■いまでも通用する性能ながら安価なクーペを振り返る
以前は若者が乗るクルマといえば、2ドア/3ドアクーペが人気でしたが、現在は絶滅危惧種になってしまったほど激減しています。なかでも高性能なモデルは、走りにこだわるユーザーだけでなくデートカーとしてもとくに人気がありました。
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そんな往年のクーペは、現在、不人気なことから安価な中古車が多数存在。そこで、いまが狙い目の高性能クーペを3車種ピックアップして紹介します。
●マツダ「RX-8」
2003年から2012年まで生産されたユニークな4ドアスポーツカーのマツダ「RX-8」は、ピュアスポーツカー「RX-7」の流れを汲むモデルで、現時点で最後のロータリーエンジン搭載車です。
いまでは希少なFRレイアウトを採用し、グッドデザイン賞を受賞したスタイリングはどのクルマにも似ていない強い個性を主張しています。
搭載されたエンジンは1.3リッター2ローターの自然吸気のみで、2種類のチューニングタイプを設定。高出力版は最高出力250馬力を8500rpmで発揮し、レブリミットは9000rpmという高回転型です。
ロータリーエンジン独特の甲高いエキゾーストノートとともに、どこまでも回転が上昇し続けていくようなフィーリングが、高く評価されました。
また、エンジンだけでなく、車体の重量配分を50対50とし、サスペンションはフロントをダブルウイッシュボーン、リアをマルチリンクとするなど、4ドア4シーターでありながら高い旋回性能を誇る本格的なスポーツカーに仕立てられています。
現在、中古車の流通台数は比較的多く、相場の下限は10万円台からあり、60万円から80万円がおおよその平均価格です。
なお、最終の限定車の「スピリットR」や、「マツダスピードバージョン」は高値安定傾向にあります。
●ホンダ「プレリュード」
1996年に登場したホンダ5代目「プレリュード」は、4代目のワイドなスタイリングからスマートなデザインに刷新。
デートカーとして一世を風靡した2代目や3代目を彷彿させるデザインに回帰したことで、大いに話題となりました。
搭載されたエンジンは全車2.2リッター直列4気筒で、トップグレードの「タイプS」には220馬力を発揮するVTECエンジンを採用し、「シビック」や「インテグラ」以上に官能的なエンジンと評されました。
また、高剛性なボディに4輪ダブルウィッシュボーンサスペンションと、4輪操舵を設定。タイプSには前輪左右駆動力配分システム(ATTS)を組み合わせ、優れたコーナリング性能を実現しています。
発売当時はすでにクーペ需要が低迷していた時期だったため、販売は苦戦を強いられ、2001年には23年続いたプレリュードの歴史に幕を下ろすことになりました。
中古車市場においても物件数は多くありませんが、60万円から70万円の価格帯が平均となっています。
■優れたハンドリングと評されたクーペとは!?
●三菱「FTO」
三菱「FTO」は1994年にデビューしたスポーツクーペで、曲面を多用したスタイリッシュなルックスが印象的なモデルです。
先に登場した「GTO」が四輪駆動のスーパースポーツなのに対し、FTOは「ランサー」などとシャシを共有するFFレイアウトとなっています。
トップグレードには200馬力を誇る2リッターV型6気筒MIVECエンジンを搭載し、トランスミッションは5速MTに加え、日本初のマニュアルモード付きAT(4速と5速を設定)を採用するなど、先進的な面もありました。
サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアがマルチリンクの4輪独立懸架を採用し、独自のセッティングにより当時はFF随一のハンドリングと評されます。
より過激なFFクーペのホンダ「インテグラ タイプR」が登場したことで、FTOの人気は次第に低迷してしまいましたが、その実力の高さを考えれば、隠れた名車といっていいでしょう。
現在、中古車の物件数は少なくなっていますが、最高でも100万円前後、平均60万円くらいの相場となっています。
※ ※ ※
近年、1980年代から1990年代に販売されたクルマの中古車価格が高騰しています。発端となったのは日産「スカイラインGT-R」など高性能モデルの価格高騰で、それに引きずられるように同年代のクルマの価格も上がったというわけです。
なかには「こんなクルマが?」と思うようなモデルが、新車価格をはるかに上まわる値段で販売されているケースも散見されます。
新型コロナウイルスの影響で中古車相場は下がっているといわれていますが、現存数が少ない旧車の相場は、まだまだ高値安定の傾向が続きそうです。
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13年増税はもちろん、消耗品だってもう無いでしょ。