「ブランド価値の向上」、「先進技術の獲得」、「モーターサイクルレースの健全なる普及」を目的に、世界各地でレース活動を行うとともに、技術開発、人材育成などに積極的に取り組んでいる。ヤマハ発動機株式会社が、主要チーム体制とライダープロフィール&2018年国内外レース活動の指針を発表した。
昨シーズン、MotoGP世界選手権では、1961年の初挑戦以来、グランプリ通算500勝を達成したほか、マーベリック・ビニャーレス選手がランキング3位、バレンティーノ・ロッシ選手がランキング5位を獲得。
世界耐久選手権では、「GMT94 Yamaha Official EWC Team」が年間タイトルを獲得し、その最終戦である鈴鹿8耐では「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」が三連覇を達成するなどの成果を挙げた。
また2015年以来、「世界のどこからでも、世界のトップを目指すことができる体制づくり」のため、アジアを皮切りにステップアップ構造の構築に取り組んでおり、その成果として、昨年は全日本ロードレース選手権やアジアロードレース選手権で頭角を現したライダーが、欧州でチャレンジをはじめるなど、着実に前進を遂げている。
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■ ロードレース
2017年、グランプリ通算500勝を達成したMotoGP世界選手権は、ファクトリーチームの「Movistar Yamaha MotoGP」から、昨年、MotoGPクラス自己最高のランキング3位となったマーベリック・ビニャーレス選手と、1勝を含む6度の表彰台を獲得しランキング5位となったバレンティーノ・ロッシ選手が参戦。
サテライトチームの「Monster Yamaha Tech3」からは、昨年、3度の表彰台を獲得するなどランキング6位としルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いたヨハン・ザルコ選手と、2018シーズンを欠場するジョナス・フォルガー選手に変わるライダーを加えた体制で参戦。2チーム・4人が、「YZR-M1」で三冠獲得を目指す。
スーパーバイク世界選手権には、「Pata Yamaha Official WorldSBK Team」から、アレックス・ローズ選手とマイケル・ファン・デル・マーク選手が参戦。
昨年は、それぞれ表彰台を獲得するなど、ローズ選手がランキング5位、ファン・デル・マーク選手がランキング6位を獲得したほか、鈴鹿8耐では「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」のメンバーとして当社初の三連覇を達成。
今シーズンは、3シーズン目を迎え熟成した「YZF-R1」で、2009年以来のチャンピオンを目指す。
スーパースポーツ世界選手権(WSS)には、「GRT Yamaha Official WorldSSP Team」から、昨年、新型「YZF-R6」で2勝を含む8度の表彰台を獲得しチャンピオンに輝いたルーカス・マヒアス選手と、ランキング5位のフェデリコ・カリカスロ選手に加え、スーパースポーツ300世界選手権(WSSP300)でランキング2位となったアルフォンソ・コッポラ選手がステップアップし、「YZF-R6」で連覇を目指す。
2017年9月に開幕した世界耐久選手権(EWC)は、昨シーズン、3度目の世界チャンピオンに輝いた「GMT94 Yamaha Official EWC Team」と、ランキング3位となった「YART Yamaha Official EWC Team(YART)」が参戦。
なお、耐久仕様の「YZF-R1」の開発と、EWC連覇を照準に、昨年まで若手育成を担うユースチーム「YAMALUBE RACING TEAM」で全日本ロードレース選手権・JSB1000に参戦してきた藤田拓哉選手が、アジアから世界へのステップアップとして、第2戦から「YART」のレギュラーライダーとして参戦する。
MotoAmerica AMA/FIM北米ロードレース選手権は、最高峰クラスのスーパーバイクに、2015-16年に連覇し、昨年はランキング3位となったキャメロン・ボビエ選手と、スーパースポーツ2016-17年のチャンピオンであるギャレット・ガーロフ選手が、「Monster Energy/Yamalube/Yamaha Factory Racing」から「YZF-R1」で参戦する。
ヤマハ発動機株式会社の技術開発と人材育成の重要拠点となる全日本ロードレース選手権は、最高峰のJSB1000に「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」と、ユースチームの「YAMALUBE RACING TEAM」が参戦。
ファクトリーチームからは、JSB1000で5連覇・通算7度のチャンピオンを獲得してきた中須賀克行選手と、昨年、JSB1000での初優勝など、トップライダーへと成長した野左根航汰選手が、ファクトリー仕様の「YZF-R1」で参戦。チャンピオン奪還とともに、戦闘力の高いマシン開発を進める。
ユースチームからは、昨年、ST600でチャンピオンとなった前田恵助選手が「YZF-R1」で出場。野左根選手や藤田選手に続くライダーとして、次なるステージを目指す。
