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なぜ大ヒットしなかった!? いまなら評価されてもいいホンダ車5選

掲載 更新 21
なぜ大ヒットしなかった!? いまなら評価されてもいいホンダ車5選

■失敗は成功のもと!? 再評価されてもいいホンダ車を振り返る

 ホンダは1963年に軽トラックの「T360」から4輪自動車の製造を始め、これまでに数多くのクルマを世に送り出してきました。

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 ホンダ車のなかには大ヒットを記録したモデルがいくつもありますが、その一方でヒットしたとはいいがたいモデルも存在。

 そこで、当時はあまり評価が高くなかったけれど、いまなら売れても不思議ではないホンダ車を、5車種ピックアップして紹介します。

●Z

 ホンダ「N360」シリーズをベースにつくられた軽スペシャリティカーの初代「Z」は、1970年に発売され、特徴的なリアゲートのデザインから「水中メガネ」の愛称で親しまれました。

 そして、1998年に登場した2代目Zは、初代とはコンセプトが大きく異なり、エンジンを縦置きミッドシップに搭載するユニークなレイアウトで、ビスカスセンターデフを備えたフルタイム4WDの軽SUVです。

 パワートレインが後部座席の下に搭載されていることからホンダは、「UM-4」(UNDERFLOOR MIDSHIP 4WD)と、新ジャンルのモデルとして位置づけました。

 ボディはスクエアな3ドアデザインのワゴンタイプで、15インチの大径タイヤと高い車高によってSUVらしさを強調。

 グレードは、自然吸気とターボのエンジンタイプによる2モデルをラインナップし、ターボエンジンは64馬力を発揮する660cc直列3気筒で、1トン近い車重でもストレスなく走らせる実力がありました。

 当時、人気のあった2代目三菱「パジェロミニ」やスズキ「ジムニー」ほどの悪路走破性能はないものの、スタイルや使い勝手で2車に劣る部分は無いZでしたが、販売は低迷。2002年には生産を終了してしまいます。

●ライフダンク

 1998年に発売された軽ハイトワゴンの3代目ホンダ「ライフ」は、女性ユーザーをターゲットに開発されました。

 そして2000年には、最高出力64馬力を発揮する660cc直列3気筒ターボエンジンを搭載。大型エアロバンパーや4灯マルチリフレクターヘッドライトなどを採用し、若い男性をターゲットにしたスポーティモデル「ライフダンク」を追加します。

 外観ではフロントフェイスが精悍なデザインとされ、専用装備として強化スプリングや大径スタビライザーを装備したスポーティサスペンション、ベンチレーテッドディスクブレーキ、EBD付きABSなどを搭載。

 人気が高まっていた軽トールワゴンのなかでも、スポーティさを強調した稀有なモデルで、実際の走りも高く評価されました。

 しかし、全体のフォルムはライフそのものだったためか中途半端な印象は否めず、ヒットすることはないまま、2003年に4代目ライフが登場するとライフダンクは一代限りで廃止されました。

●ライフ

 2008年に登場した5代目ライフはプラットフォームを一新し、4代目よりも高くなった全高と視界の良さで、運転のしやすさを追求したモデルです。

 ボディ各部の形状や運転席の座面などを最適化した結果、前方/側方/後方のすべてにおいて、車両感覚が掴みやすい視界と見切りの良さを実現。

 また、上級グレードには軽自動車初のバックモニター付オーディオが標準装備され、駐車時にハンドル操作のアシストがおこなわれる「Hondaスマートパーキングアシスト・システム」を搭載するなど、クラスの枠を超えた装備が搭載されました。

 その後のマイナーチェンジで安全性や快適性の向上を図り、後継車の「N-WGN」登場後の2014年に生産を終了します。

 5代目ライフは大ヒットには至らなかったものの、いまでも使い勝手のよさが評価され、価格も安価なことから中古車市場でも比較的人気のモデルです。

■後発にしてやられてしまった不遇のトールワゴンとは!?

