現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > いま「コンサイ便」が注目! 2024年問題対策に繋がる「物流皆兄弟」の考え方

ここから本文です

いま「コンサイ便」が注目! 2024年問題対策に繋がる「物流皆兄弟」の考え方

掲載 5
いま「コンサイ便」が注目! 2024年問題対策に繋がる「物流皆兄弟」の考え方

 この記事をまとめると

■2024年問題に対してさまざまな対策が検討・実施されてきた

大型トラックの確実な休憩で「黄色いペットボトル」問題も解決! 全国11カ所のSAで実施中の「短時間限定駐車マス」とは?

■そのなかのひとつにコンサイ便と呼ばれる手法がある

■コンサイ便の内容やメリット・デメリットについて解説

 複数の荷主の荷物を1台のトラックに混載

 2024年問題によるトラックドライバー不足が懸念されて以来、さまざまな解決策が検討・実施されてきた。そのなかに「コンサイ便」と呼ばれる手法がある。一般には聞きなれない言葉なので「根菜」と間違いそうだが、決して積み荷の野菜を指しているわけではない。漢字では「混載」と書き、「混載輸送」とも呼ばれている。B to B(事業者対事業者)輸送の際に、複数の荷主の荷物を1台のトラックに混載(積み合わせ)をして輸送するというやり方だ。現在行なわれている主な方法は、複数の荷主から荷物を出発拠点(物流センターなど)に混載集荷し、そこで方面別に積み替えて混載出荷するというやり方である。

 一般的に、「B to B輸送」はチャーター便(専用便)を使用することが多い。これは荷主が運送事業者と契約をし、トラックには自社の製品(商品)だけを載せて、指定の場所に運んでもらうというやり方で、いわば「貸切」のようなものだ。荷主は自らの都合に合わせて荷積みや着荷の時間を指定することができる上に、積載方法など荷物の取り扱いも細かく指示ができるので、破損事故などが起きにくいというメリットがある。また、トラックが荷主の関係先にしか立ち回らないので、情報漏洩の心配もない。

 自社便と呼ばれるものもチャーター便とよく似ているが、運送事業者が荷主の傘下に属しているとか、契約している運送事業者のトラックを看板車(荷主の広告を入れた車両)にするなどというように、より荷主のカラーが強くなるという違いがある。これらの場合、問題になるのはすべてのトラック便がつねに満載にはならないということだ。とくに帰り便は、かご車・台車・パレットなどのマテハン機材(輸送資材)しか積んでいないこともある。

 そのようななか、2024年問題が浮上したことで「混載輸送」という考え方が、運送事業者から荷主に提案されるようになったのだ。複数の荷主の荷物を一緒に運ぶという考え方は以前から存在したが、 ・荷物の積載方法や配送ルートの適正化が難しい ・伝票が入り混ざるなどして情報漏洩の危険がある などといったリスクが懸念されたこともあって、なかなか実現には至らなかった

「混載輸送」のメリットには、 ・荷物量に応じた費用で利用が可能だから、チャーター便や自社便より物流コストを抑えられる(荷主) ・トラックドライバーが少なくて済む(運送事業者) などがある反面、デメリットとしては、 ・配送箇所が複雑かつ多いので時間指定が難しい(荷主) ・荷物に支障(他の荷物と一緒なのでキズや臭いがついたり、誤配送が起きたりするなど)が発生するリスクが上がる(荷主) ・配送ルートや荷物の組み合わせ調整に手間がかかる(運送事業者) といったことが考えられる。2024問題や地球環境問題などを考えた場合、混載輸送が一般化するのは不可逆的な流れであるといってもよい。また、現在のIT(ICT)やAIの発達には目覚ましいものがあり、適切な荷物の組み合わせや配送ルートなどを、自動的に算出することができるシステムも、すでに実用化の段階に入っているといわれている。

 たとえば、日野自動車の子会社である「ネクスト・ロジスティクス・ジャパン」では、量子コンピュータ(原子などの物質を構成する「量子」がもつ、「重ね合わせ」の特性を利用して並列計算を行い、高速・大規模な情報処理を可能にした次世代コンピュータ)を用い、トラック積載貨物の最適な組み合わせを40秒で導き出すシステムを構築。積載率の向上に、貢献をするものと期待されている。

 このように、これからは荷主・運送事業者・物流事業者・着荷先・トラックメーカーなどが業界の垣根を超え、効率的かつ地球環境・労働環境に優しい物流システムを構築していくことが必要になっていくのだろう。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