ヤマハ発動機株式会社の人材育成において、重要な役割を担うアジアロードレース選手権(ARRC)には、「YAMAHA RACING TEAM ASEAN」から、伊藤勇樹選手とケミン・クボ選手が、スーパースポーツ600に「YZF-R6」で参戦。
伊藤選手は昨年、チャンピオンにあと一歩まで迫りながらランキング4位、ルーキーとして臨んだクボ選手はランキング17位。今年も引き続き、チャンピオン獲得と育成の両方に焦点を当て活動する。
スーパースポーツ600に併催のアジアプロダクション250には、現地法人の運営チームが参戦。当社は各種サポートを通じ、「YAMAHA RACING TEAM ASEAN」など、次のステップに進むライダーの育成に努める。
バレンティーノ・ロッシ選手が主宰する「VR46 Riders Academy」と協力し、2016年にスタートした若手ライダーの育成プロジェクト「YAMAHA VR46 Master Camp」を、2018年も実施。
過去2年・4回では、アジアを中心にグローバルに参加者を選抜し、12カ国からのべ23人が参加した。この中で、アピワット・ウォンタナノン選手(タイ)が、2017年より「VR46 Master Camp Team」から、CEVジュニア世界選手権Moto3への参戦を開始し、今シーズンも継続参戦が決定。
さらに、ガラン・ヘンドラ・プラタマ選手(インドネシア)が、今年からWSSP300にフル参戦するほか、コッポラ選手(イタリア)がWSSへステップアップするなどの成果を残しており、今シーズンもグローバルにライダーを選抜し、若きタレントの発掘・育成を目指す。
■ モトクロス/スーパークロス
モトクロス世界選手権の最高峰となるMXGPには、「Monster Energy Yamaha Factory MXGP Team」から、昨年、ランキング6位のロマン・フェーブル選手と、ランキング7位のジェレミー・ファン・フォルベーク選手が参戦。ファクトリー仕様の「YZ450FM」で、チャンピオンを目指す。
また「Wilvo Yamaha Official MXGP Team」からは、ショーン・シンプソン選手とアーヌー・トヌス選手に、MX2でランキング2位を獲得しステップアップしてきたジェレミー・シーワー選手を加えた3人が、「YZ450F」で参戦。
MX2には、「Kemea Yamaha Official MX2 Team」からビセボロッド・ブリリヤコブ選手、ベン・ワトソン選手、ヤゴ・グリーツ選手が「YZ250F」で参戦する。
1月に開幕したAMAスーパークロスでは、最高峰の450SXに、昨年、ステップアップした若手のクーパー・ウェブ選手と、2015年以来のヤマハ復帰となるジャスティン・バーシア選手が「Monster Energy/Knich/Yamaha Factory Racing Team」から2018年型「YZ450F」で参戦。
東西のエリアごとに開催される250SXには、「Monster Energy/Yamalube/Star/Yamaha Racing」などが「YZ250F」で参戦している。
5月に開幕するAMAモトクロスには、最高峰の450MXに「Monster Energy/Knich/Yamaha Factory Racing Team」が、2018年型「YZ450F」で参戦。ライダーはスーパークロスと同様、ウェブ選手、バーシア選手が務める。
250MXには、「Monster Energy/Yamalube/Star/Yamaha Racing」などが「YZ250F」で参戦するほか、2017年全日本モトクロス選手権・IA2でチャンピオンを獲得した渡辺祐介選手が参戦する。
渡辺選手は、若手育成をミッションとするユースチームで成長を遂げ、2017年からファクトリーチームに所属してチャンピオンを獲得する成果を出した。今回の派遣は、海外挑戦により渡辺選手のさらなる成長と、ロードに続き、モトクロスでも世界に続くステップアップの道筋を築くことを目的としている。
全日本モトクロス選手権では、最高峰のIA1に「フライングドルフィン サイセイ with YAMAHA」から、昨年までIA2に参戦していた岡野聖選手がステップアップし「YZ450F」にて参戦。
IA2は、若手育成を担うユースチーム「YAMALUBE RACING TEAM」の活動を再開。ライダーは、昨年IA2で実力をつけた鳥谷部晃太選手と大倉由揮選手、マシンは「YZ250F」となる。
■ エンデューロ
エンデューロ世界選手権には、昨年と同様に、「Outsiders Yamaha Official Enduro Team」からロイック・ラリュー選手がEnduroGPに、ジェーミー・マッカニー選手がEnduro 2に参戦。マシンは、EnduroGPが「WR450F」、Enduro 2が「WR250F」を使用する。
■ トライアル
全日本トライアル選手権は、「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」から2013年以降5年連続ランキング2位を獲得する黒山健一選手が、ファクトリーマシン「TYS250Fi」で出場。チャンピオンの獲得を目指す。
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