現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【電動車レポート】ジープ レネゲード4xeのハイブリッドシステムはPHEVとMHEVを組み合わせた電気式4WD【第1回】

ここから本文です

【電動車レポート】ジープ レネゲード4xeのハイブリッドシステムはPHEVとMHEVを組み合わせた電気式4WD【第1回】

掲載
【電動車レポート】ジープ レネゲード4xeのハイブリッドシステムはPHEVとMHEVを組み合わせた電気式4WD【第1回】

電気自動車(BEV)DS3クロスバック Eテンスを1年ほど長期レポートしてきたが、そのなかで気になったのは、電動車の個性はどこにあるのかということ。ここからは少し嗜好を変えていくつかのモデルをレポートしていきたい。今回はジープのコンパクトSUVでPHEVのレネゲード4xeだ。(第1回/Motor Magazine 2023年5月号より)

ジープのコンパクトな電気自動車、アベンジャーも日本導入予定
「日常の中に冒険を」をテーマに、これまで多くのSUVを生み出してきたジープは、2025年までにすべてのモデルを電動化させることを目指している。その第1弾として、またブランド初のPHEVとして登場したのがレネゲード4xeだ。オフローダーブランドらしい電動化モデルの個性とはどのようなものか、2回にわたって紹介していく。

【BEV長期レポート】DS3 Eテンスで肝を冷やした充電残量1%の危機。メーター上の走行可能距離は「--- km」になった話【第8回】

・・・・・・

本格オフロードカーブランド ジープの電動化モデル「4xe(フォー バイ イー)」といえば、ラングラーやグランドチェロキーといったラージサイズSUVに採用、日本市場にも2022年後半に相次いで導入されたことで話題となっている。海外ではコンパス4xeも存在して、いずれもフロントにエンジン、フロントとリアにそれぞれモーターを搭載したプラグインハイブリッド車となっている。

ジープの電動化戦略はもちろんPHEVだけでなくフルエレクトリックカー、つまりBEVも2025年末までに4モデルを発表するという。実はすでに欧州での販売を開始されているコンパクトSUVのアベンジャーや、2024年登場予定の新型ワゴニアには、4xeの他にFWDモデルも存在する。いずれにしろ今後登場するであろうPHEVもBEVも含めたジープの電動化モデルは大きく注目されることだろう。

MHEVとPHEVのいいとこ取りをしたジープの電動化モデル
さて、ジープのPHEVとしてはじめて登場したのが今回のレポート車として導入したレネゲード4xeだ。ICE搭載車がビッグマイナーチェンジした翌年の2020年10月、PHEVとしては珍しい機構を持ち合わせた2モーターの電気式4WD車として登場した。

フロントセクションに搭載するのはフィアット由来の1.3L直4マルチエアターボ(131ps〈96kW〉/270Nm)と、回生ブレーキによる発電やエンジンの駆動補助を行うISG(45ps〈33kW〉/53Nm)が組み合わされたハイブリッド機構となっている。

そしてリアセクションには128ps〈94kW〉/250Nmというハイパワーを発生するモーターを配置して後輪を駆動、MHEVとPHEV機能を併せ持つ複合タイプのハイブリッド車なのである。はじめてこのシステムを知った時の「ちょっとおもしろそう」というワクワク感はいまでも覚えている。登場から2年経過したいま、あらためてその走りっぷりを長時間にわたり堪能できるというわけだ。

外観からは想像できなかった個性。実はプレミアムなコンパクトSUV
さて、走り出すために乗り込んでドアを閉めると、その瞬間からジープらしい音が響く。近年登場した多くの乗用車はドアを閉めた時に「ボフッ」と重厚感を演出するよう研究されているが、レネゲードのそれはドアラッチとストライカーがぶつかり噛み合う「ガチッ」という金属的な高い音を発する。これはあえて強調されているようにも感じる。最新のPHEVなのに昔ながらのクルマらしさも味わうことができ、少し嬉しくなる。

