現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【試乗】アウトランダーPHEVはシステムの9割改良でより力強い走りに進化

ここから本文です

【試乗】アウトランダーPHEVはシステムの9割改良でより力強い走りに進化

掲載 更新
【試乗】アウトランダーPHEVはシステムの9割改良でより力強い走りに進化

PHEVのシステムを大幅に改良して、2019年モデルとして登場したアウトランダーPHEV。その走りの進化を公道初試乗で、瀬在仁志がチェックする。
(ホリデーオート 2018年11月号より)

排気量を2→2.4Lへアップ。加速性だけでなく静粛性も向上

1億7000万円オーバーの「GT-R 50 by Italdesign」のここが凄い!

アウトランダーPHEVの2019年モデルがデビューした。ダイナミックシールドと呼ばれる精悍な顔つきは、LEDライトの採用やラジエターグリルの変更、前後バンパーエクステンションの追加などによって、三菱の代表モデルらしい風格も漂わせてくれている。

もっとも今回のポイントはここではない。基本性能が大きく大胆に変更されたのだ。
まず、エンジンが従来の2Lから2.4Lへとサイズアップ。ダウンサイジングの時代からすると逆行しているように思えるが、エンジンにゆとりを持たせることで、低回転で効率良く発電できることと、モーターをサポートする時のパワーにゆとりが出て、EVとしての機能が一層強化されるという。
この大胆な決断こそ、三菱の力技であり魅力。元気な三菱が戻ってきた象徴ともいえる。

実際に乗ってみると、モーターで走っている時に発電モードとなった場合のエンジン音が確実に静かになっているし、振動も少ない。エンジンが加速のサポートに入った時も低回転からググっと押し出してきてくれることから、パワーに段付き感がなくスムーズで力強い。
もちろんさらに踏んで行けばエンジンが主役となって高速加速もいい。2.4Lへのスケールアップは大正解だと思う。カタログ上の燃費表示はわずかに下がっているものの、エンジンが低速で回っていることが多いから、実燃費は大差ないか、むしろ向上している可能性もある。

なぜなら、今回もうひとつ目玉がある。PHEVの構成部品のうち、約9割のコンポーネントを改良し、駆動用バッテリーを12.0→13.8kWhへ容量アップし、出力を10%向上。リアモーターの出力も12%向上させることで、EV走行の航続距離が60.2kmから65kmへ伸びているのだ。
もちろん前後のモーター駆動力とブレーキ制御を組み合わせることで、ランエボで磨いたS-AWC技術を進化させ、曲がる4WDモデルとしての走りも強化。モーターに余裕があることから、一般的なワインディングでは滑らかなEV加速と旋回力が相まって、SUVの大きさを感じさせないハンドリング性能を実現している。

中でも標準サスはボディ強化に加え、前後とも容量アップや補強が行われたことで接地性がアップ。
ステアフィールもセンター付近に締まりが出た上に、ギア比の変更でステアリングをもうひと切りすることが少なく、一体感ある走りが楽しめた。
変更を受けたメーターも、エンジンとモーターの働きがパワー表示としてひと目でわかり、エンジンをかけない走りを視覚的に楽しめたり、静かになったエンジンの作動確認が容易にでき、結果として燃費走行にも効果的だ。

さらにS-AWCにはSNOWモードやSPORTモードが追加され、駆動力コントロールのみならず、パワーフィールの変化を幅広く選ぶことができるようになった。まさにランエボの気持ちの良いハンドリングを思い起こさせてくれた。
見た目は大きく見えるものの、中身は確実にランエボやパジェロ時代に走り込んできた三菱の技術力が濃縮されていた。そこに次世代のパワートレーンに迷いなく切り込んでいくことで、先進的な走りと環境性能を両立。三菱の復活を象徴するかのようなポテンシャルにホッとした。
(文:瀬在仁志 写真:井上雅行)

アウトランダーPHEV Sエディション 主要諸元

●全長×全幅×全高:4695×1800×1710mm
●ホイールベース:2670mm
●重量:1920kg
●エンジン:直4DOHC
●排気量:2359cc
●エンジン・モーター最高出力:128ps・60ps+70ps
●エンジン・モーター最大トルク:199Nm・137Nm+195Nm
●JC08モード燃費:18.6km/L
●トランスミッション:電気式無段変速
●タイヤサイズ:225/50R18
●価格:509万40円(税込み)

