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新型フェアレディZ誕生で再注目必至! 日産が誇るV型6気筒エンジンの今と昔

掲載 更新 29
新型フェアレディZ誕生で再注目必至! 日産が誇るV型6気筒エンジンの今と昔

 皆さんにとって“日産の名機と聞いて思い浮かぶエンジン”はナニ? 次から次へとエンジンの型式が口をついて出るクルマ好きも少なくないだろうが、現在の日産における主力エンジンはV型6気筒。日本時間2021年8月18日(水)9時(アメリカ時間 8月17日20時)、市販モデルの新型フェアレディZ(アメリカ仕様)が公開された。搭載されるエンジンも純ガソリン仕様のV6ツインターボだ。

 このように、国産乗用車で初めてV型6気筒を採用したのが日産なら、新型フェアレディZが搭載するエンジンもまたV型6気筒と、もはやお家芸といっても過言ではない日産のV型6気筒エンジン。今回は、日産が誇るV型6気筒エンジンの今と昔を振り返る。

日本で売ってくれ!! スカイラインの真骨頂 インフィニティQ60レッドスポーツ400!!

文/FK、写真/日産自動車、FavCars.com

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モータリゼーションを牽引してきた、日産のV型6気筒

現行GT-Rに搭載されるVR38DETTは日産自動車 横浜工場で“匠”と呼ばれる数名の職人が1基1基手組みで仕上げている

 オールドファンにはなじみ深いスカイライン2000GT-RやフェアレディZ 432に搭載された「S20」や、1.3リッター直列4気筒から2.8リッター直列6気筒までバリエーション豊富なSOHCの「L型シリーズ」を筆頭に、S20以来のDOHC復活で話題を呼んだ「FJ20シリーズ」、R32~R34スカイラインGT-R専用の「RB26DETT」、パルサーGTI-RやS13~S15シルビアなどに搭載された「SR20DET」まで、名機と呼ぶに相応しい日産のエンジンは数知れず。

 しかし、ここで紹介するのはV型6気筒。1983年6月に国産乗用車初のV型6気筒エンジン搭載車としてY30セドリックを発売以来、日産は多種多様なV型6気筒を手掛けてきた。

2021年8月18日午前9時(日本時間)、新型フェアレディZ(米国仕様)市販型が世界初披露された。V6ツインターボエンジン搭載で400馬力。日本発売は今冬

 現在、そのピラミッドの頂点に君臨するのは最高出力570ps&最大トルク65.0kgmを発生するNISSAN GT-Rの3.8リッターツインターボ「VR38DETT」だが、間もなくその誕生から40年を迎えようとしている日産のV型6気筒は他にも魅力溢れるラインアップが揃っている。

 現行モデル搭載エンジンから歴史に名を刻むエンジンまで……日産のV型6気筒は永久に不滅なのだ。

VR30DDTT(排気量2997cc、最高出力304ps/6400rpm、最大トルク40.8kgm/1600-5200rpm)

スカイライン史上最高の405psを誇る400R。デビューから6年目にして登場したスーパースポーツ。新生フェアレディZにも搭載されるVR30DDTTのパフォーマンスにも期待感は高まる

 日産テクノロジーを結集した最新のターボエンジンとして、2019年7月登場のスカイライン(V37)に搭載されたVR30DDTT。GT Type SP、GT TypeP、GTの3グレードでは小径ターボチャージャー、モーターで駆動する可変動弁システム、筒内直接燃料噴射、日産国内初搭載の水冷式インタークーラーの採用などで304psの最高出力と40.8kgmの最大トルクを実現。

 しかし、このハイスペックを超える専用チューニングを施したVR30DDTTを搭載する1台が存在する。それは、ハイパフォーマンスグレードの400R。同車専用の磁束感知式ターボ回転センサーを装備して、ターボの回転限界領域まで使い切る過給圧を設定することによってスカイライン史上最高となる405psの最高出力と48.4kgmの最大トルクを実現。普段の街乗りにおいてもいっさいのストレスを感じさせない、アクセルを踏んだ瞬間から力強い加速が体感できるシャープなレスポンスも運転の楽しさをもたらす。

 なお、先に発表されたばかりの新型フェアレディZにも400Rに搭載されるVR30DDTTが採用されている。

VQ37VHR(排気量3696cc、最高出力336ps/7000rpm、最大トルク37.2kgm/5200rpm)