しかし、そうしたノスタルジーが体感できるのはほんの一瞬で、バッテリー充電量を残していればシステムスタートボタンを押してから走り出してもエンジンは稼働せず、遠くの方からモーター音と車両接近通報システムの音がかすかに届く程度。もちろんアクセルペダルを深く踏み込めばエンジンを始動させて回転音も聞こえてくるが、その音質は低音で振動も少なく上質さを感じる。

気になったことはモーターパワーの初動、立ち上がり方が少し強めに設定されているのか、停車状態からブレーキペダルをリリースした瞬間に背中をグイッと押される感覚になる。乗りはじめた当初、交差点での一時停止や車庫入れなどでストップ&ゴーをするときは気を遣ったが、ペダル操作をゆっくり行うだけで解決するので、慣れるまで長い時間はかからなかった。

パワートレーンにおいて気になったのはこの点くらいなもので、1790kgという同クラスのSUVとしては重めのボディを街中でも高速道路での合流でも軽々と加速させてくれるパワー感は頼もしいばかり。しかも、トランスミッションはICE搭載モデルの6速DCTとは異なって、6速ATに変更されているためシフトショックはより小さく、エンジンとモーターの切り替えもメーターを見ていないと気づかないほど振動が抑えられている。

高速道路を巡航しているともうひとつの面も見えてくる。これは意外にも思えたところなのだが、ラングラーを彷彿とさせるボクシーなボディ形状から想像できないほど風切り音が小さく、ロードノイズの小ささも含めてコンパクトSUVとは思えない静粛性の高さが感じられるPHEVなのである。

第1回/2023年2月9日~3月10日(1カ月目)のデータ
・オドメーター:9188km
・当月の走行距離:2388km
・給油量:約144.6L(プレミアムガソリン)
・燃費:16.5km/L
・充電回数:6回(200V普通充電)

ジープ レネゲード アップランド 4xe 主要諸元
●全長×全幅×全高:4255×1805×1695mm
●ホイールベース:2570mm
●車両重量:1790kg
●エンジン:直4 ターボ+2モーター
●総排気量:1331cc
●エンジン最高出力:96kW(131ps)/5500rpm
●エンジン最大トルク:270Nm/1850rpm
●モーター最高出力:前33kW(45ps)/後94kW(128ps)
●モーター最大トルク:前53Nm/後250Nm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:電気式4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・36L
●WLTCモード燃費:16.0km/L
●タイヤサイズ:235/55R17
●車両価格(税込):568万円(発売時)

[ アルバム : 長期レポートレネゲード4xe/1回目 はオリジナルサイトでご覧ください ]