●S-MX

 1996年に発売されたホンダ「S-MX」は、若年層をターゲットに開発されたコンパクト・トールワゴンです。

 当時のホンダは「クリエイティブムーバー」というコンセプトのもと、「オデッセイ」や「CR-V」、「ステップワゴン」を次々と発売し、S-MXはシリーズの第4弾でした。

 外観の特徴としては、運転席側が1ドア、助手席側が2ドアの変則4ドアハッチバックで、当時ヒットしていたミニバンのシボレー「アストロ」をオマージュしたようなデザインが採用されています。

 シャシはステップワゴンをベースにショートホイールベース化され、室内は前後ベンチシートの4人乗りで、後に5人乗り仕様を追加。このシートは前後フルフラットにすることが可能で、一般的なセミダブルベッドと同等のサイズを誇りました。

 グレードは標準車に2WDと4WDがあり、カスタマイズカーのように車高が15mm下げられた「ローダウン」の3タイプをラインナップ。

 また、エンジンは全車に130馬力を発揮する2リッター直列4気筒を搭載し、コンパクトな車体と相まって余裕ある走りを実現しています。

 発売当初は、若いユーザーからコンセプトが高く評価されてヒットします。しかし、より広い室内で多人数乗車できるミニバンの人気が高まると、販売は徐々に低迷。

 さらに2000年にはS-MXとコンセプトを同じくするトヨタ「bB」が発売されると大ヒットを記録。ユーザーをトヨタに持っていかれるかたちとなり、2002年にS-MXは一代限りで生産を終了しました。

●アスコットイノーバ

 かつて、ホンダの販売チャネルは軽自動車や「シビック」など、小型車を扱う「プリモ店」、「アコード」や「レジェンド」など、ミドルクラス以上のモデルを扱う「クリオ店」、「インテグラ」や「プレリュード」など、スポーティなモデルを扱う「ベルノ店」の3つに分かれていました。

 そのプリモ店から1992年に発売された4ドアセダンが「アスコットイノーバ」です。クリオ店のアコードに対し、プリモ店には姉妹車の「アスコット」があり、その派生車としてラインナップされました。

 ボディサイズは全長4670mm×全幅1695mm×全高1380mm(2リッター車)と、アコードと同等ですがデザインは大幅に異なり、クーペのような流麗なフォルムに6ライトウインドウでスポーティさを強調。

 搭載されたエンジンは2リッター直列4気筒SOHCとDOHC、2.3リッター直列4気筒DOHCの3種類で、サスペンションは4輪ダブルウィッシュボーンが採用されるなど、高い走行性能を誇りました。

 しかし、アスコットイノーバはヒットを記録することなく、1996年に生産を終了。

 現行モデルのアコードがスタイリッシュなクーペスタイルを採用していることから、アスコットイノーバは出るのが早すぎたモデルだったのかもしれません。

※ ※ ※

 今回、紹介した5車種のなかで、とくに印象的なのがS-MXで、完全にフルフラットとなるシートアレンジの採用や、人と荷物を満載しても力強く走れるトルクフルな2リッターエンジンを搭載するなど、昨今の車中泊ブームやアウトドアブームにベストな1台です。

 ホンダ車に限った話ではありませんが、出る時期を見誤ってしまったクルマはたくさんあります。そうしたモデルを発掘するのも面白いのではないでしょうか。

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みんなのコメント

21件
  • ダンクとS-MXは売れたと思うが・・・。
  • 2代目「ホンダ・レジェンド クーペ」も、美しいデザインのクーペだった。
    初代レジェンドは、ブリティッシュ・レイランドとの関係でデザインに制約があったが、2代目はその呪縛から解放され、その伸びやかなスタイルを 2ドアクーペに贅沢に使って、ホンダのデザインに革新を与えた。
    また、FFミッドシップレイアウトを採用し、3.2L V6エンジンを 縦置きにした(C32A型)。
    また、ホンダらしく 6速MTも設定された(後期型/海外専用車)。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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