気持ち良く吹け上るハイレスポンスなNAエンジンは、海外でも高い評価を受けた

 2007年10月登場のスカイライン クーペ(V36)に初めて採用された自然吸気エンジン。他にもフェアレディZ、フーガ、スカイライン(セダンとクロスオーバー)に搭載されたVQ37VHRは336psの最高出力はもとより、アクセル開度や回転数などに応じて吸気バルブの作動角とリフト量を連続的に変化させる日産独自のバルブ作動角・リフト量連続可変システムを採用、吸気抵抗の低減や吸入空気の応答性向上を実現した。

 2009年6月には専用チューニングによって最高出力を19ps向上したフェアレディZ Version NISMOも登場。高回転まで気持ち良く吹け上がる自然吸気ならではのフィーリングはデビュー当時から評価が高く、米国・ワーズ社の10ベストエンジン賞(2008年)にも選出されている。

VQ25DET(排気量2495cc、最高出力280ps/6400rpm、最大トルク41.5kgm/3200rpm)

ノーマルインジェクション方式を採用したVQ25DET。搭載したステージアは、最強のハイパフォーマンスステーションワゴンとして話題となった

 V6エンジン専用FRプラットフォームであるFMパッケージが話題を呼んだ2代目ステージアにのみ採用されたシングルターボエンジン。高流量・高効率を追求したターボーチャージャーや樹脂タンク製の大型インタークーラーを導入することで圧倒的な加速性能を実現したが、その最たる特徴はある回転域に達すると急激に過給がかかる、いわゆる“どっかんターボ”。トルクフルな特性と相まって、じゃじゃ馬的な走りが楽しめた。

 また、中速域では2.5リッタークラストップレベルの余裕ある走りもステージアの自慢のひとつではあったが、登場から2年10カ月後となる2004年8月に行われたマイナーチェンジで次世代VQエンジンを謳ったVQ35DEと入れ替わるかのように、ひっそりとラインナップから姿を消した。

VG30DETT(排気量2960cc、最高出力280ps/6400rpm、最大トルク39.6kgm/3600rpm)

VG30DETTを搭載したZ32型フェアレディZ。国産車初の280psとしてパワーウォーズの先陣を切った

 “1990年代をリードする新世代の本格スポーツカーエンジンをつくる”という基本テーマのもとに開発し、国産車で初めて280PSに到達したエンジンが1989年7月に登場したフェアレディZ(Z32)に搭載されたツインターボのVG30DETT。

 過給器にギャレット製T25コンプレッサー&T2タービンのハイブリットタイプを採用し、ターボフィンの慣性質量低減によるターボラグ抑制とシャープなレスポンスを両立。最大過給圧はウェストゲートアクチュエーターの特性を変えることによりMT車500mmHg、AT車450mmHgに設定。

 トランスミッションの違いによって味付けも異なっており、カムタイミングとタービンスクロール形状で高回転域での出力向上を図ったMT車に対し、AT車では発進時の加速が重視されていた。

VG30ET(排気量2960cc、最高出力230ps/5200rpm、最大トルク34.0kgm/3600rpm)

国産乗用車初のV6エンジンを搭載したY30型セドリック&グロリアは、セドグロの愛称で大ヒット。クラウンのライバル的存在だった

 L型シリーズの次世代を担うべく1983年9月に登場したフェアレディZ(Z31)の他、シーマ(FPY31~ FY32)、セドリック&グロリア(Y30)やレパード(F30)にも採用されたのが“PLASMA (プラズマ)”と名付けられたVG30ET。

 SOHCながら当時の国内最強を誇るグロス230psの最高出力を実現。最大のライバルだったトヨタ・セリカXXが搭載する自然吸気の2.8リッター直6 DOHCエンジン5M-GEUが最高出力175ps、最大トルク24.5kgmだったことを考えると過給器有無の違いはあるにせよ、VG30ETのスペックがいかに衝撃的だったのかが理解できるだろう。

 1986年には最高出力680ps以上、最大トルク75.0kgmにチューンナップされたVG30ETを搭載したニッサンR86Vニチラ(星野一義/松本恵二/鈴木亜久里組)とニッサンR85Vアマダ(長谷見昌弘/和田孝夫/Jウィーバー組)の2台体制でル・マン24時間レースへの参戦も果たしている。

ル・マン24時間レースに参戦したR86V。日産がワークスとして初めて参戦した時のマシンだったが、64周でリタイアという結果に終わった

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みんなのコメント

29件
  • VG20のセラミックターボ
    新しい時代の到来を強烈に印象を受けた
  • Z34搭載の耐摩耗コーティング加工 可変バルブ 高トルク 高回転型「HR」自然吸気エンジンVQ37VHRは特にいい
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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