こんな記事も読まれています

【今日発売】BYDシールに国内最速試乗 AWDで537ps・航続およそ600kmにして実質537万円の戦略価格
【今日発売】BYDシールに国内最速試乗 AWDで537ps・航続およそ600kmにして実質537万円の戦略価格
AUTOCAR JAPAN
「感動を疑似体験」ヤマハ発動機と楽器のヤマハ、体験型インスタレーション「e-plegona」がデザイン賞
「感動を疑似体験」ヤマハ発動機と楽器のヤマハ、体験型インスタレーション「e-plegona」がデザイン賞
レスポンス
新型SUVクーペ、ハイブリッドも設定…長城汽車の「HAVAL」が南アフリカで発売
新型SUVクーペ、ハイブリッドも設定…長城汽車の「HAVAL」が南アフリカで発売
レスポンス
バス会社「待合室が落ち込んだので閉鎖中です」衝撃投稿に反響多数!? 「えらいこっちゃ」「北海道は異世界」バス停の無惨な風景が話題に
バス会社「待合室が落ち込んだので閉鎖中です」衝撃投稿に反響多数!? 「えらいこっちゃ」「北海道は異世界」バス停の無惨な風景が話題に
くるまのニュース
KTM Japanがモトクロス&クロスカントリーのMY2025モデルを発表! KTM Factory Racing譲りの進化を実現
KTM Japanがモトクロス&クロスカントリーのMY2025モデルを発表! KTM Factory Racing譲りの進化を実現
バイクのニュース
スズキの[新しい軽SUV]はワイルド&イケメンになっても176万円!! 走りも優秀なのよ!
スズキの[新しい軽SUV]はワイルド&イケメンになっても176万円!! 走りも優秀なのよ!
ベストカーWeb
20歳女子レーサーがホンダ「ビート」で軽MT初体験!「エンジン回すとめちゃくちゃ気持ちイイです!」【令和女子旧車に乗る】
20歳女子レーサーがホンダ「ビート」で軽MT初体験!「エンジン回すとめちゃくちゃ気持ちイイです!」【令和女子旧車に乗る】
Auto Messe Web
飲酒運転を絶対にしない! させない!【運転初心者ための交通ルール&運転マナー】
飲酒運転を絶対にしない! させない!【運転初心者ための交通ルール&運転マナー】
くるくら
「ベントレー マリナー イスタンブール シルエットコレクション」限定3台が登場。トルコ イスタンブールの景観と歴史をリスペクトしたエクスクルーシブなモデル
「ベントレー マリナー イスタンブール シルエットコレクション」限定3台が登場。トルコ イスタンブールの景観と歴史をリスペクトしたエクスクルーシブなモデル
Webモーターマガジン
トヨタ新型「カローラ“FX”」公開! 純正ローダウン&ド迫力「リアスポ」採用! レトロで“スポーティ”な「スペシャルエディション」! アメリカに登場した「新セダン」どんなモデル?
トヨタ新型「カローラ“FX”」公開! 純正ローダウン&ド迫力「リアスポ」採用! レトロで“スポーティ”な「スペシャルエディション」! アメリカに登場した「新セダン」どんなモデル?
くるまのニュース
[car audio newcomer]ダイハツ アトレー・デッキバン(岩田達也さん)by ピットハウスコスギ 前編
[car audio newcomer]ダイハツ アトレー・デッキバン(岩田達也さん)by ピットハウスコスギ 前編
レスポンス
『いとうみゆきのクルマのおうち旅』が電子書籍化…ホンダアクセス「カエライフ」連載
『いとうみゆきのクルマのおうち旅』が電子書籍化…ホンダアクセス「カエライフ」連載
レスポンス
重量わずか48g! 最大120時間点灯するポーチランタン「HEXAR UL1.5」が登場
重量わずか48g! 最大120時間点灯するポーチランタン「HEXAR UL1.5」が登場
バイクブロス
“軽トラック”の素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない
“軽トラック”の素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない
Merkmal
「知らなきゃ損!?」 スマートキーの“意外な”便利機能! 「車内にカギ忘れた!」うっかり“インキー”の原因は?
「知らなきゃ損!?」 スマートキーの“意外な”便利機能! 「車内にカギ忘れた!」うっかり“インキー”の原因は?
くるまのニュース
ミニバンやSUVの形は「クルマの原点」! ゆえにセダン人気が復活することはないが存在価値はある
ミニバンやSUVの形は「クルマの原点」! ゆえにセダン人気が復活することはないが存在価値はある
WEB CARTOP
グレー&シアンで「MTシリーズ」の世界観を表現、ヤマハ『MT-03』『MT-25』2025年モデル発売 
グレー&シアンで「MTシリーズ」の世界観を表現、ヤマハ『MT-03』『MT-25』2025年モデル発売 
レスポンス
KINTO、走行安定性をアップグレードする「士別フィン」を発売
KINTO、走行安定性をアップグレードする「士別フィン」を発売
月刊自家用車WEB

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

499.5630.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

53.7656.8万円

中古車を検索
アウトランダーPHEVの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

499.5630.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

53.7656.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村