフィン・エヴァンスは2位へとポジションダウンしたが、わずか4秒差で続いている。3位にはヒョンデのオィット・タナックが入った。
【ラリー・ジャパン 2022】SSキャンセル続発…一般車両が逆走で侵入!? ラリー・ジャパンで何が起きているのか【デイ2】
●エヴァンスは2位に後退するもわずか4秒差で優勝に希望をつないだ
午前に3本、午後に4本の計7本で争われたデイ3。前日までのステージキャンセル続出とは打って変わり、ようやくラリー本来の姿に戻り、すべてのステージを全エントラントがスタートできた。この日キャンセルされたSSは、岡崎城近くの河川敷に設定されたスーパーSS2本のうち、SS13の1本のみ。前日とはまるで違い、クルーたちに笑顔が戻っていたことが印象的だった。
●ロバンペラが優勝争いから脱落し、タナックは3位にまでポジションアップ
ラリーは午前の3本こそエヴァンスがリードしていたが、午後のループに入るとヌービルがスパート。SS11と12だけでエヴァンスのタイムを8.5秒上回り一気に逆転し首位に浮上した。この日最後のスーパーSSを終えた時点で、2人の差はわずか4秒。どちらも優勝の可能性を残しながら、最終日を迎えることになった。
トップ2人よりもスピードを見せたのはTGRのセバスチャン・オジエ。前日にパンクと車体の損傷によって総合10位にまで後退したが、この日はSS9、11、12でステージベストをマーク。総合順位で勝田貴元の後方5位にまで急浮上した。
●勝田も舌を巻く速さを見せたオジエ
一方その勝田貴元は、サバイバル戦の様相となったこのラリーでも抜群の安定感を見せ、総合4位にまで浮上。気づけば表彰台が狙える位置にまで上がってきた。しかし当の本人は表情が優れない。SS12後には、「今日1日、セッティングが決まらなくて苦労しています。なぜかはわかりませんが、いろいろ模索しながらどうにかうまくまとめた感じです」と苦労が伺えるコメントを残した。また、チームメイトのオジエの速さには驚いたようで、「ボクとは今日違うパターンのセットをセブ(オジエ)が試しているんですが、それがうまく合ったみたいですね。ここまで速いのはさすがです!」と語った。最終日、勝田の持つ本来の速さをどこまで見せてくれるのか。大いに注目だ。
●最終日は本来の速さを見せてくれるだろう、地元勝田貴元は総合4位
午後の岡崎SSの前には、トヨタ初のラリー2マシン「GRヤリス ラリー2」が初めて披露され、スーパーSSを使ってデモランも行われた。ラリー2は、現在TGRが参加しているラリー1のひとつ下のカテゴリーで、ワークス主体のラリー1に対しプライベーターが中心となるカテゴリーだ。ラリーをサポートするメーカーとして認知されるには、ラリー1での活動に加えラリー2マシンを提供することも必要不可欠。今までWRCやほかのラリーで成功を収めてきた他メーカーと同じ道を、トヨタも歩み始めたのだ。
●初めて姿を見せたGRヤリス ラリー2。より市販車に近い外観のラリーカーだ
かつてからラリー2マシンの必要性を訴えてきたのは、ほかでもない豊田章男社長ご本人。このデモラン会場にも姿を見せ、ドライバーを務めたレジェンドドライバー、ユハ・カンクネン氏の走行を見届けた。「ラリー2マシンはカスタマー向けのラリーカー。昨今のラリーシーンでは必要不可欠な存在です。本当の意味でトヨタのラリー活動を広めるキーとなるクルマになるでしょう」と語ってくれた。現在はシュコダが圧倒的なシェアを占めているラリー2市場へ、あらたなメーカーとして参戦するトヨタ。シトロエンやフォード、ヒョンデも含めた混戦のカテゴリーで輝きを見せられるか、こちらも今後は目が離せなくなりそうだ。
最終日は5本のSS、約70kmが残されているラリー・ジャパン。天候も雨の予報が出ているので、もうひと荒れも十分あり得る。「なにが起こるかまったくわからない」とコメントする勝田の言葉通り、最終ステージまではどのような結果になるかまったく予想がつかない。はたしてトヨタは地元で祝杯をあげることができるのだろうか? 最後の最後まで注目したい。
<写真=高橋 学 文=青山朋弘>
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みんなのコメント
記事書いてるやつは同じ車にでも見えるのか?
交通規制解除しろよ。勝手にコース入るぞ