こんな記事も読まれています

ホンダ新型「フリード」ついに発売 運転しやすいコンパクトミニバン ただ価格はライバルより強気?
ホンダ新型「フリード」ついに発売 運転しやすいコンパクトミニバン ただ価格はライバルより強気?
乗りものニュース
ホンダ新型「小型ミニバン」登場! 大型リアウイング&黒フェイス採用の新型「フリード」カスタム仕様発売!
ホンダ新型「小型ミニバン」登場! 大型リアウイング&黒フェイス採用の新型「フリード」カスタム仕様発売!
くるまのニュース
エルヴィス・ファン必見! トライアンフが「Bonneville T120 エルヴィス・プレスリー Limited Edition」を発売
エルヴィス・ファン必見! トライアンフが「Bonneville T120 エルヴィス・プレスリー Limited Edition」を発売
バイクのニュース
【カワサキ】カワサキモータースジャパンのカーボンニュートラルへの取り組みにファミリーマートが協賛
【カワサキ】カワサキモータースジャパンのカーボンニュートラルへの取り組みにファミリーマートが協賛
バイクブロス
マツダ版タイプR? 2LのV6搭載! レースにも出たマツダ・ランティスは超絶スポーツセダンだった!
マツダ版タイプR? 2LのV6搭載! レースにも出たマツダ・ランティスは超絶スポーツセダンだった!
ベストカーWeb
美女が「カウンタック」で疾走する伝説の映画『キャノンボール』の俳優が当時を振り返る…公開当時のまま維持される姿を全部見せます!
美女が「カウンタック」で疾走する伝説の映画『キャノンボール』の俳優が当時を振り返る…公開当時のまま維持される姿を全部見せます!
Auto Messe Web
130馬力のマツダ ファミリア 3ドアHB・GTとライバルのスポーティ度は? [driver 1989年4-20号より]
130馬力のマツダ ファミリア 3ドアHB・GTとライバルのスポーティ度は? [driver 1989年4-20号より]
driver@web
スタイリッシュな欧風クーペに待望のAMGが登場!メルセデスAMG CLE 53 4MATIC+ クーペが日本上陸
スタイリッシュな欧風クーペに待望のAMGが登場!メルセデスAMG CLE 53 4MATIC+ クーペが日本上陸
Webモーターマガジン
高まるダニエル・リカルドに対するプレッシャー「好結果を出し続けなきゃいけない。移籍は考えてないよ」 重鎮マルコ博士はローソン昇格を示唆
高まるダニエル・リカルドに対するプレッシャー「好結果を出し続けなきゃいけない。移籍は考えてないよ」 重鎮マルコ博士はローソン昇格を示唆
motorsport.com 日本版
日産「“ミニ”ケンメリGT-R」実車展示に大反響! “全長3m級”ボディの「斬新スポーツカー」がスゴい!  幻の「ちびメリ」とは?
日産「“ミニ”ケンメリGT-R」実車展示に大反響! “全長3m級”ボディの「斬新スポーツカー」がスゴい! 幻の「ちびメリ」とは?
くるまのニュース
MIGRATRAIL のマルチハンガー「ADD HANGER LARGE/アドハンガーラージ」が発売!
MIGRATRAIL のマルチハンガー「ADD HANGER LARGE/アドハンガーラージ」が発売!
バイクブロス
5兆円超えって凄すぎ!! 営業利益5兆3529億円! トヨタが日本企業1位に輝いた理由はハイブリッドだった!?
5兆円超えって凄すぎ!! 営業利益5兆3529億円! トヨタが日本企業1位に輝いた理由はハイブリッドだった!?
ベストカーWeb
道路に書かれた「謎の▽」 意味はナニ? 大事な意味だけど…意外と忘れがち? 「白い逆三角」の正体とは
道路に書かれた「謎の▽」 意味はナニ? 大事な意味だけど…意外と忘れがち? 「白い逆三角」の正体とは
くるまのニュース
[旧型アルファード]新車時は450万円前後だったよね? 中古でも450万円超えってマジ!? 今後はどうなるのよ!!!!
[旧型アルファード]新車時は450万円前後だったよね? 中古でも450万円超えってマジ!? 今後はどうなるのよ!!!!
ベストカーWeb
ハチロク乗りもGR86乗りもすれ違ったら敬礼必至! 偉大なるご先祖「TE27」のレビン&トレノが胸熱すぎるクルマだった
ハチロク乗りもGR86乗りもすれ違ったら敬礼必至! 偉大なるご先祖「TE27」のレビン&トレノが胸熱すぎるクルマだった
WEB CARTOP
最強の「フォルクスワーゲン・ゴルフ」がワールドプレミア! 新型「R」「Rヴァリアント」発売へ
最強の「フォルクスワーゲン・ゴルフ」がワールドプレミア! 新型「R」「Rヴァリアント」発売へ
LE VOLANT CARSMEET WEB
日本最大級のモーターショー「ジャパンモビリティショー」が2024年も開催決定! 10月15日~18日に幕張メッセで「CEATEC」と併催。
日本最大級のモーターショー「ジャパンモビリティショー」が2024年も開催決定! 10月15日~18日に幕張メッセで「CEATEC」と併催。
くるくら
ヤマハ『MT-03 ABS』『MT-25 ABS』2024年モデルを発表。新色ダークグレーを採用
ヤマハ『MT-03 ABS』『MT-25 ABS』2024年モデルを発表。新色ダークグレーを採用
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

199.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

60.0408.0万円

中古車を検索
ジープの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

199.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

60.0408.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村