次期型クリオでEV版も導入か
フランスに自動車メーカーであるルノーは、小型ハッチバック「クリオ(日本名:ルーテシア)」のバッテリーEV版の導入を計画している。新型5 Eテックの上位に位置するファミリー向けのEVにするようだ。
【画像】日本でも大きな人気を誇るフレンチ・ハッチバック【ルノー・クリオ(日本名:ルーテシア)を写真で見る】 全19枚
ルノーは2026年頃にクリオのフルモデルチェンジを実施し、第6世代となる次期型を投入する見込みである。ガソリンエンジンベースのハイブリッド車は引き続き設定されるが、新たにEVも導入される。
次期型のEV版クリオは、5 Eテックと同じ「アンペア・スモール」プラットフォームを採用する。一方、ハイブリッド版は現行世代の「CMF-B」を引き続き使用する。
つまり、同じクリオという名称を受け継ぎながら、基本構造とパワートレインは異なるものとなる。ただし、アンペア・スモールとCMF-Bの関連性は非常に高く、サスペンション構造や寸法、取り付けポイントなど主要部品の60%を共通化している。
したがって、EV版とハイブリッド版は基本的に同一と言える。ボディや内装もほぼ同じものを採用できるだろう。
新型5 Eテックとは「兄弟車」に?
次期型クリオの外観は、現行車とはかなり異なるデザインとなる。これまでの取材から、メガーヌEテックやセニックといった現行EVの影響を受けつつ、オーストラルやラファールなどのSUV要素も採り入れると予想されている。
全長は5 Eテックより20mmほど長く、現行クリオ(全長4053mm)とほぼ同じになる。外見上のサイズの違いは目立たないが、荷物積載量と後席レッグルームの改善が可能になるはずだ。
情報筋によれば、EV版のクリオと5 Eテックと一緒に販売することは、消費者に選択肢を提供することが目的であるという。
いずれにせよ、ルノーは新型5 Eテックをクリオの後継車とは考えていない。実際、製品パフォーマンス責任者であるブルーノ・ヴァネル氏は以前、本誌の取材で「クリオはそれ自体が1つのブランドである」と語り、消費者に親しみある名称を存続することの重要性を示唆している。
ルノーの「マルチエネルギー」戦略
ルノーは小型EVのコスト削減に相当なパワーを注いでおり、EV版クリオの価格は、2万5000ユーロ(約410万円)を予定している5 Eテックよりわずかに高い程度と予想される。3万ユーロ以下であれば、上位のメガーヌEテックとの差別化も図りやすいだろう。
しかし、ルノーは必ずしもEV版クリオの導入を急いでいるわけではない。理論的には、2026年発売のハイブリッド版で、2035年の “エンジン車禁止” まで持ちこたえることができるからだ。
ルノーのエンジニアリング責任者であるジル・ルボルニュ氏は、EV版クリオは当面の優先事項ではないとしつつ、同じプラットフォーム上で「マルチエネルギー」パワートレインを用意することが重要だと語った。
ルボルニュ氏は旧PSAグループに30年間在籍し、プジョー、シトロエン、DS、オペルの電動パワートレインの開発を監督してきた。そんな彼は、マルチエネルギーについて「宗教のようなもの」であり、「いつもマルチエネルギーをめぐって戦ってきた」と言う。
「わたしはとても現実的です。マルチエネルギーを使えるときは使います」
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みんなのコメント
ようはこれを全てEVに置き換えるというモデルなんだろうけど、本当にうまくいくんだろうか
ハイブリッド天国の日本でさえまだ、ガソリン車のカローラがそこいらじゅうに走っているのに