フェラーリは8月13日、セミワークスチームのAFコルセからWEC世界耐久選手権のLM-GTE Proクラスに参戦する4名のレギュラードライバーを発表した。このなかでミゲル・モリーナが、サム・バードと交代するかたちでラインアップ入りすることが分かった。
30歳のスペイン人ドライバーは2019年8月から翌年6月まで続く2019/2020シーズンを通じてダビデ・リゴンとコンビを組み、AFコルセの71号車フェラーリ488 GTE Evoをドライブする。また、僚友51号車のコンビネーションは“スーパーシーズン”から変更なくジェームス・カラドとアレッサンド・ピエール・グイディの2名が引き続きエースカーを駆ることになった。
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Amクラスを戦った2017年以来、2シーズンぶりに世界選手権のフルシーズンシートを得たモリーナ。彼は昨シーズン、2度のル・マン24時間レースとセブリング12時間レースでバードとリゴンが駆る71号車フェラーリのサードドライバーを務めた。
また、2019年はブランパンGTシリーズ・エンデュランスカップにSMPレーシングの一員として参戦しているほか、北米を舞台とするブランパンGTワールドチャレンジ・アメリカでも、フェラーリのFIA-GT3カーを駆りランキング首位に立つ活躍をみせている。
そんなモリーナと入れ替わる形でWECのシートを失うことになったバードだが、フェラーリとの関係は継続。同ブランドとのレースプログラムについては後日発表されるという。
そのバードは2019/20年もABBフォーミュラE選手権に出場するものと考えられている。しかし、フル電動フォーミュラシリーズの暫定カレンダーとWECのそれをつき合わせると、バーレーンとセブリングの週末にイベントが衝突しており、バードはこの問題に直面するドライバーのひとりだった。
まもなく開幕戦を迎える2019/20年シーズンでは、バードが昨年のモリーナの役割を果たす可能性がある。とくにル・マンではその線が濃厚であると思われる。しかし、サードドライバーを要すもうひとつのイベントであるセブリングは、日程重複のため別のエンデュランスドライバーを起用する必要がありそうだ。
一方、モリーナもWEC参戦が決まったことで日程のバッティングを被ることに。現在、トニ・バイランダーとともに北米シリーズのランキング首位につけている彼は開幕戦シルバーストン4時間レースへ出場するため、ブランパンGTワールドチャレンジ・アメリカ第9・10戦ワトキンスグレンへの欠場を余儀なくされた。これによりスペイン人のタイトル獲得の希望は事実上潰えることになる。
ドライバーラインアップが変更されていない51号車のペアは昨シーズン、ダニエル・セラを加えたメンバーで優勝したル・マンを含むシーズン2勝をマーク。フェラーリをマニュファクチャラーズランキング2位に導くとともに、カラドとピエール・グイディ自身もドライバーズランキング2位となった。
なお、カラドは今夏初めにパナソニック・ジャガー・レーシングでフォーミュラEのテストを行っており、シート獲得となれば彼もまたふたつのシリーズの日程重複に直面することが必至だ。
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