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ホンダらしい高級ミニバンとは?──新型オデッセイを考える!

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ホンダらしい高級ミニバンとは?──新型オデッセイを考える!

ホンダ「オデッセイ」が再び日本にやってきた。その魅力について小川フミオが考えた!

オデッセイの衝撃

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ホンダがミニバン「オデッセイ」を一部改良。2023年12月7日発表、同月8日発売した。既報のとおり、大きな特徴は、パワートレインを「e:HEV」に一本化したことと、より室内の豪華さが強調され、そして安全支援装備が充実した点だ。

オデッセイといえば1994年に登場した初代は、いい意味で衝撃的だった。こんなコンセプトがあるのか! と、私は驚いた。ミニバンという言葉が当時、ほとんど浸透していなかっただけに、いまの言葉でいうとミニバン+ステーションワゴンのクロスオーバーというコンセプトが斬新だった。

ホンダは1995年には都会型SUVのはしりともいえる「CR-V」を出し、1996年には機能的なミニバンを一般に受け入れられるようリデザインしたともいえる「ステップワゴン」も出している。この頃のホンダのクルマづくりのコンセプトは、ホント、かなり練り込まれていたものだ。あるいは、デザイナーとかコンセプトメーカーの直感的なひらめきをうまく製品化する回路が働いていたのだろう。歴代のオデッセイは、ホンダが「超低床プラットフォーム」を謳っていたのが特徴だった。実際に車高は、日本だと背が高いと言われるひとつの規準である1.6m以下に抑えてい(北米仕様はもっと高いものも存在)。

同時に4.8m前後と長めの全長と組み合わせることで“低い”という印象を作り出すのに成功していた。初代は、しかしパッケージングは微妙で、3列目シートなどは実用的でなかった。「人でなくて、モノを載せるスペースだ」と、実車に初めて接したとき、私はがっかりしたものだ。

独自の存在感に期待オデッセイは、低い車高というイメージと戦い続けてきたようなモデルだ。世は機能主義的なミニバンが売れていて、当然、全高はある程度高くなっても、室内が広いほうが評価されるマーケットが確立している。そこにあって、2013年に発表された5代目は「車高が高いじゃないか(1695mm)」と、ネガティブな評価を一部ファンからは受けてしまったこともある。

そんな経緯はあるものの、今回の改良版は、ホンダにとって中大型ミニバンのセグメントが空いてしまっているではないか、という“気づき”から開発されたのかもしれない。小型の「フリード」、中型の「ステップワゴン」の上に位置づけられるモデルとして、ミニバンとして、あらためて投入されたのだ。それだけに、2列目シートの調整機能を電動化したり、シート自体の見た目を豪華にしたり、と、トヨタ「アルファード」「ヴェルファイア」を意識したかのような、贅沢さが強調されているのが特徴的だ。

オデッセイでなくてはならない大きな価値は「e:HEV」という独自のハイブリッド方式による、リッター20kmになんなんとする好燃費かもしれない。普段はエンジンがモーター駆動用のバッテリーの充電のために使われ、70km/hを超えるとエンジン駆動(モーターは加速時などの補助)になるのが、e:HEVだ。かつ、高速だけでエンジンを駆動に使うため変速ギヤは省いてしまったという技術的な特徴自体も、クルマ好きのマニア心を刺激するではないか。

安全支援技術も、アップデート。車体前後に4個所ずつソナーセンサーをくわえて、踏み間違い衝突軽減システムの性能を高めた。前方約100度をカバーするフロントワイドビューカメラで、対象物までの距離や横位置も計測するようになった。

新しいオデッセイは、ベースモデルの「e:HEVアブソルート」で480万400円、「e:HEVアブソルートEX」が500万600円、そして、新設の「e:HEVアブソルートEXブラックエディション」が516万4500円と、安くはない。でも、ひととおりの装備が用意されたことで、購買へと向かうハードルがさらに低くなっているのは事実。

私が個人的に気に入っている点は、(おそらく多くのファンと同様)クリーンなスタイリングだ。フロントグリルのデザイン、側面の面の作り方、それにリヤと、エグいところがない。

なお、今回設定された「e:HEVアブソルートEXブラックエディション」はその名のとおり、従来はメタリック表現だったパーツをブラックにしているのが特徴。グリル、ロードホイール、アウトサイドミラー、さらにリヤコンビネーションランプもスモークレンズを採用。「プラチナホワイトパール」の車体色を選ぶとコントラストが鮮烈だ。

外観の都会的なイメージは、ライバルの強烈なフロントマスクにどうしても馴染めないひとたちにとって、強くアピールするのではないかと思う。すっきりとしたデザインは、街で見ても嬉しいものだ。その存在感に期待している。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)

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みんなのコメント

21件
  • ech********
    事実としてミニバンにまともな選択肢がない。
    安いクルマには乗りたくないが、田舎の成金好みなアルヴェルは論外。
    悲しいかな、中華産のオデッセイが1番ストライクゾーンに近いとは…
  • vec********
    フルモデルチェンジじゃあるまいし
    ここまで引っ張るね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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