トラックの頭と積荷が載ったトレーラーの知られざる接続部! 最後のロックはあえて「手動」にしていた
トラックの頭と積荷が載ったトレーラーの知られざる接続部! 最後のロックはあえて「手動」にしていた
WEB CARTOP
たかがタイヤじゃないぜ! 経験の浅いトラック運転士を助けるタイヤが存在した
たかがタイヤじゃないぜ! 経験の浅いトラック運転士を助けるタイヤが存在した
WEB CARTOP
トラックでは重罪の「過積載」! 捕まったって話も聞かないけど乗用車の場合荷物は積めるだけ積んでもいいのか?
トラックでは重罪の「過積載」! 捕まったって話も聞かないけど乗用車の場合荷物は積めるだけ積んでもいいのか?
WEB CARTOP
まさかの発泡スチール製だと!? 農家の軽トラに革命が起こりそうな「箱明」がローテクなのにスゴイ!!
まさかの発泡スチール製だと!? 農家の軽トラに革命が起こりそうな「箱明」がローテクなのにスゴイ!!
WEB CARTOP
新車セールスマンの言いなり契約はダメ! 常識みたいに言われてる「残価設定ローン+メンテナンスパック」は誰でもお得ってワケじゃない
新車セールスマンの言いなり契約はダメ! 常識みたいに言われてる「残価設定ローン+メンテナンスパック」は誰でもお得ってワケじゃない
WEB CARTOP
完全自動運転トラックは想像よりずっと進んでた! ホンモノの高速道路での実験も行われて実用化はもうすぐそこ!!
完全自動運転トラックは想像よりずっと進んでた! ホンモノの高速道路での実験も行われて実用化はもうすぐそこ!!
WEB CARTOP
整備士資格が不要ってマジか! あくまで自分のクルマならブレーキからエンジンまでチューニングしても問題なし
整備士資格が不要ってマジか! あくまで自分のクルマならブレーキからエンジンまでチューニングしても問題なし
WEB CARTOP
全長25mの巨大なダブル連結トラックを免許さえあれば誰でもOKの太っ腹試乗! 物流問題の解決に期待しかない!!
全長25mの巨大なダブル連結トラックを免許さえあれば誰でもOKの太っ腹試乗! 物流問題の解決に期待しかない!!
WEB CARTOP
CO2を使って合成燃料を作るプラントが爆誕! だから気にせずガソリン車にいつまでも乗れる……とはならなそう
CO2を使って合成燃料を作るプラントが爆誕! だから気にせずガソリン車にいつまでも乗れる……とはならなそう
WEB CARTOP
ズボラ派にもバス&タクシーにもうってつけ! 洗車後の拭き取りをサボれる純水洗車にメリットしかなかった
ズボラ派にもバス&タクシーにもうってつけ! 洗車後の拭き取りをサボれる純水洗車にメリットしかなかった
WEB CARTOP
ユーザー車検派だけどどうすればいい? 2024年10月1日からのOBD車検導入でどうなる車検!
ユーザー車検派だけどどうすればいい? 2024年10月1日からのOBD車検導入でどうなる車検!
WEB CARTOP
よく聞く「海外専売の日本車を国内導入して」の声! パッと見売れそうだけそうはいかない理由とは
よく聞く「海外専売の日本車を国内導入して」の声! パッと見売れそうだけそうはいかない理由とは
WEB CARTOP
関西の路線バスの左後輪に「初代インサイト」みたいなカバーがついてる! 乗用車とは異なるタイヤカバーの目的とは?
関西の路線バスの左後輪に「初代インサイト」みたいなカバーがついてる! 乗用車とは異なるタイヤカバーの目的とは?
WEB CARTOP
【試乗】N-VAN e:の走りがスゴイ理由に納得! これは序章にすぎないホンダの「EVリ・スタート」だった!!
【試乗】N-VAN e:の走りがスゴイ理由に納得! これは序章にすぎないホンダの「EVリ・スタート」だった!!
WEB CARTOP
タイヤのトラブルは命取り! だったらタイヤの声を聞けば? ダンロップが取り組む画期的技術「センシングコア」の実用化が待ち遠しい!
タイヤのトラブルは命取り! だったらタイヤの声を聞けば? ダンロップが取り組む画期的技術「センシングコア」の実用化が待ち遠しい!
WEB CARTOP
冬はクルマのバッテリーの「突然死」が急増! 交換の際は複雑化している「種類」を要チェック!!
冬はクルマのバッテリーの「突然死」が急増! 交換の際は複雑化している「種類」を要チェック!!
WEB CARTOP
元町工場の意味は原点を大切にする「もと町工場」だった! エンジン車もハイブリッドもEVもFFも4WDも同じラインで生産する「現在より未来」を見据えた取り組みに感動
元町工場の意味は原点を大切にする「もと町工場」だった! エンジン車もハイブリッドもEVもFFも4WDも同じラインで生産する「現在より未来」を見据えた取り組みに感動
WEB CARTOP
コンビニにすら入れない……は過去のもの! いま「シャコタン殺し」の歩道と車道との段差が緩和されていた
コンビニにすら入れない……は過去のもの! いま「シャコタン殺し」の歩道と車道との段差が緩和されていた
WEB CARTOP

みんなのコメント

5件
  • mad********
    たとえば引っ越し業者は混載をしません。どうしてか分かりますか?
    記事を書いた人。
  • 中年アルバイター
    無理だと思う。
    こっちが先、いやこっち、
    の新たな火種が生まれる。
    それに、扱い方の違う荷物の混載はドライバーをはじめとして現場の負担が増すだけだと思う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村